ここを読んでいる方は、パラグライダーというものを聞いたことはあるけど見たことがない、という人がほとんどなのではないでしょうか? また、ハンググライダーやスカイダイビングとどう違うのかという疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。 「空を飛ぶ」という憧れは多くの人が持っていることと思います。 それもジャンボジェットのような旅客機に乗客として乗るのではなく、自分がパイロットとなって自分の手で操縦してみたい、自由に空を飛びまわりたい。そんな夢をかなえるために最も身近な乗り物、それがパラグライダーなのです。 言葉でパラグライダーとはどういうものか説明してみますと、
(説明)
基本的に、上昇下降を操縦で直接コントロールすることは出来ません。 実際パラグライダーの着陸は、着陸地点(ランディングといいます)の手前で左右にターンして高度を処理し、所定の高度まで降下するのを待ってから、最後に向かい風でランディング地点に進入するのを基本としています。
皆さんは、トンビや鷹が飛んでいるのを見たことがあるでしょうか?羽ばたきもせず、ただ翼を広げて回っているだけなのに、どんどん高度を上げていく。 実は彼らは「上昇気流」を利用しているのです。上昇気流とは、例えば地表近くで太陽に暖められた空気が登っていく現象です。この空気の中に入れば、上昇することだって出来るのです。この上昇気流はパラの世界では「サーマル」とも呼ばれています。
それ以外にも、斜面に沿って吹き上がってくる風を利用して上昇したり、高度を維持したりすることもできます。こうしたいい風に恵まれれば、何時間だって飛び続けていられるのです。
飛行速度について![]()
地上からだと空にふわふわ浮かんでいるように見えるパラグライダーも、実はそれなりのスピードで飛んでいるのです。
フライトする高度についてこれもその場の状況次第です。山の上のテイクオフ地点はランディング地点のある平野部から150〜500m程度の標高差があるのが普通で、上昇気流などがなければその高さを飛びながらひたすら高度を下げてゆくだけになります。(ちなみにパラの世界ではこのように上昇風をつかめずランディングに向けて「降りて」いくだけのフライトを「ブッ飛び」と言ってます。)しかし首尾よく上昇気流(サーマル)をつかまえることができれば、トンビのようにぐるぐる回りながら螺旋状に上昇させていき、そのサーマルのつきる高さまで登ることもできます。これがパラグライダーの最大の楽しみでもあり、テクニックを要求されるところでもあるのです。 こうやって登れる高さはサーマルの強さや乗り手の腕などによって変わりますが、なかには4000mを超える高さまで登ってしまうすごい人もいます。
ハングやスカイダイビングとの違いパラグライダーと同じスカイスポーツの仲間にハンググライダーがあります。これはあらかじめ丈夫な金属製のパイプで翼の形をつくってあり、パラグライダーよりも長い歴史があります。
(ちなみに「ハングライダー」は間違いで、「ハング グライダー」というのが正しい呼び方です。)
また、パラグライダーとよく混同されやすいのが、スカイダイビングではないでしょうか? しかしパラグライダーはもともとこのスカイダイビングのパラシュートから発展してきました。つまりパラのご先祖様といえるでしょう。
どうすれば始められるか![]() でも実際のところ独学でパラグライダーを始めるというのは大変危険ですし、そういう人のフライトを受け入れているエリア(パラグライダーが飛ぶ場所)もありません。従ってしっかりした技術をもつスクールに入ってインストラクターの指導を受けながら上達を目指していくのが唯一かつ一番確実な方法です。
そこで、具体的な行動は、まずスクールを選ぶことから始まります。
そこでどこにパラグライダーのスクールがあるかについて、リストを作ってみました。全部のスクールを網羅しているわけではありませんが、参考までにどうぞ。
(補足)
そしてどのスクールにするか迷った場合は、一度休日などを利用して見学されてみてはいかがでしょうか? そうすればそのスクールの雰囲気もわかるし、どういったことをやっているかも見て確かめられると思います。
エリアまでの交通手段やはりこれにも頭を悩ませることと思います。最寄りの駅からの送迎を行っているスクールならいいのですが、場所によっては車でないと行けない所もあり、車を持ってない人にとってはバス、タクシーなどを利用するにしてもつらいところかも知れません。一番いいのは車を持っている人に頼んで同乗させてもらうこと。その人がパラをやっていればもう言うことないですし、やってないとしても、一緒に引き込んでしまうというのもいい手ですね。
ただ車があるからといって問題がないわけではありません。
ちなみに私の自宅は東京都品川区です。通ってるエリアのうち、いちばん遠い所(群馬県 沼田市周辺)に行く行程は片道約180km、高速道路はケチって使わずに行くので、夜間でだいたい4時間かかります。
必要な体力について確かに10kgはあるパラグライダーの装備一式を背負って斜面を登ったり、急な(と思える)斜面を走り降りたりしなければなりませんので、運動するのが嫌いな人には向いてないかも知れません。
ただ体重だけは制限があります。子供のようにあまりに軽い人(30kg以下)や、100kgを超える体重の人の場合、それに合う機体(パラグライダー)がなかったりするのです。その間であれば体重に合った機体が選べますので、問題ありません。
パラグライダーのライセンスについて正確には「免許」と呼ばれるような国家試験を必要とするものはありません。しかしダイビングなどと同じように、「この人はこれだけの技量と知識を持っていますよ」ということを証明する「技能証」というものがあります。本来の定義とは違いますが、大雑把にこれらの資格を説明すると、
これらを持ってなくても捕まるなんてことはありませんが、いくらパラの操縦がうまくても、これらの技能証を持っていなければどこのエリアに行っても飛ばせてくれません。そういう点で見れば、「免許」と言えなくもありません。
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ページ最終更新:2000/6
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