空撮器具1(コンパクトデジカメ・パイプ取付用)

 数年前までは、飛びながら動画(ビデオ)を撮るには嵩張る家庭用ビデオカメラや、SONY「まめカム」のような専用機材が必要でした。しかし近頃はコンパクトデジカメの動画撮影機能が発達し、フルHD規格に対応したモデルも発売されるなど、画質や録画時間において必要十分な機能を備えるようになりました。
 コンパクトデジカメは小型で軽いですから、ハングの機体に取付けても操縦性への影響は最小限で済みます。単に空からの景色を撮影するだけではなく、自分の操縦をチェックするのにも役立ちます。また、インストラクターにその動画を見てもらってアドバイスをもらうとか、飛べないときにイメージトレーニングするとか、上手い人にお願いして撮影した動画で勉強するとか、いろいろ有効な使い道があります。

 コンパクトデジカメを機体に固定して、動画を撮影されている方はたくさんおられると思います。このページでは私のやり方を紹介いたします。
 まずカメラをどこに付けるかですが、比較的簡単な方法としては以下の3つがあります。


(1)キール後端に取付けて、後ろから自分を撮影
 進行方向の景色と自分の操作が同時に見えますので、自分の操縦チェックに最適です。
 (ただしカメラは機体に固定しているため、コントロールバーを操作しても人間だけグラグラ動いているように見えます。慣れるまで少々違和感があります)


(2)クロスバーに取付けて、横から撮影
 横から撮りますので、ピッチ操作がよくわかります。ただし、クロスバーが露出しているシングルサーフェスの機体でないと取付は困難です。


(3)ノーズプレート近くのキール前端に取付けて、上方から撮影
 うつ伏せ姿勢で飛んでいる自分と、その下の地面が見えます。テイクオフ・ランディング時など地面が近いとスピード感ある動画になります。これもキールが露出しているシングルサーフェスの機体でないと取付は困難です。




 これら3通りの方法とも、カメラは直径40〜50mmのアルミパイプに取り付けます。そのために私が使っているのが写真の器具です。主に以下の部品で構成しています。


・パイプへ固定する部分
 キールやクロスバーにはベルクロ巻きで固定します。基台となる部分は廃棄品の40φのキールを10cm位の長さに切って、さらにそれを縦に4分割したものです。断面形状が元々カーブしていますので、パイプに取付ける基台として最適です。端には6mmφの丸ゴムを半分に切ったものを接着剤「セメダイン・スーパーXクリア」で接着してあります。
・本体フレーム
 いずれもホームセンターで売っている幅15mm、厚さ1mm程度のアングル材を使用します。上部は長さ200mm、下部は長さ300mmのものを使い、カメラに合わせて曲げたり、余った部分は切断(何度か折り曲げると疲労して切れる。切断面はヤスリで整える)します。基台と上部フレームは3mmの皿ネジで固定。上部・下部フレーム同士は写真のように4mmの蝶ナットを使って結合します。この部分で、上下方向のアングルを調整します。
・カメラを載せる部分
 カメラの三脚穴を使って、1/4インチのネジで固定します。左右方向のアングルはカメラ自体を左右に振って調整します。なお、地面にぶつかるなどしてフレームが変形した際に、カメラの三脚穴に無理な力がかかって破損する場合があります。これを防ぐために底部に厚さ2mm程度の丈夫なプレートを更に入れたり、カメラごとベルクロを巻いて固定力を補強したりしています。(写真の器具は、背面液晶画面が見えるように透明ビニールを使って固定用ベルクロを自作してます)

 これを写真のように畳んで、100円ショップで買ったクッションケースにでも入れてハーネスに放り込んでおけば、いつでも撮影が可能というわけです。




ページ最終更新:2010/10

もどる