GoProHDハウジング後部ドア処理


 GoProHDハウジングの後部ドアは、防水タイプと、開口部のあるスケルトンタイプの2つが付属しています。どちらを使うかについて、サーフィンやカヌーなど水上スポーツでGoProHDを使うのであれば迷うことなく防水タイプですが、ハングの、しかも動画で使う場合は迷いどころです。防水タイプを使えば埃や虫が入ることもないし、田んぼ沈していろいろ凹んでる時にGoProまで水没させてしまう追い討ちを喰らう心配もないわけですが、以下のような問題があります。

 ○音がこもる
 防水タイプを使うとハウジングが完全密閉されるので、GoProHD本体マイクが拾う音がかなりこもった感じになります。風切り音は低減されますが、ハングの骨組みを通して伝わってくる軋み音が気になります。

 ○レンズ部が曇る
 特に夏場の湿度の高い空気を密閉したまま上空の冷えた空気の中へ上がっていくと、確実にレンズやハウジングの内側が結露します。乾燥剤を封入したり、曇り止めを塗ることで軽減できるものの、面倒だし、完全に防止できるわけではないようです。


 これを避けるためにスケルトンタイプの後部ドアを使いたいわけですが、事前に何らかの防塵・防水対策をしておきたいところです。そこで考えたのが、開口部にスポンジを貼り付ける方法です。100円ショップ買ったクッションケースを後部ドアの大きさに切り抜き、アクリルフォームの強力両面テープで貼り付けます。スポンジなのでハウジングを完全に水に漬けてしまうとすぐに水が入ってきますが、何も無いよりはマシです。



 それでしばらく使っていましたが、風切り音対策をしたらどうかと思い、ウインドジャマーとかウインドパフなどと呼ばれる、モワモワした毛を貼り付けてみたのが左の写真です。
 これも素材は100円ショップで買ってきたもので、後部ドアに貼り付けたスポンジの上に接着しました。見た感じがちょっと怪しいのがアレですが、プロ仕様(自称)な外観に仕上がってると言えなくもありません。

 が、実際にこれで撮ってみると、思ったほど良い感じではありません。
 まず風切り音ですが、確かに少し小さくなっているような気がするものの、防水タイプドアを使った時のような、こもり音に近づいてしまった感じです。
 考え方次第ですが、風切り音によって飛行速度がある程度推測できるので、エンジンのないハングの空撮では重要な効果音とも言え、小さくすれば良いというものでもないようです。おまけに風切り音が小さくなるということは、骨組みから伝わるギシギシ音が相対的に大きくなるということになります。

 そしてモワモワを接着したためにスポンジ部の通気性が損なわれたようで、ハウジング内側が曇ることがありました。
 これでは、スケルトンドアを使った意味が無くなってしまいます。

 ということでこの毛付きスポンジはしばらくお蔵入りにして、新たな防塵・防水対策品を開発することにしました。



 基本はスケルトンドアにスポンジ貼り付けですが、夏季なので耐・田んぼ沈性能(^^;; をさらに高めたいところです。
 通気性を保ちつつ、水の浸入を防げるような素材はないものか...

 目をつけたのが最近一般的になったサージカルマスクです。どこでも手に入るし、埃や塵、花粉、ウイルスの透過を防ぎつつ、楽に呼吸ができる=通気性が良い絶好の素材というわけです。
 分解して中のフィルタを取り出し、耐水性をチェックしてみると(下の写真)、思った通り水を弾いて通しません。




 そこで下の写真のように、このフィルタを100円ショップのクッションケースから切り取った2枚のスポンジの間に挟みこめば、耐水性が一気にUPするはずです。
 2枚のスポンジの内側周囲に接着剤(スーパーX)を塗って浸み込ませた後、付属のへらをいくつか利用して挟んで硬化を待ちます。こうすることで写真のようにスポンジの周囲が固まりますので、両面テープの接着性が良くなるうえ、断面部からの水の浸入を防ぐことができます。

 あとは両面テープでスケルトンドアに貼り付けるだけ。水の通り道ができないよう、アクリルフォームの強力両面テープを隙間無く配置するのがポイントです。
 なお通気性を良くしても、冷たく湿った空に上昇してゆくと結露を完全に防げない可能性がありますので、曇り止めをレンズとハウジングのレンズ部内側に塗っておくと良いと思います。







ページ最終更新:2012/7

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