カメラについて

 どんなカメラを使うかは、被写体や撮影目的、撮影方法、そして経済的理由などにより一概には言えません。ケースバイケースで見ていくことにしましょう。


○フィルムカメラ or デジタルカメラ
 私の場合、2005年頃まではフィルムカメラにリバーサルフィルムを入れて写真を撮っていました。36枚撮りフィルム代+現像代(スリーブ仕上げ)で1500円位かかるのですが、他では得られないシャープな写りと綺麗な空の色を出せるため、愛用していました。
 その頃のデジタルカメラは写りが悪い上に動作が遅く、しかもバッテリーはすぐ切れるし高価だしで、とても使いたいと思うようなものではありませんでした。
 しかし近年はデジタルカメラの性能も向上し、写りの良さだけでなく使い勝手や価格においてもフィルムカメラを凌駕していると言えます。私も2006年頃からデジタルに移行し、今では全てのカメラがデジタルになりました。カメラをお持ちの皆さんも、同じような境遇だと思います。
 たくさん撮影できること、撮影した後すぐに画像を確認できる便利さも含めて、使用するカメラはデジカメになるかと思います。


○コンパクトデジカメ or レンズ交換式デジカメ(デジタル一眼レフ)
 一般的な撮影では、ほとんどの方が持っていると思われる、軽量コンパクトなデジカメで十分であることがほとんどです。しかしコンパクトデジカメには、大きくて重くて高価なレンズ交換式デジカメに比べていくつか弱点があります。

・写りがいまひとつ
これは主に内部の撮像素子の小ささに起因するのですが、コンパクトデジカメは全体的にノッペリした感じの画像になることとが多く、画素数の割りにシャープな写りをしません。ブログ用の写真であれば特に問題ありませんが、紙に大きくプリントしたりする場合に差を感じます。とはいえ、それほど決定的な差があるわけではありません。大事なのは、何がどう写っているかです。その観点からみると、以下の点の方が重要です。
・レスポンスが悪い
ピントが合うのに時間がかかったり、1枚撮ると次に撮影可能になるまで時間がかかったりします。特に空撮ではじっくりカメラを構えることができないので、シャッターチャンスを逃さないためにもレスポンスの良さが大事です。
・レンズ交換ができない=画角に制限がある。
レンズ交換式デジカメであれば望遠レンズを装着して遠くのものを大きく写したり、超広角レンズを装着して広い範囲を写しこめたりできますが、コンパクトデジカメでは決められた範囲のズームのみです。私個人的には魚眼レンズが好きで愛用しているのですが、一般的なコンパクトデジカメで満足できる画質の魚眼レンズを搭載した機種はありません。
・絞り等のマニュアル設定ができない
必ずしも必要というわけではありませんが、シャッター速度や絞り、そして感度を自由に設定したい場合もあります。またオートフォーカスでなくマニュアルフォーカスにして、任意の場所にピントを合わせたい場合もあります。一眼レフでは当たり前のこの機能も、コンパクトデジカメで備えている機種は稀です。
・リモコンが使えない
機体にカメラを装着した場合、外部からシャッターを切る必要がありますが、そのために必要な外部レリーズ端子を備えた機種はほとんどありません。
 写りの良さや機能に関しては、コンパクトデジカメでもSIGMA DP1,2やCANON PowerShot G11,G12、Panasonic LUMIX LX3,5など、レンズ交換式デジカメに肉薄している、あるいは一部凌駕している高級タイプもあります。一概には言えませんが、まずはコンパクトデジカメを使ってみて、それで満足できなければ、その目的に沿ったレンズ交換式デジカメ(デジタル一眼レフ)+交換レンズを使っていけばよいかと思います。

 ・・・と、このままでは一般的かつ退屈な話で終わってしまいますので、私の使っている機材を紹介しながら、もう少し説明していきたいと思います。





 左から、
 コンパクトデジカメ Panasonic LUMIX DMC-FT1
 レンズ交換式デジカメ Panasonic LUMIX DMC-GF1 + レンズ LUMIX G FISHEYE 8mm/F3.5
 デジタル一眼レフ PENTAX *ist DL + レンズ DA FISHEYE 10-17mmF3.5-4.5ED


 FT1は、主に動画の撮影に使っています。静止画の写りもコンパクト機としては悪くは無いのですが、何と言ってもHD画質(720p)で、しかも高圧縮のAVCHD lite形式で長時間の動画記録が可能なので、ほぼ動画専用機となっています。例えば4GBのSDHCカードの場合、通常のMotion Jpegだと10分弱しか録画できないのに比べ、約1時間+αの録画が可能です。
 AVCHD形式でのHD動画記録は家庭用ビデオカメラの世界では広く普及していますが、デジカメでAVCHD(lite)形式でのHD動画記録に対応しているのは現状ソニーかパナソニックのデジカメのみです。さらにソニー製デジカメは欧州輸出時の関税の都合上、連続録画時間30分未満の制限があるため、事実上連続30分以上のHD動画記録が可能なのはパナソニック製のデジカメのみになります。(ただし、FT1はバッテリーが1時間程度しか持たないのでそれがネックになります。私は予備バッテリを用意し、フライト毎に交換して使ってます。)
 また、搭載レンズの広角側が28mmとコンパクトデジカメにしては広いのも利点です。例えばキール後端にデジカメを付けて空撮した場合、38mmだとコントロールバーがやっと画面に収まる程度ですが、28mmはさらに周囲を写し込めます。
 それとFT1は防水・防塵・耐衝撃ですので、空撮にもってこいというわけです。(田んぼ沈して泥まみれになっても平気ダゾ!)
 ※2009年3月発売のFT1の後継機としてFT2(2010年3月発売)、そして現在はFT3(2011年2月発売)が販売されています。FT2ではデジカメ上での動画分割が可能になり、不要な部分をカットすることでメモリーカード容量を有効に使うことができるようになりました。またFT3ではGPS・電子コンパス・高度計機能(ただしGPSトラックログを記録できるわけでもなく更新も最短5分毎なのでハングでは実用にならないかと)に加え、遂に1920*1080(60i)のフルHD記録が可能になりました。が、FT3のフルHD連続撮影時間は29分59秒までと、他のHD録画デジカメと同じ縛りがついてしまいました。
 とはいえFT1やFT2と同じ1280*720のHD動画であればその制限はなく、メモリとバッテリーの持つ限り(約100分)連続録画が可能です。つまり動画撮影が目的で、かつ1280*720で十分なのであれば、FT1,FT2,FT3どれを選んでも大差はないと思います。

 GF1は、マイクロフォーサーズ規格のレンズ交換式デジカメです。軽量コンパクトでありながら写りも良く、AVCHD lite形式での動画記録もでき、しかもバッテリーがよく持ちます。しかし私がこのカメラを選んだのは別の理由があります。写真にあるマイクロフォーサーズ規格の魚眼レンズ「LUMIX G FISHEYE 8mm/F3.5」を静止画(スチル)撮影で使うためです。このレンズ、レンズ交換式デジカメ用としては世界最小・最軽量(165g)を誇るだけあって外見は微妙なチープさが漂いますが、写りは申し分ありません。私はフィルム時代を含め4モデルほど魚眼レンズを使い続けていますが、GF1との組み合わせで得られる画像は十分にシャープで満足いくものです。
 ※GF1に続く小型軽量モデルとして、2010年11月にGF2が発売されました。ほんの少し小さくなり、フルHD・ステレオ録画など動画記録が強化されたモデルです。ですが問題は外部レリーズ用のシャッターリモコン端子が省略されたこと。これでは静止画で空撮することができないため、魅力半減です。2011年7月に発売されたGF3も同様です。(ただしGF3のコンパクトさは群を抜いているので、手持ち撮影限定なら良いかも。)
 本当の意味でGF1の後継機と言えるのが、2011年11月に発売されたGX1です。GF1より性能的に大幅アップし、さらに小型軽量になっています。当然ながらシャッターリモコン端子もついてます。

 なおレンズ交換式デジカメで魚眼レンズが使える小型軽量の機種としては、他にソニーEマウントの、NEX-5(カメラ)+E16mmF2.8(レンズ)+VCL-ECF1(魚眼コンバータ)という組み合わせがあります。ただし画質がGF1+LUMIX G FISHEYE 8mm/F3.5に比べていまひとつなのと、重量的にほとんど差がないこと(両者ともレンズ・バッテリー等込みで約500g)、カメラ(NEX-5)本体に外部レリーズ端子がなくテレビのリモコンのようなでっかいリモートコマンダー(しかも赤外線)を使わなければならないこと、三脚穴部分も脆弱なこと等から、面白そうな機種ではあるものの購入には至ってません。その後に発売されたNEX-5NやNEX-7でも、根本的には同じようです。

 *ist DLは2005年夏に発売されたAPS-Cサイズ撮像素子を使用したデジタル一眼レフカメラです。発売当時から軽量コンパクトを謳っており、今でもデジタル一眼レフとしては小さい部類です。(とはいえ重量はレンズ・バッテリー込みで約900gと、GF1の倍近くありますが)
 動画撮影機能はなく、さすがに機能面では現在のモデルには譲りますが、写りに関しては必要十分なレベルです。利点は、ヤフオク等で中古品を安く入手できることにあります。また写真のレンズ、DA FISHEYE 10-17mmF3.5-4.5EDは魚眼+ズームの二つの特徴をもつ面白いレンズです。
 機体に装着する場所を選べば、この大きさ重さでも、ハングの操縦に与える影響を最小限で済ますことが可能です。




ページ最終更新:2012/1

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