Photo Sonnar ショーケース
☆Yashica-T Series
 
<紹介・使った印象>
ヤシカが京セラに吸収合併されて最初(?)に出た製品がYashica-Tである。「べっぴんレンズ」といううたい文句で、Carl Zeiss Tessar T* 35mm F3.5を搭載し、割合多く売れ、後にはDXコード対応になったモデルも出た。ただ、このカメラの弱点はフラッシュで、中にはフラッシュが爆発して初期不良で交換されたものが出たそうなので、中古品では、初期製品か対策後の品か気をつける必要がある。(フラッシュを遣わないと割り切れば別。電池は単三が2本必要である。)店主は、今はなくなったがローカルのチェーン店のジャンク箱から、1000円で完全動作品を引き取って来た。 

次出たものがKyocera-Tで、これはリチウム電池(2CR5)を使うカメラである。これはちょっと大きくなり、フラッシュ発光禁止ボタンや強制発光ボタンは上面にあって小さく、機能させるには押し続けなければいけないので、手ぶれには気をつける必要がある。この機種の弱点はボディ側の電池蓋のフック部分が弱く、すぐ欠けてしまう。この部分はボディ本体と一体化しているので部品交換ができない。だが、小さなビスを打ち込めば実用的に大丈夫(修理専門店に修理を出したら、そのような処置をしてくれたことがある。)なので、よくジャンクでほかは大丈夫なのに、そのフックが壊れているものがよく出ている。こうやれば実用機として使える。 
ときどきジャンク市などで出てくるが、AFコンパクト機では早く引き取られてしまうものの一つである。 
店主は、今はないローカルのチェーン店のジャンク箱から、1000円で引き取って来た。 
(輸出名はYashica T2だった。Ebayなどではたまに見かける。) 

Kyocera T-Scopeは、このシリーズでは唯一F2.8のTessarが搭載されているものである。外観デザインはKyocera-Tとあまり変わらない。ニューアングルスコープという上からのぞけるファインダがついているのも特徴だが、これにはT-Scope2というマイナーチェンジ機もある。手元にはないので、これ以上の事は言えない。誰か完全動作する出物があれば、店主まで声をかけてください。 

Kyocera Slim-Tは、Contax T2と同じように、電源を入れればレンズがせり出してくる形式のもので、それまでのものが最近接が1m弱なのが、35cm程度になり、低速シャッターが 1/30秒程度から1秒までとなり、大きく変わったモデルである。ボディカラーも黒やアースグリーンのものがある。店主はよく御世話になっている量販店でアースグリーン中古品(半年保証つき)を5000円+税で購入した。 
普通のコンパクト機の感覚で使っているが、意外とボディの厚みがあるので、手の小さい人にはホールドしにくいかも知れない。(手の小さい人には、グリップのついているR1がちょうどいいと思う。) 

このシリーズの最終機は T-Proofだが、これの特徴はニューアングルスコープと生活防水機能である。2001年頃に製造中止となり、現在は流通在庫を残すのみである。店主は金欠なので、中古品の手ごろな出物があれば、買ってもいいと思っているが、地方在住なのでお目にかかる機会がない。 

 このシリーズの命は、痩せても枯れても「ツァイスのテッサー」がついていることである。というのは、Yashica-Tほど「外見と写りの落差」の激しい機種はないと思う。事実、職場の旅行でYashica-Tを使っていたが、周囲の人は古いコンパクトだな・・・という程度しか思わなかったみたいだったが、後日プリントを見てびっくりされたのである。色のりがこってりと濃く、場所によっては他では撮れないすさまじい色の空と海の景色が現れ、赤色のものが際立った形で写る。T*コートの威力かどうかはわからないが、はっきりしたコントラストをみせる。周辺光量落ちは場合によって多少目立つが、これを作画にうまく使えれば、写真としては面白いと思う。Yashica-TやKyocera-Tは、ボディ性能がレンズに負けている・・・という印象をかなり持つ。(晴れた日の屋外で余り寄らないスナップを割り切って撮る分にはいいんだけど、シャッター音が結構大きいので、気づかれやすい。)Slim-Tはわりとバランスの取れた感じで使いやすいと思う。動作音も割合静かでオリンパスμと同じ程度である。 

作例写真は、Slim-Tを使った。コダクロームを使った関係で若干色は地味めになるのだが、ポジではかなり派手な発色になっていた。これでフジのベルビア辺りを使ったら、相当派手派手系の写真になるので、派手派手系がお好きな方は、このコンパクト機とフジのネガかベルビア・プロビア辺りのポジを使うと、かなり楽しめるのではないかと思う。(店主も時々、派手派手写真を意図的に撮影して楽しんでいる。)

作例写真
Data プログラム自動露出  フィルム コダクローム64 
通勤ルート沿いの畑に咲いていた向日葵。思いっきり近寄り空をバックにして撮影した。色合いは鮮やかであるが、周辺光量落ちが目立つ。ファインダには近接マークが入っているが、撮影した時ファインダには入ってなかったつぼみが、左下隅に顔を出しているのはご愛敬・・・ということで・・・。
Data プログラム自動露出(フラッシュ使用)  フィルム コダクローム64 
通勤ルート沿いの畑に咲いていた向日葵。ピントの合っている部分はシャープであるが、バックのボケは割と素直であることがわかると思う
Data プログラム自動露出  フィルム コダクローム64 
通勤ルート沿いの花壇に咲いていた花。これが最近接距離の撮影である。近接での撮影はレンズ繰り出しが大きいせいか、意外とピント合わせに時間がかかり、タイムラグがあるので手ぶれに気をつけたい。
Data プログラム自動露出  フィルム コダクローム64 
通勤ルート沿いの家の生け垣に咲いていた朝顔。日陰でノーフラッシュで撮影したので絞りは、ほぼ開放だと思う。真ん中の朝顔以外はボケているが、ピンが出ているのがわかるだろうか?