Photo Sonnar ショーケース
☆Yashica Electro 35 CC
 
<簡単な紹介・使った印象>
1960年代後半から70年代前半にかけて、シリーズで売られ、通産300万台が生産されたヤシカエレクトロシリーズ。 
「ローソクの光でも写る」とか「万博の夜景が撮れる」などのキャッチフレーズでCMが打たれて、ある程度以上の年代の方々には、よく知られたカメラである。エレクトロの多くのモデルは、45ミリレンズや40ミリレンズを搭載したものが多いが、ここで使ったのは、35ミリ F1.8レンズを積んだ35CCである。 

 このカメラはブライトフレームがあるファインダを持つ一眼式距離計連動機で、絞り優先自動露出で撮影できる。フィルム感度はISO25〜400まで対応する。電池も4LR44を1本使うので、他のエレクトロシリーズがアダプタを使わないと、今売られている電池が使えないのに対して、安心である。レンズが大口径で35ミリでスナップを撮る上では、使いやすい。だが絞り羽根が2枚なので、奇麗なボケ味を期待しない方がよい。シャッターのストロークは割と深い方だが、切れるタイミングは少し慣れればわかりやすく、シャッターは「プチュ」というかすかな音で、静かである。ただ、巻き上げはシャッターチャージも入るせいか少しジャリジャリとした感触を軽く感じるので、好みが分かれるかもしれない。 
ちなみに、私は通勤ルート上にあるカメラ量販店で、ジャンク扱いで売られていたのを動作チェックした上、余りにも奇麗だったので、¥500+税で購入した。ファインダは若干ほこりがはいっていて白く曇り気味だったが、実用には差し支えないのでそのまま使っている、ストラップは手持のものを適当に使いまわしている。 

万一電池が消耗しても、電池を抜いてシャッターを切れば、1/90秒単速メカシャッター機となる。それで絞りを絞り環の上に書いてあるお天気マークに合わせれば、ISO100のネガカラーであれば、大体露出が合う。 
「写るんです」より撮影ができるといった程度だが、屋外ではこの「非常手段」は有効である。 

なぜ、こんなことを書いたのかというと、下の作例写真は、このエレクトロのマニュアルモードで撮影したものである。 
2001年12月下旬に高松港に行ったのだが、電池が寒くて電圧がでないせいか、この写真機のフィルム感度設定リングがISO50辺りが接触不良で動かないのか、余りにもスローシャッターになるので(後日、ポジを確認したら真っ白に抜けていた。)電池を引き抜いてをお天気マークを参考にして撮影した。(ちなみに以前にISO100のネガカラーを使って撮影した時には、全く問題のない露出であったので、余りにも使われる機会のなかったフィルム感度であったので、接触不良を起こしているのかもしれない。後日、切れかけの電池を入れてみたところ、同じ現象を起こしたので、電池が切れかけるとそういう現象を起こしてしまうのが普通なのかも知れない。電池は結構持つが、できるだけ早目の交換がいいかも知れない。)

作例のものがその時撮影したものである。色のりはすっきりした感じでいやみがなく、周辺光量は四隅で若干落ちるが、余り目立たない。解像力は必要充分であると思う。大体モノクロやカラーのネガで撮影する・・・という想定で作られたものだから、ポジは反則のような気がするが、ここまで写るんだという参考にしていただければ幸いである。 

近年こういったセミクラシックカメラが注目され、キャノネットなどはかなり値上がりして、ちょっと買ってみるという気にはなれないし、時には異常に高すぎるのではないかという値付けをしているものも見られる。だが、ヤシカ製品は安価に多く販売されたので、市場には多くまだまだ安い方であると思う。だが、この手の機種は40〜45ミリレンズをつけているものが多く、ちょっとスナップ撮影をする際には、ちょっと画角が狭めなので慣れが必要だと思われる。そういった点でこのエレクトロ35CCは、35ミリレンズを搭載し、意外と安い方なので、手軽に手を出しやすいと思う。修理については部品交換がなければメーカー(現京セラ)や日研テクノが見てくれるので、ある程度安心である。レンジファインダカメラの入門機としては適しているのではないだろうか?(個人的には、お勧めしたい機種のひとつである。)

作例写真
Data 絞り F5.6 シャッター 1/90秒 (マニュアル露出) フィルム RVP 
高松港の赤灯台。フェリーが入ってくる様子を背景に入れてみた。 
ホントは曇り空だったのだが、フィルムの威力で割りと晴れた青空風に仕上がった。 
レタッチソフトで自動補正にしたら、もっとコントラストがあがり、色合いが鮮やかになるのですが、あえてオリジナルのままにしました。
Data 絞り F5.6 シャッター 1/90秒 (マニュアル露出) フィルム RVP 
高松港の赤灯台。全国でも珍しい壁面がガラス製のものである。 
よく見ると、ガラスタイルがひとつひとつ解像しているのがわかる。