Photo Sonnar ショーケース |
搭載されているシャッターはプログラムAE用でシャッター速度的には、4〜1/700秒まで連動する。そして、レンズはヘリコイドの軽さでは前玉回転によるものと勘違いされやすいが、全群移動で距離計に連動する。レンズはF2.7と割と口径が大きいが、恐らくは3群4枚構成のテッサー型と思われる。ただ、前側からレンズの反射面を数えるとシャッター前には2枚、裏蓋を開けてフィルム面から見ても、2枚あると思われる様子なので、4群4枚(もしかして、4群5枚のクセノター型?)かも知れない。ご存知の方はご教示頂ければありがたい。 このカメラはブライトフレームがあるファインダを持つ一眼式距離計連動機で、プログラム自動露出で撮影できる。フィルム感度はISO25〜500まで対応する。電池はNR52を二個使うので、現在は売られていない電池だけに、LR44に下駄をはかせる形のアダプタが必要である。電池が切れた状態でも巻き上げして、シャッターボタンを押せば、シャッターが切れたような音がするが、実はシャッターは開いていないので、電池切れでは撮影はできない。 作例のものは、修理から戻った週の週末に撮影したものである。発色は濃い方ではないが、解像力やコントラスト再現性も高く、シャープな印象を受ける画像が得られる。周辺光量の低下は目立たない。画質もさることながら、当時の機種としては小さいので、上着などの大きめのポケットにはすぐ入ってしまい、撮りたいなと思った時には、ひょいっと取り出せる便利さが一番の利点であろう。レンズ口径がやや発売当時としては小さめだが、現在売られているズームコンパクト機に比べたら十分大口径なので、少々暗いところでもフラッシュを使わずに自然光で撮れるところがメリットであろうと思われる。 セミクラシックカメラが注目され始めた頃から、キャノネットなどはかなり値上がりし、コニカの距離計連動式機もかなり値上がりし、そしてハイマチックシリーズも徐々に値上がりし、特にこのHi-matic Fについては、時には割高な値付けをしているものも見られる。(特に黒モデルはオークションなどでは異常である。)しかし、ジャンクに手を出して修理するには電子式シャッターなので、手軽に手を出すことは難しい。修理はメーカー(ミノルタ)や日研テクノが見てくれないので、一度故障をしてしまったら、なかなか直すことは難しい。個人的には、黒モデルはライツミノルタCL風の雰囲気を醸し出していて、写りもシャープで気に入っているのだが、最近では高値がついてしまっている面と、電子シャッターであることで、今後のメンテナンスに不安があるので、積極的にはお勧めしにくい機種である。今使える状態で持っている方がおられたら、是非大事に使ってやって欲しい機種である。 |
Data プログラムAE フィルム Fuji Speria100 |
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Data プログラムAE フィルム Fuji Speria100 |