Photo Sonnar ショーケース |
このコンタックスT2は、露出補正ダイヤルがついているので、逆光などには、適当に補正をかければ、うまく調整してくれるし、手動で焦点調節もできるので、真ん中にピントを合わせないフレーミングでもやりやすい。手動での焦点調節ではLEDがピントダイヤルを動かす方向を指し示してくれるフォーカスエイド方式になっているので、距離計連動式写真機を使っている人ならば、馴染みやすいのではないだろうか。電源スイッチを入れると、鏡玉が繰り出してくる仕掛けは面白く見えるが、焦点合わせは鏡筒まるごとを繰り出して調整するので、若干のタイムラグがあるのは気を付ける必要がある。そして最短撮影距離は70センチで、この時期以降に現れた単焦点コンパクト機が50センチ前後であることで「寄れない写真機」なので、感覚的に気を付ける必要がある。 このコンタックスT2についている鏡玉はSonnarT* 38mm F2.8である。構成やコートの特徴などはいくらでも雑誌などで紹介されているので、今更繰り返さないが、一言で特徴を言えば「鮮鋭度抜群で、原色を鮮やかに表現する最右翼」と言ってもいいだろう。これで「写りが悪い」と言う人は聞いたことがないし、多少の悪条件でも期待を裏切らない写りを持っている。40人程度の集合写真を撮るならば、ズーム付き一眼レフ持っていくよりはこれを持って行った方が一人一人の顔がシャープに写る。(引きが効かない場合以外はどうにかなる。だけど一眼の方が、写される人たちはちゃんと姿勢を取ってくれるのだが・・・。)
今は新型のT3が売られていて、T2は中古相場でも記念モデルなどを除いてはかなり安くなった。これと同じ鏡玉を持つTは、コレクターアイテムとして割高でなかなか買えない。T3のSonnar T*35mm F2.8は、T2のSonnarを越える超高性能鏡玉らしいが、これも高級コンパクト機なので、なかなか買いづらい。もし、「絶対よく写るコンパクト機が欲しい。絞り設定は自分で決められる」という方がいれば、T2は買って絶対損しない機種である。1990年発売で2000年頃まで売られていたロングセラーでもあるので、しばらく修理関係は大丈夫だし、写りはカメラ雑誌や評論家の中でも評価が高く、大きさも両手でグリップして使うにはちょうどよい大きさである。意外と重いのが難点だが、ボディは頑丈で、角っこを大型オフローダーで踏まれても機械的にはちゃんと動くタフさを持っている。(実は、店主は道を歩いてケースごと落っことして、そんな目にあったことがある。機械的には問題なかったのだが、露出補正ダイヤルが上の金属板が歪んで回しにくかったので、修理に出した。15000円でお釣が来たが。)店主の手持のコンパクト機では最古参で、ここぞと言う時登板する機種である。 |
DATA 絞り F8、シャッター 自動露出、フィルム Fuji ISO 100ネガ
1996年3月に用事があって、神戸に出向いた時のスナップ。 あちこちに震災の傷痕は残っていたのだが、それを撮る気にはならず、山の手を歩いていてお洒落なクラシック風な車とともにヨーロピアン風の風景を撮影。お洒落な雰囲気が出ているだろうか?デート機能を切り忘れてしまったのは失敗。 |
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DATA 絞り F8、シャッター 自動露出、フィルム Fuji ISO100ネガ
上の写真を撮影して、山の手から王子動物園へ下っていく途中にあった神戸市立王子ギャラリー。元は関西学院(現関西学院大学)の建物であったそうだが、ここから西宮市に移転したため、残されていった唯一の建物がこれである。壁の赤煉瓦の積み重ねた様子がかすかに解像されているのがわかるだろうか? |