第2回下田レディースフィッシングパーティーに行って来たよ
前編(感想を掲示板に載せといてもらえると嬉しいです。)
6月8日、ついにこの日はやってきた。オットに頼まれ参加をokしたものの
私の心は不安でいっぱいだった。
昨年の下田レディースフィッシングパーティーでは、雨交じりの空模様。乗船
した途端に船酔いし、トイレを独占してしまうという体たらく。それ以来釣り
とは縁のない生活をしてきたからだ。
大会前日のオットは、私のそんな気持ちを知ってか知らずか、事前準備がとて
も楽しそうである。私のする事は、エサにするというイカと、道中のおやつを
購入しておくことだけである。
後は、合羽・長靴・・・あ、そうそう優勝したら記念写真をとらなくては・・
カメラとフィルム。
 PM11:00、コマセカゴを忘れて取りに帰るというハプニングはあったが
オットの期待と私の不安を乗せ、一路車は下田へ・・・
途中少し車に酔ったが、AM2:00ごろ無事に到着。もう既にたくさんの車が
止まっていたのには少し驚いたが、取りあえず受付の時間まで仮眠を取ること
にする。すると何となく寒い。オットなどはTシャツ1枚の為鳥肌がたってい
る。「うーむ、かぜをひかないようにしなくちゃ。」エアコンを入れ再び睡眠
いつの間にか受付時間になっていた。車から降りるとやっぱり少し寒い。しか
しいくら探しても着るものは見つからないので気合いで乗り切ることにし、受
付を済ませた。
 私たちの乗る船は八倉丸という船で、釣り座は昨年と全く同じど真ん中の胴
だった。オットは自分の運のなさにちょっと笑ってしまっている。
既にたくさんの人が受付を済ませて、各船のプラカードの前に並んでいた。
「ひえー・・・なんだか今年は釣り経験豊富そうな女の人がいっぱいいる。」
昨年はたしか男の人に連れてこられたという感じの人が多く、みんな合羽や、
クーラーなどピッカピカの新品であった。
だがしかーし、だがしかーし私の目の前にいる女の人たちは・・・釣り焼け、
使い慣らされた道具、どこをどう見ても釣り師。おまけにあちらこちらの人に
挨拶を交わし、もう気分は常連。「うーむ、まずい。」
キョロキョロしている私に、オットは「酔い止めを飲むんだからご飯を食べな
さい。」と言ってくれた。私は大好きなシーチキンおにぎりを食べしばらくし
てから酔いどめを飲んだ。ココまできたら「目指すは優勝だ!ニュージーラン
ドだ!」と気分はどんどん盛り上がる。
 天候は晴れ。しかも風はほとんど吹いていない。波も穏やかで私の心のなか
には「大きな、大きなマダイをうれしそうに持ち上げ、みんなの羨望の眼差し
を受け恍惚の表情でいる私」がいた。
うーん、テレビにも映るかもしれないなー。そしたら私は良い妻だからこう答
えよう・・・「主人がいろいろやってくれましたので。」と。
などと勝手なことを考えているうちに私たちの乗る船が接岸した。
どんどん荷物が運ばれて、いよいよ出船だ。私たちの横はどちらも若いカップ
ル。女の子はどちらも何回かは釣り経験があるような感じ。それぞれ自分の準
備をしていた。
さて、私はというと全てオット任せですっかり大名気分。オットは二人分の準
備をてきぱきこなし忙しそう。悪いなぁ、と少し思ったが景色もいいし潮風も
気持ちいいので波と船に身を任せた。「あーきて良かった。」これからの自分
の運命を知らない私はお気楽、極楽。
船はそれほど大きくないが割ときれいな感じ。船長さんともう一人のおじさん
(中乗りさん)は優しそうな人で、私が素人とわかるとコマセを砕いたり、エ
サを付けたりしてくれた。
仕掛けはオットが今作ってくれたものだ。(ハリスに針一つを結んだだけ)
しばらくして船はポイントに着き「6:30開始だよ、棚は40メートル。」
と船長。潮周りを何度か繰り返し6:30。みんな一斉に仕掛けを投入。
よーし、がんばるぞ。・がんばるぞ。・・がんばる。・・・ん。・・・。
釣れない。なーんにも釣れない。エサ取りすらいないらしい。うーむ。
ふと隣のオットを見ると何か掛かっているらしくハリスをたぐり寄せている。
「ヒメだよ。」オットはその小さい魚をリリースし、再び仕掛けを投入した。
実は外道の釣り名人であるオットは(怒られる)その後もヒメと再会した。
船中沈黙が続く中、少し気分が悪くなってきた。風が吹き始め、波がでてきた
のだ。さっき食べたシーチキンが戻りかけてきたその時、「おい、喰ってる喰
ってる。」オットはそれがマダイの引きではないことがわかっているらしく、
教えてくれただけで後は興味を示さない。そばにいた中乗りさんがリールを巻
いてくれた。私はあまりにも軽いハリスをたぐり寄せると確かに魚はついてい
た。それは35cmのイサキだった。スーパーで買えば1000円はするであ
ろうかという立派なイサキ。さっきまでの吐き気はどこへやら、船中最初のキ
ープフィッシュを釣った喜びでシーチキンにはおなかへお帰り願った。

後編へ続く・・・
                          レポート MASA

後編

良い魚が釣れたという喜びから「もうこのまま時間切れになればいいのに。」
とさえ思ったりした。しかしそれはほんの一瞬で、私たちの目標はマダイであ
る事を思い出し再び仕掛けを投入した。(実際はオットがいそいそと投入)
が、この日は潮が悪いらしく近くの人とオマツリばかり。すぐにほどけるもの
もあったが、しかけを切らなければいけないこともあった。そのうち仕掛けを
切られた隣の人が文句を言ってくるというハプニングもあったがそれは、船長
さんの「遊びに来たのになにやってんの」の一声でおさまった。おさまらない
のは私。オットは相手が初心者で「仕掛けも自分じゃ作れないんだから、まぁ
許してやろう。」と言うことと、私が怒っていた事ですぐ怒りがさめてしまい
逆に私が諭されてしまった。取りあえず気合いを入れ直して再びニュージーラ
ンドの合い言葉のもとがんばるぞー。
 さて、時間も半分以上が過ぎた頃、あちらこちらでイサキが食い始めた。
この時点で私のイサキ一匹で「その他部門優勝」という甘い夢は消えてしまっ
た。がっかりしている私に追い打ちをかけるように「マダイが喰った様だよ。」
と船長。大物こそあがっていないが、他船で何枚かマダイがあがったらしい。
「よーし、こうなれば一発勝負だ。」オットに仕掛けを交換してもらい(ハリ
ス4号から3号へ)竿先に神経を集中した。
あたりだ。オットとほぼ同時に気づくほど明確に竿がお辞儀をした。・・・が
あたりだけ。魚は針がかりせず正体も分からなかった。(オットはタイだとい
っていた)「私のタイはこれで終りか・・・」その後はイサキ・イサキ・ゴマ
サバ・イサキ・・・クーラーはあっという間に鯖とイサキの住処となってしま
った。
 しばらくして、とうとう八倉丸からもマダイがあがった。私たちの裏側にい
る男の人のようだ。型はそれほどでもないが、この時点でその人はマダイ部門
に検量出来る権利を獲得したことになる。
少しがっかりした私は、体調が悪いのに気がついた。オットは私を気遣って、
「座って遠くを見ているように。」何度も声をかけてくれた。はじめのうちは
「大丈夫、大丈夫。」と明るく答えていた私だったが、その内酔いが100%
回ってきた。こうなると蘇るのは昨年の記憶。が、不幸中の幸いか私のおなか
の中は空っぽで、取りあえず最悪に事態は免れた。しかし苦しい。「うーん、
うーん。」オットに上がりの時間を聞いたら「11時だよ。」といった。「何
だ、後20分だ。」それならば多少無理しても平気だろうと気力を振り絞って
コマセをまいた。(あのコマセじゃないよ。)私たちは途中から既製の仕掛け
に変えていた。だったら他の人よりガンバル事がニュージーランドへの残され
た道だ。・・・・・結局私のガンバりは一人相撲に終わったが、オットのそれ
はイサキやゴマサバに伝わったようだ。しかもゴマサバはおいしいらしい。
帰ったら塩焼きにしてもらおう。そういえばおなかがすいた。「今何時だろう
・・・。」と、ふと時計を見ると11時少し過ぎ。「あれっ。」まだ沖上がり
しそうにない。さっき無理をしたため酔いは120%をとっくに越えていた。
船長さんに聞いたら「11時半に終わりね。」と。オットはマダイを一匹でも
釣る為に時間と戦っていたが、私は違う意味で時間と戦っていた。
そして終了。タイムアップ。オットは少し焼けた顔で「お疲れ。がんばったね」
と私に言った。「うっうっ。」
 港に戻ると、私たちの船は1番最初だった。それぞれ荷物を下ろすと、気に
なるのは「検量」だ。マダイはダメにしても他魚の部ではそれ程大きい魚があ
がっていなかったので、イサキやサバを検量していた。私はオットに「最初に
釣ったイサキを出してみては。」と聞いてみた。しかしオットは乗り気ではな
かった。「ダメダメ。それより疲れたから表彰式はパスして帰ろう。」なるほ
ど。表彰式まではまだ1時間以上もある。最後まで残っていたら帰るのは4時。
オット以上に早く帰りたい私はその意見に賛成した。
荷物を乗せ着替えを済ませた頃、他船がぞくぞく帰ってきた。手を洗いに行く
途中検量を少し覗いてみた。やはりそれ程大きい魚はいない。賞品の山を見る
と少し残念にも思ったが、物欲のないオットは「2年連続で入賞したら悪いか
らね。」といい人ぶっている。今年の記念はDAIWAの帽子とオットのねぎ
らいの言葉だけであった。
帰りの車中は眠気との戦いであった。私たちは持ってきたお菓子を全てたいら
げ、ミントなどで眠気をとばそうとした・・・そう、飛ばそうとしただけで、
全然飛んでいかなかった私。気づくと家に着いていた。少ししか寝てないつも
りが、オットに言わせると道中の4分の3は寝ていたらしい。ともあれ、私た
ちは渋滞に巻き込まれることもなく(渋滞したんだよ:オット)無事に帰って
これた。「家に着いたらすぐ休もう。」と思っていた私は、オットが包丁とま
な板を出すのを見て泣きそうになった。オットは私に「休んでていいぞ。」と
と言ってくれたが、魚をさばかせて私だけ寝ているわけにもいかない。私は自
分の体にむち打って、クーラー、長靴などを洗い始めた。我が家で釣りの日は
オットが料理をし、私は洗い物係と言うことになっている。洗い終わると魚は
全て下ごしらえが終わっていた。しかもオットが私のためにお刺身とイサキ茶
漬けを作ってくれた。「あー、おいしいぃ。おいしいぃ。」さっきお菓子をた
くさん食べたのに、涙が出るほど「おいしいぃぃぃ。」スーパーでこれ程の魚
は手に入らない。「結局釣りの楽しみはこれにつきるのかな。」なんてね。
 おわり 最後にこれを読んだ人、感想聞かせて下さい。
     「たまには」夫婦で釣りも良いものですよ。 
                         レポート MASAでした




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