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コラム「たかが競馬というけれど」連載第16回〜第20回


連載第20回・成長期の故障
(2001年3月25日)
 僚馬アグネスタキオンとともに今年の牡馬クラシック路線を 沸かすはずだったアグネスゴールドがスプリングS(G2)で無傷の4連勝を飾ったあと、 骨折が判明、皐月賞(G1)とダービー(G1)に出走できなくなった。

 この故障はとても残念である。春のG1に出られないどころか、復帰後の活躍も危ぶまれるからだ。 競走馬として大事な成長期である3歳春から秋。この時期に故障で調教やレースができないというのは その馬のキャリアに致命傷となる。最近でも、アドマイヤコジーンエアギャングスターフサイチゼノンなど、将来を期待された良血馬たちが、 この時期に戦列を離れたことによって大きくはばたけないでいる。

 それらの馬が人気先行で実力が伴っていなかったのかもしれないが、この時期の戦線離脱が 成長を妨げたというのは少なからずあたっていると思う。残念だがアグネスゴールドも そうなるだろう。フサイチゼノンアグネスゴールドが全兄弟であるのは何かの因縁か。 アグネスゴールドの故障は競走馬生命に関わるものではなく、順調ならば秋には復帰できる とのこと。当然、無傷の4連勝ということで復帰当初から人気になるはず。 そのときは疑ってかかってみよう。上記の馬たちがそうだったように、 復帰後数戦は負けても負けても人気になる。はずして買うとおもしろい。

連載第19回・菊花賞トライアル
(2000年10月21日)
 今年からG1レースの施行時期がそれぞれ見直され、 11月の代名詞だった菊花賞(G1)が10月になった。それに伴い、ステップレース体系も 変わり、伝統の京都新聞杯(G2→G3)が春に移って、菊花賞トライアルレースは 神戸新聞杯(G2)とセントライト記念(G2)の2つになった。
 神戸新聞杯を勝ったのは夏の上がり馬フサイチソニック。 ダービー馬アグネスフライト、皐月賞馬エアシャカールを尻目に鮮やかな逃げ切り。 セントライト記念は昨年のダービー馬アドマイヤベガの全弟アドマイヤボスが 1勝馬の身ながら差し切り勝ち。春のクラシックで活躍したトーホウシデンジョウテンブレーヴを下しての勝利だった。
 これで春とは違った勢力地図で菊花賞が楽しめると思ったら、アドマイヤボスは ジャパンC(G1)を、フサイチソニックは天皇賞・秋(G1)を、 それぞれ目指すとの情報。案の定、登録馬にアドマイヤボスの名前はなく、 フサイチソニックは残念ながら故障。ふたを開ければアグネスフライトエアシャカールの一騎打ち。
 この、勝った2頭が本番を目指そうとしないトライアルレースとはいったいどういうことか。 たしかに3000mという長距離レースは4歳馬には負担が大きい。 しかし、4歳馬しか出られない伝統のクラシックである。出てほしい。
 それとは別に、トライアルレースも2000mなんて言ってないで、2400mなり 3000mなりをつくってはどうか。昨年までは、古馬と混合ではあるが2400mの 京都大賞典(G2)が菊花賞まで中3週で、シルクジャスティスセイウンスカイテイエムオペラオーといった馬たちがこのステップから本番へ向かった。 今年からはこれが中1週になってしまって使えなくなった。 トライアルレースの新設、もしくは距離延長を望む。

連載第18回・安田記念に4歳馬
(2000年6月1日)
 昨年のこの時期、このコラムで4歳馬の古馬G1挑戦について書いた。 当時4歳のシンボリインディがNHKマイルC(G1)を勝って安田記念(G1)に 参戦しようというときだった。結局それはかなわなかったが、今年も、NHKマイルCの勝ち馬 イーグルカフェが安田記念に出走を予定している。

 4歳馬、とくにNHKマイルCの勝ち馬が安田記念に出走するのは、非常にうれしい。 春のマイル王決定戦なのだから、4歳馬がいて当然。今後ぜひこういうケースが増えるように、 イーグルカフェにはぜひ出走してほしいし、がんばってほしい。

 イーグルカフェに勝算はあるのか。NHKマイルCでは後方から大外ド追い込み。 粘るトーヨーデヘアをぎりぎりハナ差捕らえたかたちだが、3着以下には大きな差。 名実ともに4歳マイルチャンピオンであることは疑いない。 そして今回は斤量にして4キロのアドバンテージをもらい、 しかもNHKマイルCと同じコース同じ距離なのだから、これ以上の条件はない。 古馬とは明らかな力の差があるかもしれないのだが、 この好条件ならばひょっとしてと思ってしまう。

 エアジハードが引退、グラスワンダーは中距離路線ということで、タイキシャトル引退後の 群雄割拠の状況が再び訪れたマイル戦線。軽視できない好条件の4歳チャンピオンが参戦することで、 さらに楽しみが増す。

連載第17回・ごみを減らそう
(2000年5月30日)
 5月28日、初めて東京競馬場に行った。ダービー観戦。 河内騎手が17回目の騎乗で初制覇、珍しくガッツポーズも飛び出して、大いに楽しめた。

 その日は、とても風が強かった。ダービーが終わって、観衆が少なくなると、 新聞や馬券、マークシートなどがあちこちで舞い上がっていた。馬場に落ちるものも少なくなく、 清掃員の方が拾っても拾っても飛んでいた。幸いレース中に馬場に飛ぶことはなかったが、 一歩間違えば大事故になりかねない。

 ごみ箱に捨てても、ごみ箱から舞い上がる。 競馬場で観戦するとき、特に風の強い日は、可能な限りごみを減らそう。 馬券を的中させれば、はずれ馬券というごみはなくなる。

連載第16回・餅は餅屋、ダートはダート馬
(2000年2月24日)
 2月20日のフェブラリーS(G1)は人気の上で、 まれにみる混戦模様だった。そのメンバーはといえば、人気の順に、 前年暮れに芝短距離で活路を見出したキングヘイロー、ダートは5戦4勝ゴールドティアラ、 ディフェンディングチャンピオン地方馬の雄メイセイオペラ、 2年前の4歳時に最優秀ダート馬に輝いたウイングアロー、 前年のNHKマイルC(G1)を制したシンボリインディ、 7歳になった桜花賞馬キョウエイマーチ、交流重賞中心に牡馬と互角に渡り合うファストフレンド、 前哨戦平安S(G3)を勝ったオースミジェットなど。

 この中で注目されたのがキングヘイロー、シンボリインディ、 キョウエイマーチといった芝で実績のある馬たち。 僅差ながら1番人気に支持されたキングヘイローとシンボリインディは初めてのダート戦だった。

 そして結果は勝ったウイングアロー以下、8着までが主にダートで活躍した馬たち。 手に汗を握るゴール寸前の競り合いの後方で、シンボリインディは9着、キョウエイマーチは11着、 キングヘイローは13着と、それぞれ惨敗だった。

 条件戦やオープン特別、G3クラスならダート未経験馬が好走する例もなくはない。 しかしやはりG1レース。ダート実績のない馬には厳しかった。 ファストフレンドとビーマイナカヤマの2頭を出走させた高市調教師が 「ダートをなめるな」的な発言をしたとかしないとか伝えられたが、もっともな意見。 1998年の勝ち馬グルメフロンティアの例には目をつぶってもらって、 G1ともなればダートはダート馬である。

 しかもレース後に「砂をかぶって走る気をなくした」 などとダート戦であることを敗因にあげてほしくはない。 レース前は「走法や血統からダートも問題ない」というようなことを言っていたのに。

 今年から新設の秋のダートG1、ジャパンカップダート。 芝の実績馬が出走してくる可能性は大いにあるが、このときもやはり、 ダートはダート馬を念頭に置いて馬券の検討にあたりたい。

  きっかけ、つくろう 恋してねっと  

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