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コラム「たかが競馬というけれど」連載第11回〜第15回


連載第15回・勝手に決めよう年度代表馬など
(1999年12月30日)
 1999年もすっかり押し迫り、12月29日に大井・東京大賞典(G1)を伏兵ワールドクリークが勝って、競馬界も仕事納め。そしてちまたで話題のJRA年度代表馬選び。フランスで大活躍のエルコンドルパサー、天皇賞春秋制覇のスペシャルウィーク、宝塚記念、有馬記念の両グランプリを勝ったグラスワンダーの5歳馬3頭が横一線。どれがとっても誰もが文句をつけるであろう難解な選考となった。ただ、しょせんは記者投票なので、それぞれの人が自分の年度代表馬を決めればそれでいいのかもしれない。そこで、当欄でも勝手に年度代表馬を決めましょう。ついでに各部門賞も。
 それではさっそく。
年度代表馬:グラスワンダー
 1999年は5戦して4勝、2着1回。安田記念(G1)でエアジハードにあしもとをすくわれたが、宝塚記念(G1)、有馬記念(G1)を制覇、しかも下したのがスペシャルウィークということで、最も強かったのはこの馬でしょう。ジャパンカップ(G1)に出られずに、年間5戦しかしていないのは惜しまれるし、評価の下がるところかもしれないが、今年初戦の京王杯SC(G2)が1400m、そして最後の有馬記念(G1)が2500mと、多岐に渡る距離で勝ち鞍をあげているのはすごい。
最優秀古馬牡馬:グラスワンダー
上に同じ。
最優秀古馬牝馬:メジロドーベル
 1999年は故障もあってわずか3戦の出走だったが、最後に末脚爆発でエリザベス女王杯(G1)を制して面目躍如。4年連続G1制覇の偉業も成し遂げた。引退、繁殖入りということで、いい仔を出してほしい。
最優秀4歳牡馬:ナリタトップロード
 春先に重賞を2勝、クラシック戦線では皐月賞(G1)3着、ダービー(G1)2着、そして菊花賞(G1)を勝利。こちらも年度代表馬同様、テイエムオペラオー、アドマイヤベガと意見が分かれるところだろうが、有馬記念(G1)を除いて最も安定していたのがこの馬だろう。京都新聞杯(G2)で負けたあと、菊花賞(G1)で先行策をとって雪辱を果たしたのが印象深い。
最優秀4歳牝馬:プリモディーネ
 オークス後に故障で現在も休養中、秋に出られなかったのが残念だが、大外からド追い込みで勝った桜花賞(G1)が圧巻。オークス(G1)でも接戦の3着して能力の高いところを見せた。早く復帰してほしい。
最優秀ダート馬:スノーエンデバー
 芝では泣かず飛ばずだったが、ダート路線に転向して開花。年間では10戦5勝、うち7戦が地方での出走。残念ながら故障で終盤の東海ウインターS(G2)、東京大賞典(G1)は回避となってしまったが、交流重賞4連勝を達成。
最優秀3歳牡馬:ジョウテンブレーヴ
 札幌3歳S(G3)で人気薄ながら追い込み一発の2着。続く東京スポーツ杯3歳S(G2)では他馬と明らかに違う末脚を発揮。朝日杯3歳S(G1)をあっさり捨ててクラシックにそなえて休養。スケールの大きい末脚が魅力的。
最優秀3歳牝馬:エンゼルカロ
 北海道営競馬所属のためJRA賞の資格はないが、デビューから函館3歳S(G3)まで4連勝、札幌3歳S(G3)ファンタジーS(G3)ともに3着と、長距離輸送の不利を跳ね返してレベルの高いパフォーマンスを見せた。阪神3歳牝馬S(G1)では負けてしまったが、2000年には中央に転厩、更なる飛躍を。
最優秀障害馬: 
 すいません、障害馬よく知りません。
 こんなところでしょうか。あなたの年度代表馬と各部門賞はどの馬ですか?

連載第14回・ワイド馬券の楽しみ方提案
(1999年11月23日)
 現在先行発売中の新馬券「ワイド」がいよいよ12月4日から本格運用になる。1つのレースで3通りの的中馬券があるということで、より的中の確率が高く、当然、払戻金は低い。しかし、この3通りの的中というところに注目。うまくいけば1つのレースで2点3点的中させることができる。
 例えば、馬連で1000円の配当になったレースで、ワイドの配当が300円、350円、400円ならば、3つともあてれば馬連1つよりも多い払戻金を手にすることができる。また、1、2着が人気サイドで決まっても3着に人気薄が入ってくれば、馬連では250円でもワイドで120円、500円、550円なんてことがあるかもしれない。おおざっぱな例えだが、ワイド馬券はうまくいけばレースによっては馬連よりも高配当になることがあるということ。
 馬連でBOX買いをする人はけっこう多いと思う。馬連3点BOXで買ってもあたるのは1点。ワイド3点BOXなら3点全て的中するかもしれない。これはかっこいい。それで馬連よりも高くなればもっとかっこいい。一度でいいからやってみたい。流しで買う場合も、ワイドなら2通りあたる可能性があり、この場合も2点あたって馬連1点よりも高い場合もありえるだろう。2頭が抜け出して「そのまま〜」って叫んでいる人の横でこっそり3着争いを見つめるなんて楽しみもある。
 あたりやすさを追求した新馬券「ワイド」だが、言ってみれば、ローリスク、ローリターン、ときにはハイリターンというイメージを受けたがいかがなものか。使うときはぜひ複数の的中を期待したいものだ。このサイトの予想のコーナーでも、選択肢のひとつとして、取り入れたい。

連載第13回・レコード続出に不安
(1999年8月15日)
 この夏に小倉競馬場が新装オープン。これを書いている時点では第2回小倉競馬が開催中だが、とにかく時計が速い。新装初日に北九州短距離Sでアグネスワールドが1200mの日本レコードを出したのを皮切りに、あちこちの距離でレコード続出。重賞でも、7月25日の北九州記念(G3)でエイシンビンセンスが1800mをレコードで走覇。8月15日に行われた小倉記念(G3)では、7月31日にグランスクセーが更新したばかりの2000mのレコードをアンブラスモアが塗り替えた。
 新装小倉コースは快速先行馬に有利なコース形態になった。第4コーナーのカーブが緩く、スピードを落とすことなく直線に入れる。そして直線は坂のない平坦コースで、直線が短いと言うこともあって、後方からの追い込みはほとんど届かない。予想を組み立てる上では、ある程度前に行ける馬、あるいは時計の裏付けのある馬から入れば選択肢をしぼることができ、的中により近くなる。しかし、この超高速馬場、馬への負担はいかほどであろうか。
 8月8日には新潟競馬場でも関屋記念(G3)でリワードニンファが1600mの日本レコードを大幅に短縮した。ゴール後の掲示板にあがる「レコード」の赤文字は見ていて派手だし、盛り上がりもするが、その直後に、「この馬、脚は大丈夫かなぁ。」と考えてしまう。快速馬サイレンススズカの悲劇から1年弱。故障のことを言い出したら競馬は成り立たないのはわかってはいるが、このところのレコード続出に、不安が募る。レコード駆けした馬たち、どうか無事で。

連載第12回・4歳馬の春の古馬G1挑戦
(1999年6月9日)
 NHKマイルC(G1)の勝ち馬シンボリインディが安田記念(G1)に出走する。NHKマイルCがはじまって4年目、ようやくこのローテーションが実現した。というのも、春のマイル王決定戦に4歳マイル王もぜひ出走してほしいと常々思っていたからである。
 NHKマイルCは春の4歳短距離路線の頂点に位置づけられ、各馬がそこを最大目標にローテーションを組み、完全燃焼する。そのあとにさらにレベルが高いであろう安田記念に出走するというのは馬の消耗度を考えれば厳しいローテーションであることはたしかである。それでもやはり、NHKマイルCの勝ち馬には、4歳馬代表として安田記念に出走してほしいと素朴に思う。そして、それを実行するシンボリインディ陣営の勇気と英断を称えたい。
 先にも述べたが、安田記念はNHKマイルCよりも確実にレベルは高い。特に今年はNHKマイルCのレベルが低かったと言われている。しかし、G1を勝った舞台で4キロの斤量差をもらえば太刀打ちできなくはない。シンボリインディの健闘に期待する。
 この、NHKマイルC→安田記念と同じことがダービー(G1)→宝塚記念(G1)にもあてはまる。宝塚記念の施行時期が7月なのは、ダービーを使った4歳馬も出走できるようにというのがひとつの理由なはずである。しかし、過去にダービーから宝塚記念というローテーションをとった4歳馬はちょっと記憶にない。
 使い減りすると言われる競走馬、4歳のうちからそんな厳しいローテーションを組めば、長い目で見た場合マイナスに出るということはわかる。それはわかるのだが、一方で、その時点で超一流と呼ばれる馬同士の世代を越えた対戦を見たいと思ってしまう。今年のダービー馬アドマイヤベガはレースレコードタイの時計で勝った。昨年のダービー馬で今年の天皇賞馬スペシャルウィークとの対決は、約半年後のジャパンC(G1)もしくは有馬記念(G1)まで待たなければならない。(これには鞍上の問題もあるが。)
 秋に菊花賞(G1)のあるクラシック路線を進む4歳馬の宝塚記念出走というのは難しいかもしれない。(ならばいっそ宝塚記念をもう少し早くして天皇賞(春)と近づけてほしいがそれは別の話。)しかし、今回のシンボリインディのように、秋にはすぐに古馬と同じ舞台に上がる短距離路線はNHKマイルC→安田記念のローテーションは比較的組みやすいと思う。そして今後その道を進む馬(特にNHKマイルC勝ち馬)が増えるように、シンボリインディにはがんばってもらいたい。

連載第11回・迷ったら初志貫徹
(1999年5月24日)
 5月23日高松宮記念(G1)、8番人気マサラッキが直線で大外から豪快に差しきって、このレース三度目の出走での戴冠。スムーズなレース運びと、理想的な展開での見事な勝利だった。
 さて、予想である。◎アグネスワールド(5着)○トキオパーフェクト(14着)▲シーキングザパール(2着)で、マサラッキにはほんの×だけだった。しかし、このサイトの看板企画のひとつである週始め見解では◎マサラッキ○アグネスワールド▲シーキングザパールだった。そのままならば思いっきり的中だったわけである。
 いつも、週始め見解はだいたいの出走メンバーを見渡しながら、あまり深く考えずに書く。そして、一週間情報をかき集めて最終見解を完成させるのだが、今回のようなはずしかたはくやしくてしかたがない。週始めの段階では、差し馬が有利な展開で、末脚の爆発力ならマサラッキだと思っていたのだが、その後各方面からの情報でアグネスワールド株が急上昇、押し上がって◎になってしまい、マサラッキは後方からでは届かないだろうと思ってしまった。結果的に、情報に惑わされ、そして考えすぎたわけである。
 持論というのがいくつかあって、ここでは、「高松宮記念は重賞実績はあるがG1となるといま一歩足りない馬が勝つ」「夏のローカル3歳重賞を勝った馬は大成しない」このふたつが、前者はマサラッキに、後者はアグネスワールドにあてはまったわけだが、すっかり自分のスタイルを乱してしまった。オッズの均衡した混戦に惑わされたといったら言い訳になるだろうか。
 今回得た教訓は「迷ったら初志貫徹」。これを肝に銘じて、今後も予想に精進していきたい。

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