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コラム「たかが競馬というけれど」連載第6回〜第10回


連載第10回・フサイチエアデールのダービー挑戦
(1999年4月22日)
 桜花賞(G1)2着馬フサイチエアデールが牝馬限定のオークス(G1)ではなく、 牡馬に混じってダービー(G1)に出走するらしい。
 トップクラスの内国産4歳牝馬は、トライアルを含めて春のクラシック、 さらに秋の秋華賞(G1)へつながる路線を行くのが当たり前になっている。 そこへこのフサイチエアデールのダービー挑戦。これには賞賛を送りたい。 牡馬だろうが牝馬だろうが、4歳時にしか出走できないクラシック、 さらにサラブレッドの最高峰とされるダービーには他のレースとはちがった魅力がある。 賞金額はもちろんだが、それだけではなく。
 もちろんオークスが悪いわけではない。立派なG1、立派なクラシックレースである。 しかしやはりダービーはダービー。ホースマンのあこがれだろう。
 今回のフサイチエアデールのダービー参戦の本当の意図は分からない。 ひょっとしたらただレース間隔をあけたいだけかもしれない。 しかし、牝馬のダービー挑戦、その勇気と英断に拍手。
 そして、ただ出るだけではなく、フサイチエアデールの勝算はどうだろうか。 今年の4歳牡馬は傑出馬不在といわれている。皐月賞(G1)で1番人気の アドマイヤベガはあっさり馬群に沈み、勝ったのは伏兵評価でしかなかったテイエムオペラオー。 ダービーではどの馬が1番人気になるのかすら予測ができない。 そこにフサイチエアデールが参戦。セックスアロワンスの斤量差を生かして 上位進出も考えられなくもない。シンザン記念(G3)ではレベルは低かったが 牡馬を一蹴。この時期ならま牡馬と牝馬に大きな開きはないかもしれない。
 鞍上は未定だし、オークストライアルのサンスポ杯4歳牝馬特別(G2)に出走するようなので まだなんとも言えないが、ダービーでのフサイチエアデール、勝ち負けはともかく、応援したい。

連載第9回・オッズを予測する
(1999年3月7日)
 競馬はギャンブルである。お金を賭けて、的中すればそのオッズに従ってお金が払い戻される。 だからたいていの人はオッズを見ながら馬券を買う。
 3月6日のチューリップ賞(G3)、単勝1番人気のゴッドインチーフを押さえて 2番人気のエイシンルーデンスが勝利。順番が入れ替わったとはいえ、馬番連勝は人気どおり、 オッズは3.2倍。この数字には正直驚いた。 予想の段階で、エイシンルーデンスがこんなに人気するとは思わなかった。
 レース前日に予想を公開する以上、前売りのあるG1レース以外はオッズを見ずに 予想することになる。また、このサイトでは資金配分を明記して回収率を計算、 予想の信頼度のようなものとして閲覧者に提供している。 そして前述のチューリップ賞、馬番連勝3−14はweb master qunoの予想の買い目、 2点目で的中である。しかし、資金配分は20%。 320円の払い戻しでは回収率は64%にすぎない。 的中しても損をしている計算である。オッズを見ながら買う場合、こんなばかな話はない。 痛恨のミス。
 オッズを正確に予測することも、予想家、予想屋のひとつの重要な要素かもしれない。 もう二度とこんなことがないようにしようと心に決めた桜花賞トライアルだった。

連載第8回・G1馬シンコウフォレスト
(1999年1月14日)
 年間20あるG1レース。中央競馬の最高峰のレースであり、このレースに勝つことは 最大の名誉であるとともに、最大の目標である。シンコウフォレストも1998年の高松宮記念で G1馬の仲間入りをした。しかし、その後のシンコウフォレストの成績は4戦して 9、8、11、16着と惨たんたるものである。どうしてこんなことになってしまったのだろうか。
 まず、G1馬の仲間入りを果たした高松宮記念を思い出してみよう。シンコウフォレストは オーシャンS(オープン)1着、シルクロードS(G3)3着というステップで大舞台に臨んだ。 前年3着の実績もあり、シーキングザパールに次いで2番人気の支持。 レースは雨の中不良馬場で行われ、持ち時計のないシンコウフォレストには願ってもない馬場。 各馬が手間取っているのをしり目に2番手追走から直線きっちり抜け出し、 ダートで活躍するワシントンカラーの追走を3/4馬身おさえて勝った。
 6歳春で短距離ナンバーワンに輝いたシンコウフォレストはそのまま休養、 今度は冬のスプリンターズS(G1)を目指すことになった。しかし、そのステップとなる スワンS(G3)、CBC賞(G2)では9着、8着。 それまで持っていた迫力のある走りはすっかり影を潜めてしまった。
 その大きな原因は斤量にあると見る。G1レースを勝ったことで別定戦では斤量59キロとなる。 短距離戦で59キロはかなり厳しい。まして他馬は56や57キロなのである。 もともとパワー型の馬だとはいえ、やはりこの斤量がこたえたのだろう。陣営のコメントにも 走る気をなくしてしまっているといったものが見られた。
 迎えたスプリンターズS。ここでは斤量は定量の57キロ。 定量に戻ればなんとかなるかという期待もあったがステップ戦で すっかり崩れたリズムはそう簡単には取り戻せず、 なんとか変化をつけようという意図があったように感じられる強引な先行策も功を奏さず、 二桁着順となってしまった。
 そしてなんとか走る気を起こさせようということだろうか、年明けのガーネットS(G3)に出走。 久々のダート戦だが3戦3勝と愛称のいい中山1200。 しかしここでも別定で59キロを背負わされた。ダートではさらにこの斤量はこたえただろう。 結果、16頭立て16着となってしまった。
 これから先の出走予定は未定だが、この先別定戦でもハンデ戦でもこの斤量がつきまとってくる。 定量となるG1でと思ってもそこへの臨戦過程でいいレースができなければ結果はついてこない。 なんとか打開策はないものだろうか。現在7歳。このまま引退を待つだけでは悲しすぎる。 G1を勝たなければよかったなどといわれないように、ぜひとも復活してもらいたい。

連載第7回・1998年度JRA賞発表
(1999年1月12日)
 1月11日、1998年度JRA賞が発表になった。 タイキシャトルが外国産馬で初めて、また短距離路線馬で初めて、年度代表馬に選出された。 発表前は他の馬をおす声もいくつかあがっていたのだが投票結果を見てみれば圧倒的多数での 受賞である。最後のスプリンターズSでは力負けしてしまったが、安田記念、マイルCS、 さらにジャックルマロワ賞を勝ち、この選出に異論の余地はない。
 その他各部門で受賞馬が決まっているが、ひとつだけ気になる部門がある。 前回のこのコラムでもふれた最優秀ダート馬部門である。受賞馬はウイングアロー。
 しかし、投票結果を見てみると、ウイングアロー61、グルメフロンティア54、該当馬なし74 となっている。ウイングアローは過半数ないどころか「該当馬なし」に負けている。 多数の候補がいて票が割れて、その結果過半数得票できないのならわかる。 しかし今回のように該当馬なしが1位になるのはいただけない。 そして、該当馬なしが1位になったのなら、該当馬なしにするべきである。 JRAは2年連続該当馬なしを避けたかったのだろうか。
 なにもウイングアローの受賞に文句をつけるのではない。たしかにウイングアローは強い。 4歳ダート界では最強だったし、4歳に限らなくてもダートで一番目立った活躍をしたのはこの馬であり、 受賞馬はこの馬以外ないだろう。そういう馬がもっと評価される環境になってほしい。 そしてウイングアローには1999年度には文句なしで最優秀ダート馬に選ばれてほしい。

連載第6回・中央競馬のダート競走
(1998年12月23日)
 12月23日、大井競馬場で東京大賞典(G1)が行われた。 地元大井と船橋、水沢の各公営競馬所属馬に対して中央からは4頭が出走。 結果は船橋のアブクマポーロが1番人気にこたえて快勝、 2着には2番人気水沢のメイセイオペラが入った。 このレースのみならず、ダートに関して言えば、明らかに中央よりも地方のほうが優勢である。 といっても地方にはダートしかないのだが。
 ここではなにも中央所属馬が地方所属馬に負けてはいかんとかそんなことを言いたいのではない。 中央競馬のダート競走への取り組みについて言っておきたい。
 昨年、中央競馬ではフェブラリーSがG1に格上げになった。中央で唯一のダートG1である。 しかしそれとほぼ同時期に地方では川崎記念というG1がある。 フェブラリーSは1600メートル、川崎記念は2100メートルでレースの性格は多少違うが、 これでは地方馬はフェブラリーSには見向きもしない。
 また、中央ではダートのG1がフェブラリーSしかないため、 距離が合わない中央のダート馬は大目標が中央にはない。 それで地方への遠征を余儀なくされてしまう。
 フェブラリーSがG1に昇格した記念すべき年だったにもかかわらず、昨年のJRA賞は 最優秀ダート馬部門だけが「該当馬なし」だった。フェブラリーSを勝ったシンコウウインディが その後故障で走れなかったということもあるが、 それ以外の中央の馬が実績をあげる機会がなかったということもひとつの要因だった。
 ユニコーンS(中央)、スーパーダートダービー(大井)、ダービーグランプリ(盛岡) の3レースが4歳ダート3冠と言われているが、あまりにも知名度が低い。 中央のウイングアローがユニコーンS、スーパーダートダービーを連勝、 ダービーグランプリで惜しくも2着したが、これを知らない競馬ファンは多い。
 そして今年の最優秀ダート馬にウイングアローがなれるかどうかと考えてみると、 中央では重賞はユニコーンSを勝っただけで、勝ち鞍も500万下、4歳オープンの菖蒲Sとあわせて 3つしかない。そして、古馬との対戦がないし、先にも述べたように知名度が低すぎる。 これでは最優秀ダート馬にはおせないだろう。
 では他にいるのか。候補はフェブラリーSを勝ったグルメフロンティア。 しかしこの馬は芝ダート兼用で、今年は中央ではそのフェブラリーSしかダートを走っていない。 そんな馬を最優秀ダート馬だなどとは言えないだろう。
 今年も最優秀ダート馬は「該当馬なし」なのではないか。2年連続該当馬なしでは賞の意味がない。 中央のダート馬には年間最優秀に値するような馬がいないわけではない。機会が少ないのである。 そこで、フェブラリーSの他にもうひとつ、できれば秋にダートのG1をつくってほしい。 もちろん4歳以上の混合戦で。実際そうしようと思ったらステップ戦の整備や 他のG1とのかね合いなど番組作成がたいへんだろうが、 今のままでは何年たっても最優秀ダート馬が出ないかもしれない。

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