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連載第90回・レース前後のコメント
(2002年11月27日) |
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11月24日のジャパンカップは日本馬が人気上位を占めるなか、
イタリアから参戦のファルブラヴが1着、2着はアメリカのサラファンで
11年ぶりの外国馬ワンツー。デットーリ騎手、ナカタニ騎手の完璧なコース取りの好騎乗が光り、
馬連25600円、馬単45850円の波乱となった。
日本馬の中には昨年の年度代表馬ジャングルポケットが、 天皇賞(春)以来7ヶ月ぶりのレースとして出走。天皇賞(秋)の1、2着馬、 シンボリクリスエス、ナリタトップロードに次ぐ3番人気の支持を集めた。 ジャングルポケットは道中最後方の位置取りから4コーナーは外を回ってじわっと進出、 直線でよく伸びてきたが、逃げたマグナーテンも交わせず5着に終わった。 レース後、新聞などに出てきた武豊騎手や渡辺調教師のコメントは、敗因を休み明けに求めるものだった。 それを見たとき、レース前の武豊騎手へのインタビューを思い出した。 休み明けを危惧する声に対して、休み明けといってもたった半年で、 1年も休んでたわけじゃないから大丈夫、というような内容のものがあった。 レース前に大丈夫と言っておいて、終わって負けたらやっぱり休み明けダメでした、ではどうも納得がいかない。 馬券を買うときの数少ない情報のうちのひとつが騎手や厩舎スタッフのコメントなわけで、 それを信頼して買っているファンも少なくないと思う。 せめて、レース前に大丈夫と言ったことは、レース後に敗因にしてほしくない。 |
連載第89回・将来有望3歳スプリンター2頭
(2002年11月16日) |
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11月10日に行われた秋風Sは、1番人気サーガノヴェルが勝利、
サニングデールがハナ差の2着。いずれも3歳で、将来に期待が持てる結果となった。
サーガノヴェルは昨年暮れにデビュー勝ちしたあと、重賞を1、1、2着。 NHKマイルCの有力候補となったが脚部不安で無念の出走回避。 復帰戦BSN賞では圧倒的人気ながら9着に沈んだ。 サニングデールはサーガノヴェルより1週早くデビュー。 そこから1、2、1着と勝ち上がり、 早々と距離適正を判断されていたのかNHKマイルCには向かわずファルコンS勝利。 函館スプリントSでは高松宮記念馬ショウナンカンプが失速するのを尻目に差し切り勝ち。 重賞2連勝でスプリンターズSに挑んだ。 この2頭の初顔合わせとなったスプリンターズSでは、サニングデールが4番人気、 サーガノヴェルが5番人気と好評価。しかし、上位人気のビリーヴ、 アドマイヤコジーン、ショウナンカンプの激しい競り合いのはるか後方で、 サニングデールが8着、サーガノヴェルは最下位11着。 サーガノヴェルは吉田騎手が自厩舎のショウナンカンプに競りかけなかったとか噂されつつ、 持ち味の先行力を発揮できず。サニングデールは高速決着についていけなかった。 サニングデールは続くスワンSでも9着に敗れてしまうが、 この秋風Sはとても届かないような後方から直線一気でハナ差まで詰め、 課題だった時計にもメドが立った。今後は1200専門で使われていくことだろう。 サーガノヴェルは前2頭が飛ばしてくれたおかげもあったが、 3番手できっちり折り合えたのが収穫。やはりこちらも1200がベストか。 次走CBC賞で再びこの2頭がぶつかる可能性が高い。 今年はG1では力が及ばなかった3歳スプリンター2頭の、今後のライバル関係と活躍に注目。 |
連載第88回・牝馬頂上決戦はお預け
(2002年11月8日) |
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秋G1戦線も中盤に差しかかってエリザベス女王杯。
無敗の秋華賞馬ファインモーションが出走。迎え撃つ古馬勢は、
昨年のオークス馬レディパステル、昨年出走した3度のG1ですべて2着のローズバド、
今年重賞2勝2着2回のダイヤモンドビコーあたり。
テイエムオーシャンは天皇賞(秋)、そして次走予定のジャパンカップと
中距離王道路線を進んで、ここは不出走。
昨年、桜花賞と秋華賞を勝ち、エリザベス女王杯では僅差5着に敗れたものの、 有馬記念で3歳牝馬ながら小差6着に善戦、そして今年札幌記念を快勝した テイエムオーシャンが、牝馬の中では頭一つも二つも抜けている。 前走天皇賞(秋)では大幅馬体減が響いて13着と初めて大敗したが、牝馬最強の評価は変わらない。 3歳牝馬圧倒的最強のファインモーションとの対決がはやく実現してほしいが、 どうやら今年はお預け。2頭とも有馬記念に出走の可能性があるが、その舞台だと、 この2頭の対決という意味合いは薄れてしまう。牝馬頂上決戦の舞台はエリザベス女王杯がふさわしい。 ということで、ここはファインモーション断然ムード。とりあえず牝馬では テイエムオーシャン以外には負けられない、負けるはずがない、というところだろう。 来年のこの舞台で2頭の対決が実現することを願って、 今年はファインモーションの圧勝劇を観戦しよう。 |
連載第87回・女傑エアグルーヴの天皇賞(秋)
(2002年10月23日) |
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10月27日の天皇賞(秋)を前に、過去の名勝負を思い出してみましょう。
1997年、第116回天皇賞。前年に3歳ながら盾をもぎ取ったディフェンディングチャンピオン、 バブルガムフェローが前哨戦の毎日王冠を完勝してダントツ1番人気。 そして、前年のオークス馬で、骨折から復帰していきなり重賞2連勝で臨む エアグルーヴがやや離れた2番人気。 レースは、翌年このレースで非業の最期を遂げることになる快速馬サイレンススズカ が超ハイペースでとばす。このときはまだ一介の3歳オープン馬だった。 直線に入ってあっさりばてたサイレンススズカをバブルガムフェローと エアグルーヴが交わして、そのままマッチレース。 先に前に出た岡部バブルガムフェローを武豊エアグルーヴが外から交わしたが、 バブルガムフェローも馬体をあわせて食い下がり、壮絶な叩き合い。 「バブルかエアか、バブルかエアか」の実況の中、両馬まったく同じ脚色で、 その差はクビ差から詰まることなく開くことなく、ゴール。 牝馬としては17年ぶりの天皇賞制覇となった。 競馬史上に残る名勝負だったが、どこまで走ってもこの差は変わらない、そう思わせる完勝だった。 そして今年、エアグルーヴと同じ伊藤雄二厩舎から、 エアグルーヴと同じ札幌記念からのステップで、 テイエムオーシャンが出走。今回は一騎打ちではなく混戦ムードだが、 テイエムオーシャンが女傑エアグルーヴと肩を並べられるかどうか。大注目。 |
※お詫びと訂正 テイエムオーシャンを「エアグルーヴと同じ伊藤厩舎」と書きましたが、間違いでした。ファインモーションと混同してしまっていました。ごめんなさい。訂正します。 |
連載第86回・ファインモーション断然人気の秋華賞
(2002年10月11日) |
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3歳牝馬3冠目の秋華賞は10月13日。前哨戦のローズSを圧勝して4戦4勝とした
ファインモーションが断然人気。ローズSは単勝120円だったが、今回は110円かも。
ただ、馬券的妙味がないかというとそうでもなくて、
馬単や三連複はそれなりの配当がつきそうな予感。2番手以降が春戦線同様に団子状態だから。
桜花賞馬アローキャリー、オークス馬スマイルトゥモローが不出走ではあるが、 それぞれ2着だったブルーリッジリバーとチャペルコンサート、 2戦とも1番人気の支持を集めたシャイニンルビー、 川崎オークス勝ち馬でクイーンS3着ローズS2着のサクラヴィクトリア、 トライアル大将オースミコスモ、オークス3着ユウキャラット、などなど。 シャイニンルビーにはG1で一度くらい連対してほしいし、それだけの力はある。 紫苑S3着は外を回って届かなかったが悪くない内容。 チャペルコンサートはオークス以来だが、京都コース4戦4連対の実績。 戦績からはなんとなくこの2頭が連対候補な気がするが、 過去何度も高配当決着になっているレースなので、 ファインモーションを軸に人気薄に流していくのが順当な馬券作戦。 そして、さらに高配当を狙うのであればファインモーションを2着にした馬単。 出遅れや不利などのアクシデントでしかそうはならなさそうだが、狙ってみる手はある。 レースとしては、ファインモーション以外が2着狙いに徹してしまうのは おもしろくないので、そうならないように祈りつつ。 |
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