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コラム「たかが競馬というけれど」連載第81回〜第85回


連載第85回・難解なスプリンターズS展望
(2002年9月25日)
 秋のG1戦線が9月29日スプリンターズSでスタート。新潟コースは7月から 12週ぶっ続けで使われていてかなりぼこぼこになっているが、 直線が長くて平坦なコース形態で、やはり他場よりも速い時計が予想される。

 出走予定馬をざっと見渡してみると、春の高松宮記念を初のG1出走で勝利した新興勢力 ショウナンカンプ、それよりもさらに新興勢力として4歳牝馬ビリーヴが 3連勝中で初のG1出走。3歳からもサニングデールサーガノヴェル といった実力馬が出てくる。今年見事復活を遂げたアドマイヤコジーンは 高松宮記念2着、安田記念1着の実績を引っさげての出走だし、 近走衰えを見せてはいるが昨年の勝ち馬トロットスターもいる。

 展開的には、ショウナンカンプサーガノヴェルが先行争い、 アドマイヤコジーンも比較的前、サニングデールビリーヴあたりが中団で、 トロットスターが追い込みに賭ける、といった感じか。 内がぼこぼこで外が伸びる馬場状態を考慮すれば、速い時計に対応できる差し馬が展開的に有利。 そうすると、3連勝すべて1分7秒台のビリーヴが最有力。 サニングデールは時計の実績はないが、潜在能力に期待。 サニングデールが速い時計に対応できなかった場合は、 前にいる馬のどれかが残っているだろう。いずれにしても、ビリーヴには期待したい。

 ただ、セントウルS勝ち馬は過去2年2桁着順に沈んでいていずれも牝馬というデータがあったり、 2000年のそれに該当するビハインドザマスクの臨戦過程が今回のビリーヴ と酷似していたり、サンデーサイレンス産駒のスプリントG1勝ちはまだなかったり、 不安材料はいくつかある。データ、血統、そして展開、どれを重視するかは意見の分かれるところ。

 難解なレースを何日もかけて検討するのもこれまたおもしろい。

連載第84回・ファインモーション4戦4勝
(2002年9月20日)
 良血の3歳牝馬ファインモーションが9月15日のローズSで 圧倒的な強さを見せつけて快勝、単勝120円の支持にこたえた。 これでデビュー以来4戦4勝で、秋華賞でもダントツの1番人気だろう。

 ファインモーションのデビューは昨年12月。1997年のジャパンカップなど G1を7勝したピルサドスキーの半妹という超良血が名門伊藤厩舎から出てきたということで 話題になり、デビュー戦圧勝。その後、牡馬クラシック路線やフランスオークス遠征などのプランも 出たが、2戦目を前に骨折。8月に復帰して函館と札幌で条件戦を勝ち上がって 4戦目での重賞勝利となった。春は傑出馬不在でいまひとつ盛り上がらなかった 3歳牝馬路線に待望のスターホース登場。

 春を故障で棒に振って秋に出てきた良血外国産馬というと、1999年、ヒシアマゾンの全妹 ヒシピナクルを思い出してしまった。ヒシピナクルは同じように条件戦、ローズSを連勝した後、 秋華賞3着、以後勝ち鞍なしに終わった。つまりまだファインモーションにも 一抹の不安と穴党の付け入るすきが残っているわけだが、ここはぜひ秋華賞を勝ってもらって、 1年先輩のテイエムオーシャンとともに秋戦線を盛り上げてもらいたい。 エリザベス女王杯かジャパンカップあたりでこの2頭の対決が見られるといい。

連載第83回・オースミコスモがトライアル3連続連対
(2002年9月12日)
 9月7日に行われた秋華賞トライアル紫苑Sで、4番人気のオースミコスモが、 スローペースを好位で折り合って、新潟ならではのあがり3F32秒9という抜群の切れ味を 発揮して勝利。これでチューリップ賞2着、スイートピーS1着に続いて G1トライアルレース3連続連対となった。

 3歳牝馬のトライアルホースというと1997年のオレンジピールを思い出す。 しかし、改めてその成績を見てみると、春のチューリップ賞とサンスポ賞4歳牝馬特別は 勝っているのだが、秋のクイーンSで5着に負けている。つまり、 オースミコスモはオレンジピールを越えて、記憶と記録に残るトライアルホースとなった。 本番の成績は、桜花賞オークスとも5着のオレンジピールに対してオースミコスモは いずれも2桁着順に沈んでいるが。

 1999年のフサイチエアデールがトライアル3連続連対を果たしていて、 こちらは桜花賞2着、3冠終了後に古馬に混じって出走したエリザベス女王杯2着 という成績を残している。オースミコスモが今後の秋華賞やエリザベス女王杯で好成績、 というのはなんとなく考えにくいが、トライアルの成績だけはフサイチエアデール級なんだし、 阪神JF3着の実績もある。可能性はなくはない。

 ひとまずはトライアルホースとして記憶と記録に名を残したオースミコスモが、 G1の舞台でもう一段上の肩書きを獲得できるかどうか、というのも頭の片隅に置いておこう。

連載第82回・テイエムオーシャンが秋の話題提供
(2002年8月23日)
 8月18日の札幌記念で、今年初戦となったテイエムオーシャンが好位から 抜け出して大圧勝。昨年見せた強さを思い出させてくれた。

 レースはゴーステディが大きく離して逃げる展開で、テイエムオーシャンは4、5番手。 3コーナーで若干置かれたように見えたが、直線に入るとあっさり前を交わして危なげなく勝利。 昨年の有馬記念以来8ヶ月ぶりでプラス38キロ、超一流ではなかったが牡馬相手に56キロの斤量で あれだけのパフォーマンスを見せたテイエムオーシャンってすごいかも。

 昨年好勝負を見せてくれたレディパステルローズバドあたりが その後たいした成績をあげていなかっただけに、ひときわ目立つ勝ちっぷりとなった。 そしてなんとこの後のローテーションが 天皇賞(秋)、ジャパンカップ、有馬記念と牡馬に混じっての王道を進む予定とのこと。

 この秋の古馬中距離路線は、マンハッタンカフェが凱旋門賞挑戦で不在、 ジャングルポケットは脚部不安からの復帰のメドがまだ立たず、 いまいちだった宝塚記念組がそのまま中心になっていくような雰囲気だった。 そこへテイエムオーシャンが出てくるとなれば盛り上がるし、メンバーが薄いということは、 テイエムオーシャンにとってチャンス。 ヒシアマゾン、エアグルーヴ、メジロドーベルに肩を並べる、 あるいはそれを凌駕する活躍があるかもしれない。そんな期待を持たせてくれる復帰戦だった。

連載第81回・馬連の延長で馬単と3連複
(2002年8月8日)
 新馬券、馬単と3連複が導入されてそろそろ1ヶ月。8月3日には3連複で JRA最高配当75万7730円が飛び出すなど、好配当続出で、 うはうはの人もいることだろう。JRAの売上も好調のようで、順調な滑り出し。

 この馬単と3連複、買うときの考え方がなかなかむずかしい。というか、 馬券の種類が増えて、どれで買えばいいか悩むことがよくある。「馬単しか買わないもんね」 と決めている人はよいが、せっかく種類が増えたのだからうまく使いたいところ。

 単勝、複勝、枠連しかなかったところに馬連が導入されて以来、JRA売上の中心は馬連だし、 馬連を基本に考える人がほとんどだっただろう。ワイドが導入されてもそれは変わらず、 「こいつは人気ないからワイドにしとくかな」というような使い方が多かったと思う。 ワイドの正式名称が「拡大馬連」というくらいだからそうなるのは自然なのかもしれないが、 長いあいだ馬連を中心に買っていると、そうそう考え方を変えられない。 今回の馬単と3連複も馬連の延長と考えてみてはどうだろうか。

 つまり、馬連で買うことを前提に、軸馬を決めて流す、縦目を抑える、何頭かのBOXを組む、 などの組み合わせを考えて、そのなかから着順まで自信があるものを馬単で買ってみたり、 2頭に自信があるから3連複に手を広げてみたり、という感じでどうか。 馬連の手堅い版がワイドだったように、馬連の好配当狙い版が馬単や3連複という位置付けにして、 基本は馬連で、上下にバリエーションができた、と考えると、手軽に楽しめると思う。

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