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連載第55回・リーディングジョッキー争いが熱い
(2001年12月6日) |
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12月2日の阪神JF(G1)は7番人気の伏兵タムロチェリーが差し切って戴冠。
ペリエ騎手はマイルCS(G1)、ジャパンカップ(G1)に続いて3週連続のG1勝利で、
これはJRA史上初の快挙となった。また、その土日に行われた
ワールドスーパージョッキーシリーズでは、公営佐賀競馬から参戦の鮫島騎手が優勝、
JRA以外の騎手が話題をさらう週となった。
JRAが「Go! JRA Jockey」と銘打ってキャンペーンを展開、 この秋は「GI Jockey GRAND PRIX」と題してG1レースでの 騎手の成績を予想するイベントを行っている中で、ペリエ騎手が大活躍してしまうのはなんとも皮肉。 とはいえ、JRAリーディングジョッキー争いでは、12月2日終了時点で、 柴田善騎手が124勝、蛯名騎手が122勝と激しい争いになっていて、行方に注目。 3位の岡部騎手が101勝なので、今年のリーディングはこの2人に絞られたと言っていい。 JRAのリーディングジョッキーは昨年まで武豊騎手が9年連続で獲得していたが、 武騎手は今年からフランスに拠点を移していて、10年ぶりにリーディングが変わることになる。 武騎手の牙城を崩したというわけではないのが残念ではあるが、 柴田騎手や蛯名騎手はこのチャンスにリーディングを狙っているだろう。 馬券の検討に、この要素を取り入れるのもおもしろい。今年の開催は残り3週。 白熱の争いを期待する。 |
連載第54回・強い3歳世代の菊花賞2着馬
(2001年11月30日) |
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この連載の第49回でもふれたが、この秋は3歳馬の活躍が目立つ。
先日もジャパンカップ(G1)でダービー馬ジャングルポケットが
王者テイエムオペラオーを競り落とし、ジャパンカップダート(G1)
では怪物クロフネが2着に7馬身差の大圧勝。
その他、京阪杯(G3)のテンザンセイザ、
アンドロメダS(オープン)のテンシノキセキ、
香嵐渓特別(1000万下)のワンダーウォーカーと、
土日のメイン6レース中5レースで3歳馬が勝った。
そんな強い3歳馬の頂上決戦で波乱となったのが菊花賞(G1)。 勝ったマンハッタンカフェの次走予定は有馬記念(G1)、 そして2着のマイネルデスポットが12月1日のステイヤーズS(G2)に出走予定。 このマイネルデスポット、1000万下条件も勝っていないが、 2000mよりも長い距離では菊花賞を含めて【2210】と堅実な成績を残している。 菊花賞ではスローペースながら1頭だけ離れた逃げ。 競馬格言にある「長距離の人気薄の逃げ馬」で穴をあけたわけだが、直線ではラップがあがっており、 展開としては全くの先行有利だったわけではない。事実、1、3、4、5着は後方から差してきた馬。 4角で2番手だったタニノトリビュートは10着に沈んでいる。 人気薄で菊花賞2着のマイネルデスポットだが、 エアエミネム、ジャングルポケット、ダンツフレーム といった強豪馬を負かして、強い3歳世代の中でG1を2着したというのはまぎれもない事実。 ステイヤーズSであまり人気しないようなら、狙っておもしろい。 |
連載第53回・ジャパンカップで思い出した女帝
(2001年11月22日) |
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11月25日ジャパンカップ(G1)に、エリザベス女王杯(G1)を勝った
トゥザヴィクトリーが出走することになった。中1週はやめて次走は有馬記念(G1)
あたりとの話だったが、前走後の疲労が残っていないことから出走に踏み切ったらしい。
理由はともかく、これでジャパンカップを盛り上げる要素が1つ増えた。
このローテーションを見て思い出したのが、1998年のエアグルーヴ。 このときは早くからこのローテーションを明言、エリザベス女王杯はジャパンカップへの たたき台という余裕。結果、エリザベス女王杯はメイチの仕上げできた メジロドーベルとランフォザドリームに負けてしまうのだが、 ジャパンカップではエルコンドルパサーの2着。あらためて力のあるところを示し、 有馬記念(G1)5着を最後に引退した。 エアグルーヴのベストパフォーマンスは、年度代表馬に輝いた1997年。 骨折から復帰して重賞を連勝後、天皇賞・秋(G1)で、バブルガムフェローを 壮絶なマッチレースの末に競り落として、牝馬として17年ぶりの天皇賞馬に。 このころから女帝と呼ばれるようになる。そしてこの年にもジャパンカップに出走していて、 強豪外国馬ピルサドスキーにクビ差まで迫る2着だった。 今回のトゥザヴィクトリーの積極的な姿勢には敬服。 デビュー当時は超一流の評価だったが、その後の成績はエアグルーヴと比較してしまうと 物足りない。前走休み明けながら強豪3歳馬をしりぞけて初のG1制覇となったその勢いで 女帝に肩を並べる好走があるかどうか。無視できない1頭の参戦で、 ジャパンカップがいっそう難解になった。 |
連載第52回・マイルCS極軽予想
(2001年11月17日) |
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11月18日マイルCS(G1)は大混戦模様。馬連で10倍を切る組み合わせは
ないかもしれない。顕彰馬タイキシャトル、その後をついで春秋制覇を達成した
エアジハード以来、マイル路線は戦国時代が続いていておもしろい。
過去5年のマイルCS連対馬10頭を見ると、マイルの重賞を勝っていた馬が9頭、 G1連対実績があった馬が6頭。このどちらかの条件で10頭すべてを網羅できる。 付け足すと、両方の条件を満たしていた馬が5頭。ということで、 今回の出走馬18頭にこの条件をあてはめてみた。 すると、マイルの重賞を勝っている馬は実に半数の9頭。G1連対実績馬が6頭。 両方を満たす馬が5頭いて、内から、ダンツフレーム、イーグルカフェ、 エイシンプレストン、ゴールドティアラ、ダイタクリーヴァ。 なんとなくこの中から勝ち馬が出そうだが、穴をあけているのが G1連対実績はないがマイル重賞を勝っていた馬。 過去5年ではないが、10万馬券を演出したメイショウテゾロもこれだった。 今回は、ダービーレグノ、クリスザブレイヴ、ゼンノエルシド、 ジョウテンブレーヴの4頭が該当。 結局、人気どころで消せたのはトロットスター、ビハインドザマスクくらいで、 ほとんど絞れなかった。さすが戦国マイル。でも強引に推奨馬連をひねり出してみよう。 手堅く狙う場合は、両方の条件を満たす5頭の中での組み合わせ。 穴っぽく行くのなら、その5頭のどれかからG1連対実績のないマイル重賞馬に流す。 最も推奨できるのは、手堅く路線で、今年のマイル重賞を勝っていてG1連対実績のある2頭、 ダンツフレームとダイタクリーヴァ。東スポ土曜版の予想オッズで1700円。 実際はこんなにつかないだろうが、1000円つけばおいしい。 |
連載第51回・エリザベス女王杯回顧
(2001年11月14日) |
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11月11日に行われたエリザベス女王杯(G1)は3歳馬の上位3頭が出
走、古馬との対戦で話題を呼んで盛り上がった。
トゥザヴィクトリーが大方の予想を裏切って差しに回り、ヤマカツスズラン とタイキポーラが競り合うハイペースの展開。直線入口で1番人気の3歳馬 テイエムオーシャンが抜け出して逃げ込みをはかるが、内からレディパステル、 外からトゥザヴィクトリーとティコティコタックが襲いかかり、 さらにはローズバドが最後方からド追込み。人気上位5頭がゴール前で繰り広げた大接戦は 最近まれに見る迫力だった。 結果は、トゥザヴィクトリーが古馬の面目躍如で悲願のG1初戴冠。以下、 ローズバド、ティコティコタック、レディパステル、 テイエムオーシャンの順で、勝ち時計はレースレコード。 そして着差がすごくて、上からハナ、ハナ、クビ、クビ。 強い馬がその力を余さず発揮するレースは見ていて興奮する。しかもこの大接戦。 それだけに勝ったトゥザヴィクトリーと好騎乗の武豊騎手には大賞賛だし、 他4頭も負けて強し。再戦が楽しみ。 第6回エリザベス女王杯は、記録とともに記憶に残る。 |
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