川和八幡神社


神社を祀る場所の字名を河輪森と言います。古くは河輪神社といっていましたが,

明治26年(1893)に社名を八幡神社と改めました。創建年代は不明ですが,『三代実録』

の貞観17年(875)に「武蔵国正六位上河輪神従五位下を授く」とあります

川和の地名は,中世文書等に小机川和,小机河輪郷とみえる古地名です。

神社近くを流れる谷本川は,かつて蛇行がひどく、神社は蛇行地点の原に祀られて

いました。中世の古道鎌倉道は,神社付近を通過していました。中山毎吉著『神奈

川県に於ける古市場の研究』によれば,「古くは鎌倉道がここを経由したといへば,

或は其当時宿をなした遺名かとも思はれる。由来宿と市場とは密接不離の関係をな

した事情があれば此地又往昔より市場をなしたものと推測される」と位置づけている。

八幡神社には,かつて関東一と称された樹齢千年をこす大杉があった。『大日本老

樹銘木誌』にも紹介された古木で,記録によると高さ約50m,周囲約7mを数えていた。