戻る

1999.3.1発行              編集・発行:鴨池公園愛護会
いちばんぼーし、みーつけた!

 「西の空に明けの明星(みょうじょう)が輝く頃、一つの光が宇宙へ飛んでいく...それが僕なんだよ...さよならアンヌ。」 ウルトラシリーズの傑作「ウルトラセブン」(1967−1968年放映)の最終回、モロボシダンは自分の正体がウルトラセブンであることをアンヌに告げ、最後の戦いへ...(このシーンを思い出すと、ついジーンとしてしまうお父さんが多いのでは?)

 それにしても、この話どこか変ですよね...? そうです! 西の空に「明けの明星」は輝くことはありません。 西の空に輝くのは必ず「宵の明星」です。(これはウルトラセブンの放映された30年前でも、現在でも同じことです。念のため...)

 ご存知のとおり、明星とは地球のお隣の星「金星」のことです。 これは夕方に見えるから「宵の明星」と呼ばれるのですが、見えるのは西の方向です。 (反対に明け方に見える「明けの明星」は、必ず東の空です。) 金星は地球の軌道より内側(太陽に近い方)をまわっているので、太陽と反対の方向に見えることはありません。 だから、真夜中には見えない、つまり明け方と夕方にしか見られないのです。 そして今年、今の時期から7月頃にかけて、「いちばんぼし」として西空に輝くのが金星です。 この金星が「いちばんぼし」である理由は、もちろん「明るい」からですが、光度は最大でマイナス−4.5等級、これはなんと1等星の100倍以上の明るさということになります。 それでは、どうして金星が明るく見えるのかというと、まずは地球から近いという理由があります。 更に金星の場合は、金星を覆っている厚い雲が、太陽の光を強く反射するために明るく見えるということです。 金星の輝く時期になると、そのあまりの明るさに「西の空にUFOがじっと浮かんでいるんです! 星があんなに明るいはずがありません。」と真剣に110番通報する人が必ずいるという話です...(UFOは警察の管轄なのでしょうか??...)

 ひときわ輝くこの星の姿はすぐに見つけることができますから、今日の帰り道にでも、たそがれの西空を見上げながら、親子で、あるいはお友達と、この星のお話なんかしてみてはどうですか?

と言っても、ウルトラセブンの話はちょっと古すぎるかな? ならば、「この星は愛野美奈子ちゃん、そう!セーラービーナスの守護星だよ」という話をすれば、小学校くらい年齢の女の子はわかってくれるかな? (このネタも古いのかナ?)

 きっかけは人それぞれですが、それで星を見上げるようになる人が増えていくことは、とても良いことだと思っています。 つまり、星を見上げる人達が、星がきれいに見える空を取り戻したいと思ったり、自分達のまわりの環境にも興味を持つようになったりすれば、この「いちばんぼし」も少しは安心して(?)輝いていられるのではないかと思うのです。                by いちろう

(追記)

 「いちばんぼし」の希望的観測(?)をしている間に、あたりはすっかり暗くなってしまいました。 ふと気がつくと、しし座やおおぐま座などの春の星座たちがその姿をあらわし始めていました。 その一方で、オリオン座など冬の星座たちは別れを告げるように、西の方へ傾いていきます。 星の世界でも、冬から春へ季節が移り変わっているのですネ。

 そうそう、ウルトラセブンの故郷であるM78星雲というのは、オリオン座の方向に実在する銀河系内星雲なんですヨ! ご存知でしたか? ただウルトラセブンがいるのかどうか、まだ確認した人はいないようですが...


もう一つの落ち葉の季節

卒業のシーズンとなりました。我が家も、今年は卒園を迎える娘がいて、そのため文集作りがいよいよ忙しくなってきました。先日もその文集作りのため「子供たちのつぶやき」を何人かのお母さんで分類するのに見ていたときのことです。

「ママ、三つ峠でお土産にきれいな落ち葉を拾ってきてあげようか?愛情がいい?それとも空気?」という、親としてジーンとくるようなつぶやきがありました。

季節や行事とかで分類していたのですが、夏と秋どちらにも三つ峠に行っていたものだから、「落ち葉」というフレーズから秋なんじゃないと言う意見も出ました。ところが提出されたのは夏なのです。結果は提出された時期から夏に分類されましたが・・・

実はこのことからとても大事なことがわかります。

 知識の少ない子供たちは「落ち葉=秋」という公式が頭になく、季節には関係なく、自分にとってきれいだと思う落ち葉や木の実を拾って見せてくれます。それによって、いろいろな発見をすることができます。例えば、秋でもないのに紅葉した葉を見つけ、その葉の持ち主を探すと、何らかの理由(木が傷んでいたり、ツル性のものに巻き付かれていたり、保護材としての支柱が食い込んだり)で枯れていることがわかります。また、常緑樹が新緑の頃たくさんの葉を落としていることにも気づけます。実は常緑樹といっても、落葉しないのではなく、新しい葉が生えてから古い葉を落とすため、木としてまる裸になることはないのです。

 秋のように落ち葉が多くないこれからこそが、何か新しい発見の手がかりになる落ち葉が見つかるかもしれませんネ。

 知識のフィルターをはずして自然を見てみましょう。今まで見えなかったものが見えてくるはずです。                                by よしえ


今後の活動について

* 4月3日(土) 19:30-21:30 定例ミーティング けやきが丘集会所にて

* 4月4日(日) 10:00-12:00(雨天時は4月11日) 雑木林の整備

→雑木林内に侵入した竹を切ったり、ササ刈りをして雑木林の林床の環境を整えます。

...すると、あーら不思議、春を告げるきれいな花が咲きました! ( 暖かい春の日差しが差し込めば、
     林床はきっとそうなりますヨ。 )

 

* 5月1日(土) 19:30-21:30 定例ミーティング けやきが丘集会所にて

* 5月2日(日) 10:00-15:00(雨天時は5月9日)  鴨池の清掃、ヨシの刈り込み

→池の周囲にあるヨシ刈りをします。(ヨシが成長する前にこれを刈り込んでその勢いを抑えます。
  もちろん池とその周囲の清掃も忘れずにやりましょう。)

ところで例のマミズクラゲはどうなった? 今度探してみましょう。


前回の活動報告

2月7日(日)  竹林整備と巣箱づくり

竹林では前回の活動に引き続いて間伐を行いました。 竹林の間伐をするときの「めやす」として、「雨傘をさして傘の端が当たらない程度に歩き回れるように、竹と竹の間隔をあける」のが良いとされています。 今回の作業で、竹林の見通しもずいぶん良くなりました。

巣箱作りは、幼児から大人まで幅広い年齢層の人が参加しました。鴨池公園のいろんなところに、できあがった巣箱が掛けてあります。 見かけたら、できるだけ遠くから、そーっと観察して下さいネ。

シジュウカラたちの巣作りはもうすぐ始まります。

 


 cygnus@mvb.biglobe.ne.jp