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1999.1.1発行              編集・発行:鴨池公園愛護会


 日々の暮らしの中で、自然環境に関して、感動したことでも、また心配していることでも、ご意見、ご感想をお寄せ下さい。


新年あけましておめでとうございます

発行日に間にあうことが殆どないと言われる(この1月号もまた遅くなってしまった!ゴメンナサイ。)「NEW鴨池公園だより」ですが、なんとか2年間続いており、今回第14号を数えます。

 いつも心の中では、四季折々の鴨池公園の様子を、この「だより」で伝えたいと「強く」思っている私たちです。 とはいうものの、ついつい日々の生活の忙殺されて、この「小さな自然」を見過ぎしてしまいがちな自分の姿があるのも事実です。この「だより」の原稿を書く度に反省しているような気がします。あれも書きたい、これも知らせたい...と思っているうちに、ついつい時間ばかりが過ぎてしまうのです。

 1999年はどうしても暗いニュースの方が多いなかでのスタートとなりました。吹きすさぶ寒風が、気持ちの上でも身にしみるようです。 つい背中を丸めて下を向いて歩きがちですが、そんなときは逆に「上を向いて」歩いてみましょう。 緑道の木々の枝先に、街路樹の梢に、冬をたくましく生きている小鳥たちの姿があなたの目に映るでしょう。 そして、その小鳥たちの姿を追いかけて、雑木林へも行ってみましょう。 冬の雑木林は、ひっそりとしています。 でも、木々の葉がないので先が見通すととができ、意外な程に雑木林の広がりを感じることができます。 とっても開放的な気分にさせてくれますヨ。運が良ければ、あなただけの新しい発見があるかもしれません。 そんな時は、是非それを私たちに教えてください。 この「だより」の中で紹介したいと思います。 もちろん私達も、鴨池公園の「小さな自然」の中で何か新しい発見ができればいいなと思っています。 今年もそれらの発見をこの「だより」の中でご紹介したいと思っていますので、よろしくお願いします。

by 事務局


しし座流星群観望記

 星の話題については、個人的な趣味のために何度かこの「だより」のなかに登場させていただいている。今回またしても父親(私だ!)は会社をサボり(?)子供には保育園を休ませて(!)わざわざ伊豆まで、1泊2日の遠征を決行した...11月17日−18日のしし座流星群の話を少しだけ。

 期待された流星雨はなくガックリしたが、好天に恵まれ、長女はたくさんの流星を見ることができたので(次女は小さいので、ずっと寝てた)、まあまあというところか。

 今回のしし座流星群はこれだけ世間を騒がせので、殆どの人は、流星の様子をテレビで見たり、写真で見たと思う。 しかし実際にホンモノを見た人は、流星が飛ぶ「ほんの一瞬」に得られた感動を忘れることはないだろう。 流星を見ようと起きていた人は、実際に流星を見たときに「感動の叫び声」をあげた人が多いハズ!(真夜中だということを忘れて...) 映像や写真の技術がこれだけ進歩した現代でも、流星の姿は自分の目で(肉眼で)見る方が間違いなく印象深い。もちろん自然の姿をできるだけ客観的な姿で残しておくため、映像や写真はとても大切であろう。 しかし、ナマの体験や、それを体験した人のナマの話のほうが感動の大きさを伝えることができるし、説得力さえあるような感じがする。例えば、目を輝かせて自分が見た流星のことを話す子供の姿は、映像で見るときよりもその感動を伝えてくれる。

 流星の姿だけでなく「自然の素晴らしさ」というのはそんなものではないだろうか。 しし座流星群のあと、星のことに興味を持ち始めた娘の姿に、密かに喜びを感じる最近の私である。 はたしてこの娘が何歳になるまで、私の趣味につきあってくれるのかは分からないが、自然の「ホンモノの姿」というものを、できる限り「ナマ」で、ひとつでも多く見る経験をさせてやりたいと思っている。

by いちろう


すて木 <ヤドリギ>

 この季節、私を元気づけてくれる木があります。普通の木は、より高く、より強いものが生き残れます。そこで、他の木よりいち早く葉を広げるために、(葉を落とした)秋には次の春に葉を出す冬芽を準備したり、寒い冬に耐えれるような針状の葉をつけたり、それぞれその環境に応じた工夫をしています。

 そんな木の世界で、一風変わった工夫をしている木があります。名前は「ヤドリギ」といい、その名の通り木に宿って生活する寄生木です。

 ヤドリギは、鳥たちの食べ物が少なくなった12月に半透明な淡黄色の果実を実らせます。そして、粘り気のある果肉は鳥のくちばしに付いて運ばれます。フンとして出されてもその粘り気があるため、高い木(ケヤキ、エノキ、クリなどの落葉樹)の枝に付きます。そして、宿った木が葉が落とした高い木の上で、冬の日差しをいっぱい受けて育つのです。

 私は、この木を目にする度に、「ちょっとした工夫がミソさ」と言ってるように思えます。人によっては他の木に寄生をしてズルイと思う人もいるでしょうが、宿主のケヤキの利益はないにしろ、特にその生命をおびやかす訳ではなく、葉を落とした時に利用させてもらうという寄生です。それも、自ら光合成をして自活しています。また、鳥の好きな果肉を与えるかわりに、タネを(光をさえぎるものが周りにない)高い木に運んでもらいます。そして、多くの植物が休眠するこの季節(2月頃)に花を咲かせます。

 そんなヤドリギを見ていると、「ないものねだりばかりしないで、あるもので工夫してみてごらん。きっとうまくいくよ。」と言っているように思えるのです。 平成の大不況と呼ばれる昨今、私のようにこの木に勇気づけられる人はたくさんいるのではないでしょうか。

 ちなみに、このあたりで目につきやすいのは、中川7丁目側の矢崎不動バス停の近くにある、ケヤキの木の上にあります。ちょうど道路沿いにあるので車からでもその木を見つけることができます。

by よしえ


今後の活動について

2月6日(土) 19:30-21:30 定例ミーティング けやきが丘集会所にて

2月7日(日) 10:00-15:00(雨天時は2月14日)

         竹の間伐と巣箱作り → 間伐が十分でないので
         もう一度竹切りをします。子供達はシジュウカラの
         巣箱を作って公園内の木に掛けます。みんなで来てネ
         (去年の巣箱を掃除することも忘れず!)

3月6日(土) 19:30-21:30 定例ミーティング けやきが丘集会所にて

3月7日(日) 雨天時は3月14日

         雑木林の手入れとゴミひろい
         →雑木林に入ってみましょう。 みんなで春を探しに!


巣箱づくりについて

毎年2月の活動では巣箱を作って、公園内の掛けていますが、巣箱を作ってかけるのはどうしてか、知ってますか?... それは野鳥たちの子育てを手助けするためです。

野鳥たちはおもに春から夏にかけてヒナを育てます。野鳥たちの巣は樹上などを利用してつくられますが、それには十分な広さの森(林)と十分な数の木が必要です。巣箱をつくることで、野鳥たちの住宅不足解消(?)の手助けとなるのです。とは言っても、野鳥たちが子育てのしやすい家(巣箱)を作らないと、野鳥たちは巣箱を使ってくれません。巣箱づくりのポイントは「あな」の大きさです。鴨池公園でつくっているのはシジュウカラ用の巣箱ですから、シジュウカラが入れる大きさの穴を開けなければなりません。穴は小さすぎてもダメですが、これは大きすぎてもダメです。大きすぎるとシジュウカラより強い大きな野鳥たちが入ってきて、子育てをするのは危険です。人間が自分の住む家を決めるときのように、シジュウカラも自分にあった家(巣箱)をちゃんと選んでいるのです。(ちなみに穴の大きさは直径2.7mmと言われています。)


 cygnus@mvb.biglobe.ne.jp