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1997.9.1発行             編集・発行:鴨池公園愛護会

 朝夕の涼しさに秋の気配を感じる季節となりました。これからは夏とは少し趣の違う、「ロマンチックな自然」を楽しんではいかがでしょうか?

 オススメは自然を「アート」すること。あなたも芸術家になって、鴨池公園にある自然の素材を使って作品を作ってみては?

 例えば・・・

木の実のびんづめ

氷の落ち葉

落ち葉のコースター

よく乾かした木の実をガラスのビンにつめて飾る。ビンの口を、リボンで飾る。

木の実や、落ち葉を器に入れ、冷蔵庫で固める。ガラスの器にのせて、テーブルに飾る。

板に落ち葉をはり、何回もニスで塗り固めていく。

(「親と子の草遊び花遊び」文化出版局より)


次回の活動について

時 間

内 容

場 所

10月 5日(日)

雨天時10日(金)

10:00〜12:00

間伐

枯れ木等の処理

草刈り

竹林整備

雑木林内の手入れ

柿の木広場

10月 4日(土)

19:30〜21:30

定例ミーティング

けやきが丘集会所

10月12日(日)

10:00〜15:00

「森の祭り」

鴨池公園愛護会・けやき森林愛護会共催

柿の木広場

絵はがきも販売します。

11月 2日(日)

雨天時 3日(日)

10:00〜12:00

間伐・下草刈り

林が暗くならないようにしてツツジなど花が咲く雑木林作り

雑木林整備

池の富栄養化を防ぐために、彼落ちる前にヨシの刈り取りをします。

鴨池ヨシの刈り取り

11月 1日(土)

19:30〜21:30

定例ミーティング

けやきが丘集会所


鴨池公園の仲間たち  トンボ

トンボでないとんぼの話

 肩にきて 人懐かしく 赤とんぼ(漱石)

 とんぼ釣り 今日はどこまで いったやら

 昔、日本が秋津島(秋津=とんぼの古い呼び名)と呼ばれていたとおり、トンボは昔から人間にもっとも親しまれてきた昆虫である。

 豊葦原瑞穂国の名からして、豊かな水とアシ原、農薬などまかれることのない稲田はトンボにとって絶好の環境であり、まさに正真正銘のトンボ王国であったに違いない。

(鴨池のトンボ王国とはちょっと違う・・逃げ水を 追うトンボの 悲しさよ)

また、トンボはとても縁起の良い虫とされ、武将の甲や刀の鍔(つば)に描かれたトンボは「勝ち虫」、お盆の頃よく見られるウスバキトンボはセイレイ(精霊)トンボ、ホトケトンボ等と呼ばれ「先祖の魂がトンボに載って帰ってくる」とされ、昔の人々はトンボを優しく迎え、採ったりいじめることを戒めたようである。

(7月頃「赤トンボの大群がどこそこに飛来」と言った話題が報じられるが、これは赤トンボではなく、ウスバキトンボでは?)

 ちなみに、お正月遊びであった羽根つき、あの羽根はトンボを模したものであり、蚊などの害虫を食べるトンボが軒先を飛翔することで家族に病気のでないことを願ったことによる。最近、縄文遺跡から出土した銅鐸にトンボが描かれていたことが報道され、とても驚かされたが‥‥

 それにしても、どうしてこのように昔から「トンボ」(小さなただの虫)が人間の心をとらえてきたのだろうか。

 「赤トンボ」何故かなつかしい響きの言葉である。私はどうしてか、この言葉と縁側にちょこんと座った祖母の小さな姿とが重なってイメージされる。

 ところで、アカトンボという名のトンボはいない。アキアカネ、ナツアカネ、マユタエアカネ、リスアカネ、ミヤマアカネ、ヒメアカネなどのアカネ族のトンボの総称で、あえて一つ上げるならばアキアカネに代表されるかもしれない。

 私の友人のOさんは、ショウジョウトンボを見るとアカトンボと言う。たしかにショウジョウトンボはアカネ族のトンボよりも赤く、赤い絵の具の中をくぐり抜けたかのように全身真っ赤である。しかし私は、ショウジョウトンボを「赤とんぼ」とは呼ばない。なぜなら、「赤とんぼ」のように人なつっこく肩にとまり、トンボを見つめる人間(私自身)を見つめ返してくれないからだ。もし何千年後かに麦わらトンボ(シオカラトンボの雌)が少しでも赤くなったら「赤とんぼ」と呼んでやろう。

今年も 鴨池に赤とんぼが帰ってきてくれるといいのだが。           じゅん

 

 今回は会長の市川順而さん自ら鴨池公園の仲間たち(「トンボ」)のご紹介を頂きました。


前回の活動報告

トンボ王国生きもの探検(第12回自然教室) 8月24日(日)

 前日の夜の大夕立にもかかわらず、愛護会の予想していた人数をはるかに越える大勢の参加者(約80名)がありました。そのため、用意したテキストが足りなくなって、急遽コピーに走るやら、子供たちにつく愛護会に人数が足りない騒ぎとなりました。

 そのため、十分な観察や説明ができなかったことは、少し残念でしたが、それでも多くの生物を観察したり、池の水質調査をしたりすることができました。

尚、今回自然教室での結果をお知らせします。

@温度

Aph(水素イオン濃度)

BCOD(科学的酸素消費量)      

 数値が大きいほど生物の住みにくい水になる       

 ホタルが棲むためには5以下でないと難しいようです。

 

ロ池の南西端

@29.7  

A6.2   

B50〜100

ワ池の西岸 

@30.4  

A5.8   

B20

ン橋のたもと

@27.4  

A6.4   

B50〜100

゙湧水   

@19.4  

A6.2   

B5〜10

゚仕切り板の

@30.8  

A6.6   

B5〜10

熬rの東岸 

@32.0  

A6.4   

B10

観察された生き物

トンボ

水生昆虫、底生動物

プランクトン

飛んでいたトンボ

シオカラトンボ

ショウジョウトンボ

ウスバキトンボ 

コシアキトンボ 

アジアイトトンボ

ギンヤンマ   

ウチワヤンマ    

ヤゴ      

シオカラトンボ

オニヤンマ   

コシアキトンボ

ユリスカ    

サカマキ貝   

ゲンジボタルの幼虫

ボウフラ(蚊の幼虫)

コアメンボ   

ヒトスジシマカ

植物性

アオミドロ   

クンショウモ

動物性

ミジンコ    

ゾウリムシ

魚、ザリガニ、エビ、カメ

ベイトラップの生きもの

ブルーギル 

メダカ     

アメリカザリガニ

スジエビ    

アカミミガメ  

クサガメ

オオヒラタシデムシの幼虫    

オオヒラタシデムシ

オオスナハラゴミムシ

ナガスネエンマコガネ

クロマルエンマコガネ

ツチカメムシ

ムカデ   

エンマコオロギ

トビムシ

子供たちの感想文

「かも池へ行った」

 ぼくは、かも池に行って、ザリガニを二ひき、やごを一ぴき、ブルーギル、めだか、よしのぼり、あとすじえびもとった。

 後でけんびきょうで見たらカのよう虫が、うじゃうじゃ動いていました。

 ぼくは、これからもトンボ王国に、さんかしたいと思います。

               荏田東第一小3年 西村 直也

 かも池に、かめがいたなんておどろきました。

 ばくは、魚をつかまえるあみのワナをつかってみて、ひき上げたらメスの魚がたまごをうんでいるのがかかっていました。その時ぼくはうれしかったです。魚のことがよくわかりました。

 トンボ王国だからトンボをつかまえると思いました。おたまじゃくしはつかまりませんでした。ヤゴやザリガニはつかまりませんでした。魚をつかまえるワナをつくってみたいです。魚はなんでエサのないワナに入るかわかりません。アメンボが多かったです。理科の勉強になりました楽しかったです。

               荏田南小3年 山平 雄太

 感想文を書いてくれた子どうもありがとう。約束どおり「とんぼ」の絵はがきプレゼンとします。待っててね。

会員の感想

 会に入会してもう5年近くになりますが、鴨池公園の「自然教室」に参加するのは、今回が初めてでした。テキストの方も内容が豊富だし、小学校では、なかなか扱わして貰えない顕微鏡や実体視顕微鏡などを使って、水生昆虫(ホタルの幼虫・ヤゴ)プランクトン(ミジンコやアオミドロ)などを観察することができました。ホタルの成虫は毎年見ていましたが、幼虫を実際見るのは初めてでした。成虫に比べると小さいのに驚きました。

 それに、毎年されているようですが、池の水質調査で要求酸素量を調べるパックテストを行いました。水生生物がすむのに必要な酸素量が一目でわかるのです。本来実験好きな私は、子供と同じように測定してみました。

 ここはトンボ王国として保全活動していますが、それを脅かす肉食外来種のアメリカザリガニ、アカミミガメ、ブルーギルなどが生物保護区内で見つけられ活発に生息しているのも見られ、今後の課題となりそうですね。

                 2児の母


  cygnus@mvb.biglobe.ne.jp