ベルギー・オランダの旅(C.Nakagawa)


KLMオランダ航空が千歳からの直行便を就航したおかげで10時間あまりのフ ライトでアムステルダムに着きました。そこから乗り継いで40分で最初の滞 在先の首都ブラッセルに到着しました。

ベルギーは中世以来、めまぐるしい領有権交代が行われ、18から19世紀に かけてのさらに激しいフランスとオーストリアの領有権争いののち、オランダ 王国に併合されますが1830年独立を勝ち取った歴史をもちます。現在はEU 本部を抱えるヨーロッパの心臓部になっています。

ブラッセルの町の中心は11から12世紀に市場として開かれ、17世紀に建 設されたそれぞれのギルドハウス、市庁舎、市立博物館に囲まれた大変美しい グランパレスという広場です。長い冬が終わり春を迎えた人々(ツーリス ト?)はレストランの外に並べられた籐椅子に座ってゆっくりと時間を過ごし ています。ずっとそうしていたい、去りがたい雰囲気をかもしだしています。 世界一おいしいという老舗のチョコレート屋さんに入ったり、伝統工芸のレー スを品定めしたりして、お昼にはムール貝の白ワイン蒸しをバケツ1杯と山ほ どのポテトフライ(フリット)、地ビールが盛んで味も豊富なベルギーのビー ルの中からチェリー味のビールを味わいました。

午後は中世のギルドハウスがたち並び、聖バーフ大聖堂と、鐘楼、聖ニコラス 教会の3つの塔が威容を誇るゲントへ行き、聖バーフ大聖堂でファン・アイク 兄弟合作の三連祭壇画「神秘の子羊」を見ました。ヨハネの黙示録から題材を とったそれは圧倒される精密さと美しさでした。 その日の宿泊はブラッセルのホテルが満杯のため北海に面したオステンドでし た。今の時期はまだ閑散としていましたが夏はイギリスからなどのレジャー客 でにぎあう町だそうです。波打ち際をジョギングする人たち、犬を散歩させる 人たち、カモメにえさをあげに来た人たち、ここでも時間はゆったり流れてい るようでした。北海でとれた子エビのサラダがおいしかったです。

翌日は11世紀から13世紀にかけてさまざまな物産の中継地点として栄えた ブルージュへいきました。運河がめぐらされ、ギルドハウスに囲まれたマルク ト広場、ブルグ広場、市庁舎、鐘楼、聖母教会、美術館や博物館、街全体が中 世に時を止めたといわれるブルージュ、車の乗り入れ禁止の街に1歩踏み入れ たとたんその美しさに感動の連続でした。乗り合いボートで運河めぐりをして 歴史的な建物をボートから眺めました。子育て中のかも(カルガモ?)が子が もを連れて、ボートの波に大きく揺れながら運河を泳ぐ様子がとてもかわい かったです。広場に並ぶおみやげやさんをのぞいたり、外で大きなコップに 入ったアイスティーを飲みながら、行き交う人々をながめたりして自由時間を 過ごしました。

次の日はオステンドからバスでアントワープを経て国境までバスで2時間、オ ランダに入り、北海沿岸のノールドワイクからハーレムまでほぼ1日かけて行 われる花のパレードを見物するためにリッセで待ち受けました。あいにくの大 雨の中ゆっくりと進む50台にも及ぶそれぞれに工夫を凝らして美しく花で飾 り付けられたパレードを見ました。このパレードとキューヘンホフ公園を目当 てに世界中から観光客が押し寄せています。その日は少し南に下って国会、国 際司法裁判所、日本大使館などの施設が集まっていて、政治の中心として機能 しているバーグに泊まりました。残念ながら見物の時間はありませんでした。

翌朝は早く出発してキューヘンホフ公園のある小さな街リッセにバスで向かい ました。3月末から5月末まで2ヶ月間だけオープンしていて、あとの10ケ 月はその準備に当てているというキューヘンホフ公園は、70エーカーの広大 な敷地に600万株のチューリップ、水仙、ヒヤシンスなどが植えられてい て、お花を楽しむ人々に混じって散歩をしたり、これからが食べ頃の名物の生 にしんのサンドイッチを食べてたりして、ゆっくり過ごしました。紫、赤、黄 色、白などの花々は見事にレイアウトされていて、その大きさと美しさに言葉 もないくらい、想像以上に素晴らしい公園でした。イギリス、フランス、ドイ ツなどから来た大型バスが広い駐車場にずらーと並んでいてびっくりしまし た。

午後はアムステルダムへ、国立美術館でレンブラントの「夜警」「織物業組合 の理事たち」「自画像」フェルメールの「台所女」などを限られた時間内で鑑 賞、世界中から押し寄せたツーリストでアムステルダムは交通渋滞、バスから 降りて徒歩でダム広場や繁華街を市内観光、町外れで夕食をとって外に出ると 9時なのにまだ昼間のように明るく変な感じでした。

国土の4分の1が標高0m以下のオランダは文字通り”低い国”で、郊外に行 くと耕地に満々と水をたたえた水路が縦横に走り、ダイクと呼ばれる堤防の上 をバスで走った時、水位より低い土地に住宅が広がっているのを見ることがで きました。オランダ人は語学が得意で、商売上手、難民を受け入れる寛容性、 スポーツ大好きな国民性を持つとはガイドさんのお話でした。ベルギーはカソ リックの国ですが、オランダはプロテスタントの国です。

次の日はマイセル湖が干拓されていない頃の小さな漁村で、今も昔と変わらな い伝統が残るマルケンとフォーレンダムを訪れました。昔の厳しい冬の生活が しのばれました。エダムやゴーダなどのチーズを作っているチーズ工場や木靴 の工場などに寄って、ランチは海辺の屋台でシーフードのフライや子エビやニ シンのサンドイッチにしました。

午後はアムステルダムのトラム(ちんちん電車)に乗って、あこがれの「ゴッ ホ美術館」に行き、またトラムに乗って町の中心に戻って、旅の楽しみのひと つであるフードセンターに行きました。押し麦のシリアルやオランダワッフル などを買いました。夕方になって雨が落ちてきましたが、運河クルーズに出か けました。乗り合わせた人たちはスイスからのおじさんおばさんの団体で、ガ イドさんは「日本からのスペシャルゲストを2人(友達と私)お迎えしてま す」って言ってくれました。ほとんどドイツ語でしたが、時々英語も交えて運 河沿いに並ぶ建物の特徴の説明がありました。「あいにくの雨だけれどオラン ダの特徴的な天気だから我慢してあとの旅を楽しんでね。」って言ってくれた ガイドさんはハンサムで格好良かったので木靴のチップ入れに奮発。ホテルへ の帰り道見かけたタイ料理のレストランで食べた焼きそばのおいしかったこ と、東洋人を実感しました。

翌日昼頃混雑するアムステルダムスキポール空港をあとにして、時計を7時間 進めました。

Chieko Nakagawa


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