夕海


最終訂正日04年10月31日

2004.9.1



1. 台風の暑さと共に去り行きて肌寒くもあり長月一日
   
   

2. 初日から忘れ物する我が息子電話のありて慌てて届くる
   
   

3. たくさんのプリントの束持ち帰りいよいよ始まる長き二学期
   
   

   9.2
   
   

4. 時間なき週末のためメルマガを一気に作り君に送りぬ
   
   

5. ひと夏を眠りしままの本体に歌のみＵＰし少し安堵す
   
   

   9.3
   
   

6. 「忙しく大変ね」とは言ひながら「痩せないね」とは余計なひとこと
   
   

7. 本番を明日に控えしミュージカル突然決まる台詞は三つ
   
   

   9.4
   
   

8. 本番の直後に聞きし訃報にて慌てて帰る化粧も落さず
   
   

   9.5
   
   

9. ３ヶ月共に汗した仲間等と二度とは出来ぬ最後の舞台
   
   

10. カーテンの破れし隙間に近づきて観客の入り交代で見る
    
    

11. リハーサル終はりて外を見てみればあまたの人の開場を待つ
    
    

12. 幕上がりやっと落ち着き客席を見る余裕でき母の見へたり
    
    

13. 講演会終はりてふたりの友人と昨日を語りつスパゲティ食べ
    
    

    9.7
    
    

14. 疎遠なる親族会す時常に誰かが亡くなる葬儀の日のみ
    
    

15. 十数年ぶりに会ふ子は見違へり女性になりて我が歳感ず
    
    

16. 見慣れざる告別式に参列し雅楽は流れ拍手（かしわで）を打つ
    
    

17. 突然に打ち上げあるとの連絡に葬儀終わりて子等と参加す
    
    

18. 町民もプロもなくなり芝居する仲間となりて気持ち通ひぬ
    
    

19. 台風の過ぎ去りし後風強くトタンの屋根は剥がれんばかりに
    
    

20. 学校は休みになりてせっかくの体験学習二日に短縮
    
    

21. 花代を貰ひて行きし回転寿司子等はデザートばかりを食べり
    
    

    9.8
    
    

22. 見慣れたる山の稜線新しく白亜の風車すっくと立ちをり
    
    

23. 我が姿舞台に立ちたる写真見て気恥ずかしさに自己嫌悪かな
    
    

24. 「舞台見た」と言はれる度に恐縮す身を縮めたき隠れるほどに
    
    

25. 「疲れた」と帰宅す息子は保育士の真似事すなり職場体験
    
    

    9.9
    
    

26. 珍しく先に書き上ぐ序と跋は君の来ぬ間の手持ち無沙汰に
    
    

27. 近所では買ひ物するも恥ずかしく連日行きぬ隣町の店
    
    

28. 台風の被害を伝ふテレビ観て溝に溜まりし落ち葉を拾う
    
    

29. 夕方の会議は早く終わりてもまた予定でき安全週間
    
    

30. お手玉を縫ってくれと頼まれし黄色の布に少し驚く
    
    

    9.10
    
    

31. 師に会ひて軽口言ひしお互ひに久しぶりなるフランス料理も
    
    

32. 我が歌を時々見るとぞ師は言ひし嬉しくなりて頑張る気になり
    
    

33. 中学のＰＴＡの会議にて司会をするも緊張しつつ
    
    

    9.11
    
    

34. 時間なく怠けておりし更新を一気に進むHPの
    
    

35. 珍しく全開しをる窓忘れ夕立の後車内はずぶ濡れ
    
    

36. 七箱のいりこを買ひて義姉訪ね夜中になりてやっと戻りぬ
    
    

    9.12
    
    

37. 新聞の休刊日なる明日のため一日早く歌壇確認
    
    

38. 並び載るふたりの歌の気恥ずかし選者は選ぶ墓所の歌かな
    
    

39. 晴天の夏を思はす日曜に父母と児童は汗し草刈る
    
    

40. 作業後のひととき踊る子ども等と運動会での音頭輪になり
    
    

41. 実習でアジを捌くと息子言ひ父の手ほどき刺身を作る
    
    

    9.13
    
    

42. 何年も読まれず棚にありし本うっすら積もる埃は表す
    
    

43. 昼食の弁当買ひて続けても終わらざりけり古本整理
    
    

44. やっと来し蔵書入力するメールPC使ひアルバイトかな
    
    

    9.14
    
    

45. 立哨の当番割り当て地区名簿打ち込み作るPTAの
    
    

46. 幼子を無残に殺むかの事件刑は終はれど悲しみ続く
    
    

    9.15
    
    

47. 耳鼻科にて初めて撮りしレントゲン我が子の鼻腔白く濁れり
    
    

48. 初めての施設に行けば迷ひけり川端止めし駐車場代り
    
    

49. 我選び並べし本の読まれずに書架を外すは残念なりし
    
    

    9.16
    
    

50. 「今朝はまだトレーニングはしてない」とリハビリルーム見し我が子言ふ
    
    

51. 雲低く島を覆ひて降る雨の滝のごと見ゆ海を隔てて
    
    

    9.17
    
    

52. 我のなき家に帰りし末息子初めて独り鍵開けにけり
    
    

53. 献立の四月（よつき）分見て意見述べ要望見たり給食センター
    
    

54. 大雨と晴れの交互に訪れし女心もかくは変はらじ
    
    

55. 貰ひたるりんごを共に送らむと肉と魚を小分けに凍らす
    
    

    9.18
    
    

56. 弟は兄の言葉に怖がりてしぶしぶ上がる耳鼻科の椅子に
    
    

57. 粉薬苦手な薬に丸すれど小児科用は粉のみと言ふ
    
    

58. 箱詰めし電話をすれば帰宅時間遅き娘は期日指定す
    
    

59. りんご煮てアップルパイを作りけりちょっと手抜きの冷凍シート
    
    

60. 予想より強き火力に焼き過ぎて焦げし表面剥がして食べさせ
    
    

61. 玉響はりんごの香り充つる中よふやく書きて君に送りぬ
    
    

    9.19
    
    

62. 見る度に数の増ゑをる風車かな思ひがけずも他町で眺む
    
    

63. 稲穂垂れ思ひ思ひの案山子立つ名物となる首も健在
    
    

64. 息子等と母と入りしレストラン注文するも各自バラバラ
    
    

65. 塩酸の臭ひを吸ひし換気扇風呂場と共に綺麗にはならじ
    
    

66. 久々にカラリと晴れし日曜日君は歩くやひと夏ぶりに
    
    

    9.20
    
    

67. 低き雲流れて行けばまだ青きたそがれ時に浮かぶ三日月
    
    

68. いくつかの名を持つ花は鮮やかに秋を運びて天上へ消ゆ
    
    

69. あぜ道を紅く燃やして咲く花の中に白きもくっきりと見え
    
    

70. 敬老と言われたきかな我が親は何も祝はず今日は無視する
    
    

    9.21
    
    

71. 冷凍の肉と魚はりんごとは一緒にできずふたつに分けぬ
    
    

72. 数日をかけて遊びしパソコンのゲームをクリア初日の出見る
    
    

73. 求職の一覧見ても我が仕事見つけられざり複雑な気する
    
    

    9.22
    
    

74. 調律師見事な手つきでピアノ開け魔法の如く音を組み立つ
    
    

75. 分解し元の通りに鍵盤を並べし後に仕上げの一曲
    
    

76. ひとりきり本を手にして黙々と背中で人の会話を聞きおり
    
    

77. 場所なくて急に決まりし会場の体育館の２階で踊る
    
    

    9.23
    
    

78. 秋分ける今日は午後から雨模様暦通りの涼しさ覚ゆ
    
    

79. 母ふたり昼食作る子等のため１１人にも親はおれども
    
    

80. 先生に残さず食べよと言はれたり吐くまで食べよと言はれざりけり
    
    

81. 夜になりプリント見せられ驚きぬ今夜の集まり記してありて
    
    

82. 新たなる投稿の記事新聞に見つけて君にメール送りぬ
    
    

    9.24
    
    

83. 久々のアッシー頼まれ断はれず車を出せば三ヶ所廻り
    
    

84. 気がつけば残り少なし今月も歌集を纏む頃となりけり
    
    

85. 玉響の文を書くうち眠気して午睡の後にポテトパイ食べ
    
    

86. パスタ食痩せる効果のあると聞き早速作り子等に笑はる
    
    

87. 来年も副会長のできるやと電話のありて否やと言へず
    
    

    9.25
    
    

88. 担当者のみが替はれるバスハイク馴染みし顔ぶれ数は減れども
    
    

89. 新しき祈りの聖堂誇らしく魚業を称えるステンドグラス
    
    

90. 幾度目か最西端を訪ねしも初めて貰う証明書
    
    

91. 公園のレリーフ踏んで子ども等は走り回りし日本縦断
    
    

92. 紺碧の海と空との境には霞の如き島は遥かに
    
    

93. 宿題はてるてる坊主の制作と運動会を明日に控えて
    
    

    9.26
    
    

94. 初めての一番になる徒競走ご褒美なくてもシール輝く
    
    

95. 晴れ祈るてるてる坊主の効き過ぎて日焼けする程今日の暑さや
    
    

96. 懐かしき顔も見れたり運動会成長見ゆと顔ほころばせ
    
    

    9.27
    
    

97. 雨降れど中止にならざる大会は高齢者たちの生き甲斐なるか
    
    

98. そこここで交通標語の聞えけるホールインワンの度言はされており
    
    

99. 一点も見逃すまいと見つめられ慎重に打つ電卓のキー
    
    

100. 日当もなしと告げられ余りたる弁当分けり欲しくもなけれど
     
     

     9.28
     
     

101. 餌にするカボチャ買う我人間のためにはあらずカニに食べさす
     
     

     9.29
     
     

102. 我が前の水溜り避けゆっくりと行きし優しさ雨中の立哨
     
     

103. 雨に濡れ寒き身体を温めしコーヒー飲めばくしゃみのひとつ
     
     

104. カニカゴを引き上げ見ればカニに混じりて亀も入りぬ
     
     

     9.30
     
     

105. 思ひ立ちたまたま訪ぬ職安の求人票に心動きて
     
     

106. 気楽にと書き始めても難しく紙は埋まらじ小論文は
     
     

107. 君に見せ添削願ひ書き直す推敲もせずやっと間に合ふ
     
     

108. コーラスは唱歌ふたつといまどきの流行りの歌は「冬のソナタ」
     
     

     2004.10.1
     
     

109. 人生の裏と表を教へられ笑ひの中にも想ふことあり
     
     

     10.2
     
     

110. 久しぶり集ひし顔ぶれ一堂に師と共に見るあの日の舞台
     
     

111. 今迄は後ろからのみ見ておれば正面に見る観客として
     
     

112. 笑ひあり拍手も起きて新たなる感動覚ゆ鑑賞会は
     
     

     10.3
     
     

113. 思はざる文の届きて途惑ひぬ学んでみたき気にはなれども
     
     

114. 何気なく質問を書く掲示板答のありて妙に嬉しき
     
     

     10.4
     
     

115. 朝昼と日程こなし人に会ひ新たな予定のまた増ゆるのみ
     
     

116. それぞれに忙しき人と話しおり「こんなはずではなかった」と言ふ
     
     

117. 朝晩の涼しくあれば昼の日は暑く感じて袖を巻くなり
     
     

118. また今日もカニの行き先案じつつ茹でてはみれど口にはせずに
     
     

     10.5
     
     

119. 秋祭り子等のため縫ふ法被かな青き行列御輿引くため
     
     

     10.6
     
     

120. それぞれにネタを持ち寄り集ひては縫ひ物しつつ披露し合ひし
     
     

121. 痛む口無理に開けばスプーンのやっと入ればすり切りで食べ
     
     

122. レオタード注文せし色“ルビー”来てあと１０ｋｇは痩せてから着む
     
     

123. 中学のサポートティーチャー募集あり「走れメロス」を学び学ばす
     
     

     10.7
     
     

124. ふたりだけ図書整理してご褒美に余りし給食分けて貰へり
     
     

125. 真剣に見れば見るほど選べざる色とりどりのビーズに魅せられ
     
     

126. 先週の練習の後見もせずに忘れし楽譜慌てて探す
     
     

127. 中学の短歌の授業参加して学びし許可を校長に請ふ
     
     

     10.8
     
     

128. くんち見てウルウルするは涙腺の弱さの故か歳取る所為か
     
     

129. 長采は船の勢ひ受け止めて押し返すほど気迫を込めて
     
     

130. その細き腕を伸ばせば吹く風を掴み取るるや白き風車よ
     
     

131. 何枚も便箋破り書き直すメールに慣れたる我文書きており
     
     

132. たくさんの講習会に来し友は「明日引っ越す」と言ふも講座で
     
     

     10.9
     
     

133. 役員の人間関係知らざりて電話の先で愚痴を聞きおり
     
     

134. 梅雨よりも雨の多しと思う秋湿気のなきは少しマシなる
     
     

135. 毎週の病院通いも慣れてきて顔見知りになる医者と看護師
     
     

     10.10
     
     

136. 息子からメールアドレス作ってとせがまれしぶしぶヤフーで作る
     
     

137. 夜明け前寒さに目覚め息苦し薬を飲めば楽にはなれど
     
     

138. 口頭で言い渡されし掃除日を忘れて居れば班長の来る
     
     

139. ダブルスで優勝したと得意げに見せし賞品ラケットケース
     
     

140. 青空のぽっかり空きて日は射せど土砂降りなるは誰かの嫁入り
     
     

     10.11
     
     

141. 六人で概要決めし文化祭できうる人ができうることを
     
     

142. 手をかざし痛み止めんと試めど我が歯の患部手には負えずに
     
     

143. 友からの鯛を捌ひて三枚にアラのみ残る我が家のために
     
     

144. 夕食も食べずに家族四人してカニと鯛とを持って行くなり
     
     

     10.12
     
     

145. 定刻になれど来ざりしメルマガに心配になり君に問ひかく
     
     

146. 昨年の給食会もひじきなり身体に良いと知ってはおれど
     
     

147. 二百円の昼食なれば仕方なし子どもと食べる家庭科教室
     
     

148. 給食は食べずに持参すランチかな菜食主義者の英語教師は
     
     

     10.13
     
     

149. カニカゴに鰻一匹迷ひ込み「ペットにしよう」と息子喜ぶ
     
     

150. 信じると言へずとも来し善意にてむげにはできず神の業受け
     
     

151. 応募する人数多く決められず時間の要ると報らせは来たり
     
     

152. 先生に「先生」と呼ばれ緊張す娘は語る教育実習
     
     

153. 呼びかけし死への誘ひ易々と乗る人の居る不思議な世界
     
     

     10.14
     
     

154. 銀色に縁取りされし雲は知る日の輝きを背中に受けしを
     
     

155. あちこちと棚を移動し行く先の転々とする読まれざる本
     
     

156. 我が息子作りし虫かごよく見れば小さきカニの捕われており
     
     

157. 押し入れの奥に仕舞ひし贈答品バザーに出さむと埃払ひぬ
     
     

158. さまざまな人間模様内に秘めPTAの会議に集ふ
     
     

     10.15
     
     

159. 明るさが取り柄のような友なれど悩みは尽きず身体壊しぬ
     
     

160. 君からのカード届かず調べればフィルタリングに拒否されており
     
     

161. 秋の田に稲の束干すそこここに泡立ち草とススキは揺るる
     
     

162. 意を決し病院に行き口開けて抜歯の宣告予感は当たり
     
     

     10.16
     
     

163. 次々と連絡すべき事増えてパニックになる頭の中は
     
     

164. 講演を聴く前急ぐ買物はＰＴＡの余興の準備
     
     

165. 日に焼けし顔はすれども苦しげな声で語りぬ「人は変われる」
     
     

     「玉響」100号記念号のために
     
     

166. ひととせの前に始めし我が歌は感化されたる君の詠む歌
     
     

167. 淡々と日々の暮らしを並べたる玉響みれば日記は要らず
     
     

168. 日常の玉響を詠む歌重ね知らず迎へし百号のとき
     
     

169. 我が歌と君の歌読む人の居り継続されしありがたさかな
     
     

170. 独りでは作ることなきメルマガを百号編める君の教へで
     
     

171. 三日月で始まりし歌巡り来て今夜も浮かぶ爪の先ほど
     
     

172. 唐突に三十一文字指折りて数えることあり歌人の如くに
     
     

173. 詠えぬと思ふときあり今も尚それでも詠むは何故かと自問す
     
     

174. 百過ぎて継続こそが目標と気持ち新たに歌詠まんとす
     
     

175. アンテナを四方八方巡らして我が感性を磨きたきかな
     
     

     10.17
     
     

176. 夏のごと暑き日中にお御輿を引いて子どもは汗だくになり
     
     

177. 子等を待つ間に語る母同志それぞれの家に悩みはありて
     
     

178. 娘からお菓子のお土産激辛の感想どうかと電話までくる
     
     

     10.18
     
     

179. おずおずとスイッチ押せばいきなりの地震の如しコイン精米
     
     

180. 友の家でふたりで作りる小道具はコーラス隊の美女になるため
     
     

181. またひとつ台風の来る進路なり一日たりとも無駄にはできず
     
     

     10.19
     
     

182. 台風の進路を見つめハラハラと明日の登校気になりており
     
     

183. 厚紙の星を作りしコツコツと学芸会の出し物のごと
     
     

184. 何本も電話のありぬたて続け滅多になくて家人戸惑ふ
     
     

     10.20
     
     

185. 台風は離れてあれど休校の電話はありて息子また寝る
     
     

186. 停電に驚く息子電話する緊張して待つ我の携帯
     
     

187. 歯科医院待合室の窓の外小屋の屋根飛び壊れるを見る
     
     

188. 台風の中を歩いて買物に行きし息子に枝の飛び来る
     
     

     10.21
     
     

189. 授業終へ会議室にてコーヒーを飲みつつ語る今頃の子
     
     

190. メンバーの意見の相違に悩みたる年の差故か強くも言へず
     
     

191. 読まれずも捨てがたかりし本多く買って帰ると言うは易きも
     
     

192. コーラスの練習今日で最後なり一応決めしアンコール曲
     
     

     10.22
     
     

193. 岸壁に打ちつけられし貴婦人の白き帆千切れ無残な姿に
     
     

194. 重なりし行事は多し学校の小中共に同じメンバー
     
     

195. 外壁の二度も壊れし体育館来客あれば急ぎ補修す
     
     

     10.23
     
     

196. 菓子作り友は夢中で準備する深夜2時まで寝不足の朝
     
     

197. お喋りの花を咲かせてする作業大変なれど楽しくもあり
     
     

198. 本番を明日に控えて子どもより親のほうこそ興奮しおり
     
     

199. 台風の過ぎ去りし後大地震自然災害何故か重なる
     
     

     10.24
     
     

200. 歌よりもパフォーマンスの大ウケで笑ひのうちにコーラス終へぬ
     
     

201. ひと仕事終へて安堵の打ち上げは年齢（とし）の話に盛り上りおり
     
     

     10.25
     
     

202. 眠たさを堪えて聴きし講演は絵本を並べ大事さ語る
     
     

203. 質問のコーナーになり人からの読み聞かせせよとプレッシャー受く
     
     

204. 指揮をする息子の昨日を見し後に娘の姿をビデオに探す
     
     

     10.26
     
     

205. 主無き庭よりほのかに漂ひし金木犀の季節巡りて
     
     

206. 童等とカルタを作る明日のため五十音書く色とりどりに
     
     

207. 掛け算を習い始めて空んずる息子二の段考え考え
     
     

     10.27
     
     

208. 見学の入れ替はり来し教室で二度目になりぬ一日先生
     
     

209. さまざまなイメージ見せしカルタかな「また作りたい」感想嬉し
     
     

210. 友送る宴は見慣れしメンバーで九年の日々の思ひ出語る
     
     

     10.28
     
     

211. 老人と対馬の子等も交はりて共に歩きし4キロの道
     
     

212. 子ども等の張り切り投げしボール逸れペットボトルのピンは倒れず
     
     

213. 秋晴れの長串の山に響きしはウォークラリーの楽しき歓声
     
     

214. 遠足で独り帰りし山道を「乗りませんか」と人は気遣ふ
     
     

     10.29
     
     

215. バザーでの収益ありて新潟の被災者のため一部送りぬ
     
     

     10.30
     
     

216. 引越しの友を見送る子も親も別れを惜しむ涙止まらず
     
     

217. 語りせば涙になると道端で手を振る人も目を潤ませり
     
     

218. 会長のなきこの数ヶ月ふたりで頑張る卒業式まで
     
     

219. 子の命救はむとする隊員の尊き決意画面に漲る
     
     

     10.31
     
     

220. 別々の部屋で遊びしそれぞれに友は来たりて休日の午後
     
     

221. 母と行く買い物いつも行く場所は決まりおりける100円コーナー
     
     

222. 試さむとネットでビーズ注文す送料要らぬ5000円分