あをもじ2003

最終訂正日03年12月31日




    2003.10.30

  1. 暗き窓透かしてとおし三日月の可笑(わら)ひてやおりエアロビの夜

    11.4

  2. 並びぬる水蜜ふたついとおしや何にもまさる我が宝なり

    11.5

  3. 起き抜けに朝未だ暗き霜月の表戸を開けオリオンに逢ふ

  4. 雨の音BGMに聞えぬる心地よきかな午後のひととき

    11.14

  5. 時差ありて届きしメール今開く君の昨日を我に教へり

  6. 鮮やかな紫芋のきんとんを人は呼びけり魔女の弁当

    11.15

  7. 探訪は中止なりたる雨音に我にしあればうろこ雪降る

    11.16

  8. 確信と不安をふたつ天秤にかけて開けたる発表の窓

  9. 電報も貼り紙でもなし今日(こんにち)はクリックして見る合格発表

  10. 我が娘の永き三歳を振り返りあの日の涙無駄にはならじ

  11. 合格を伝えし父母の目に光る安堵の思ひ心熱くす

  12. うろこ雪我待つゆきと違うれど季節はずれに降るもをかしき

    11.18

  13. 古の管公偲びつ梅ヶ枝の餅を食むとて味は変はらず

  14. 飛び来たる梅を思はば我もまた風に乗りたし雪の下にも

    11.19

  15. 今朝もまた吾子の弁当作りおり何と言うらむ紫のパン

    11.23

  16. 子どもらの熱演見おり落語劇メール届きて不思議かりけり

  17. 忘れざるうちに一気に言ひ終えてホッと安堵す寿限無かな

  18. 台詞飛びアドリブ返し出番終へ幸いなるかな老婆なりせば

    12.1

  19. ゴミ捨てに行ったら四つの芋GETちょっと得した月曜の朝

    12.14

  20. それぞれの趣向凝らした家の窓星は輝きサンタも微笑む

    12.18

  21. 今日もまた光のはしご降り来たる海の向こうは君待つ町か

    12.20

  22. それぞれに表情違ふリースでき喜ぶ顔に責任果たしぬ

    12.23

  23. お洒落して師走の街を歩けども慣れぬヒールに足痛むなり

    12.24

  24. 雪降らずミサにも行かぬ我等にもクリスマスは来てケーキ食べぬる

    12.25

  25. 冬枯れた木々の梢に風吹きて烏飛び立つ何をか咥えて

    12.27

  26. ようやくに片付け始む歳の暮れ苦手なりせば子等にさせぬる

    12.28

  27. 餅つきに孫の4人の集ひ来て加勢はせずとも父母は喜ぶ

  28. 仕事中オコワ食べたき弟は来れど叶わずあん餅のみか

  29. 年賀状刷りおる半ばにインク消へ慌てる我は常と変はらず

    12.29

  30. 遠浅の松浦(まつら)の浜の色碧し君の写真と重なりて見ゆ

    12.30

  31. こっそりと君に見せたき景色をば隠れて撮りぬ墓参りの朝

  32. いよいよに暮れおし迫る車列から小船浮かびし平戸瀬戸見ゆ

  33. 旧式のカメラ構へる我の横携帯電話向けしカップル

    12.31

  34. 洗車した翌日雨降り空見上げ恨めしきかな予報外れて

  35. 買ひ忘れ知らずに行きしスーパーは3時で閉まり町外に出る





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