がじゅまる2004-VI
究峰
最終訂正日 2004年 12月31日
2004.11.2
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狂歌てふ詠う人なき歌ありし古典を読めばおかしくあれど
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突然に繋がらざりしネットなればあれこれ思へどすることもなき
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雷のADSLのモデムをば破壊すること良くあると言ふ
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山歩き携帯電池切れたれば歩き終わらん時ぞ長かり
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充電の出来ずにありし携帯でいつの間にやら戻りし画面
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少しだけ歌人となりし気分をば味わひておりページ登録
11.3
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詠まざりて過ごせる日々の続きたる詠まざる日々も変わらぬ日常
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熱意をば空回りにはさせじとぞ思ふ心に浮かぶ淀みよ
11.6
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葬礼に魚を食べおる慣わしの柏の地では神道葬なり
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厭わずに教える気力尽きたるやPC初心者努力をせねば
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同じこと繰り返し問ふ同僚に己の仕事滞りてあり
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次々と日刊メルマガ出しており継続の危機身にしみたれど
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空想に浸りて遊ぶメルマガのいつまであるや覚束なきかな
11.7
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楽しみであらずになすクリックは疲れを覚え眠気を誘う
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活動の範囲を広げ今更に驚きたれど戻る気はなく
11.8
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警官を見ては怯える娘には異国の景は同じであらず
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火曜日に仏を祝す習ひをば異国で守る娘の信仰
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ジョージアの底に付きたる万歩計当たりし友が我に持ち来し
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裏通り東公園車中にておでこにキスし別れる娘
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見ておると告げる知人のありたれば励みとなりぬ新聞投稿
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他所にては繁ると聞きしあわだち草島の野山はすすきが揺らぐ
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木立から草叢からと羽ばたきて我が足音で鳥は逃げ行く
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つわぶきの黄の色目立つ浜辺にて波ひとつなき海を見ており
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西の陽を鏡の如く映しおる海面に寄せるスクリュウの波
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遠景を眺めてみれば歩きたる長さを思ひ脚も軽けし
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週一の長きウォーキング出来しまめつぶれぬままに治りてありし
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人住まぬ家の傍にも紅カンナ咲きてありしは主を待ちしか
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西の陽を映す海面の輝きが我と歩みて離れずありし
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屋根上に媼の上る浜辺景見ている我がはらはらしおり
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ウォーキング大橋過ぎて送迎のマリアの園の車に会へり
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万歩計長きコースのウォーキング計りてみれば12000歩
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花ふたつ今日覚えしは歌詠みの我に与えし贈り物かな
11.9
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大笑ひしたる英語のジョークあり何故に笑ふやよくは分からず
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乙女らは街の隅にて腰おろし高き声にて話しておりぬ
11.10
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借りずとぞ思ひて行ける図書館で残り少なき郷土本を借る
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古里の想ひを歌に詠みし人その切なさを我が今読む
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それぞれの歌詠みありて我もまた己がために詠ふのみなり
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ワープロで作りしなるか河童の本寄贈したるを我が借り来る
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晩秋に大雨ありて暖かし半袖の子ら混じりて通ふ
11.11
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メルマガを検索して知るランキング我が出しおるは四つを数えし
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徒に苦をば求めて先見えぬネットビジネスの真似事しおり
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楽しみにあらざるネットで疲れし目労る間なく作業を続く
11.13
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集ひては道端の缶拾ひゆく子らに会ひたる土曜日の朝
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マリア像見下ろす道の崖下で釣りする人を木の間に見たり
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ウォーキングを終えて憩えるJA〔ジェイエイ〕の倉庫の裏で海を見つめおり
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マンションの廊下を駆ける女あり挨拶すれど足音高し
11.14
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言葉こそホモサピエンスを分けたりしネアンデルタールは消えて逝きたり
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人類の進化の歴史奇跡にて種の頂上にたちし人々が生きる
11.16
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オンライン囲碁を楽しむひとときをふたとせぶりに君と味わふ
11.18
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歌詠みに倦みし心の無かざれと思ひてあれど泉は湧かず
11.19
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朝の野にクルルゥクルとぞ響きたる雉の鳴き声続くは寂しや
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島に住み海に沈める太陽を見しこと無くて今日も赤かかり
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冒頭の文のみ知りて会えざりし物語をば読み終えたりし
11.20
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車停めきんなご網代への道を聞くおうな三人行き着けたるや
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迷ひしや追ひつきたりて又尋ぬいかなる事情あるや知らねど
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戸岐港に歌は響きて移動スーパー今日も波止場で客を待ちおり
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庭先でかんころ作る煙立ち棚は黄色き宮原なりし
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峰々を越えてゆきたる高圧線遠くに見ゆが我が歩くとこ
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空のまま行きも帰りも出会ふバス島によくある見慣れし風景
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桃色の椿が植わる峠道仙人の住む小屋と名づけし
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怪我せしや道の蟷螂触れども気配はあれど動かずにあり
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部屋にいて出来ずにありし歌なれど自然の中で自ずと出来ぬ
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すすき原知らず知らずに探しおり泡立ち草という名の草を
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ガードレールに二十枚もの寝具をば今日も干しおり山路なれど
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ココア飲み奥浦湾を眺めては歩み終えたる余韻を味わう
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ピンク色小さきフェリーが揺れておりひさか丸今休みのとき
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幻想とブラックユーモアの作家ありサキの書きたる文は難し
11.21
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若者の詠める感性ほとぼしり感心しつつ画面見ており
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君の名の画面下にぞ流れたる送りてきしと違えるごとし
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おやここにいつの間にやらコンビニが出来ているなり客はおらねど
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郊外に人が溢れる日曜日街中入れば空店舗めだち
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閉まりたる郵便局の日曜日駐車場のみ満杯なりし
11.22
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大瀬崎荒波襲ひ転覆す作業船は守りきれずに
11.23
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こぞの今日ひとつの別れありたりて合点の行かぬ時も過ぎ去り
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しんしんとただしんしんと更けにけり故郷の夜街灯あれど
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災ひは連れてくること不可思議で生と死とは紙一重なり
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仕事時未登録済み電話にて友が知らせる突然死かな
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元気にて街まで行きしその夜に看取るものなく風呂にみまかる
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故郷の夜は更けゆき天空のまぶしき星は昔と変りて
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思ひ出を語り明かして小夜中に横になれども瞼閉じざり
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山村の夜のしじまは街中と異なりてあり深く潜みし
11.25
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山間ひの裾野に広がる二本楠朝もや続きワイパー忙し
11.26
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断れど古翁が与ゆ鹿の骨完璧な角と頭をとどむ
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頓泊(とんとまり)道に迷ひし鹿なるや長き二本の白き角骨
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生命の消え行くときの不思議さを禅僧語る葬礼の時
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魂の重さを語る禅僧の静かな声が講堂に響く
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古里の跡をば詠みし若き頃自作の歌をば翁は朗ず
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初めての顔も混じれる葬列に秋の日差しは暖かくあり
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寝ざるまま公民館の部屋を出て歌を編みおる小夜の闇かな
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ぬばたまの闇が迫りし街灯に昔と変らぬ深きしじまよ
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山村の地下を貫くトンネルに人の暮らしも変りてあるや
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神経は研ぎ澄まされて眠さをも覚ゑずありてただ横になるのみ
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パソコンもネットも縁なき三日間生きるてふこと味わひてあり
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酒飲みは酒をばやめしと言ひしかど例外なるや精進明け時
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年老ひて弱くなりたる酒飲みは少しの酒に顔を赤くせり
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山中で椿の木より落ちたりて動けぬままに過ごせし人あり
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たまたまに山中で見つく人あるは不仲なりし隣人なりし
11.27
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メルマガを三日休みて発行しよふやく戻る日常かな
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詠はんと思ひてありし数々の想ひはいずこ消ゑてありしや
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陋屋の家なりしが梁材の太く曲がるは珍しとかや
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台風に備えて屋根を補修して数ヶ月後に叔母は身罷り
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葬列に加わる義兄は己が死を身近なものと覚ゆと言へり
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大山祇社の傍の杉林は桜となりて広々としおり
11.29
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喪主おらず僧も驚く急死にて山の夕べに枕経響く
11.30
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仕事場の廊下に飾るクリスマスツリーのネオンが今年も輝く
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秘密をば語りあひたる乙女らの声は高くて筒抜けてあり
2004.12.1
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朝と昼サイレン響く山間のけたたましさに驚きており
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忙しさ求めおりしや師走月ひとひに文を五つ六つ書きて
12.2
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丸木橋欄干の上きびなごは川吹く風で天日乾しなり
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お笑いの貧乏話少年が切に勧めるテレビ番組
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年賀状欠礼知らす葉書にはめでたき名前並びてありし
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一月前ネットを初めし友なれどタイ音楽のDLをしたきと
12.4
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餡入りの芋餅二つ食べにけり日頃は芋を食べぬ我なれど
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切なさの伝わり来る文読みし乙女の悩みリストカット傷
12.5
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古きPC隣の部屋に移してはネットが出来るや試してみたり
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師走月日本各地で最高の風速ありて夏日もありと
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いろいろと予定をたてし日曜日何をするなくただ過ぎ行きし
12.6
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細長く深き翠の奥浦湾薄青の天と交わる久賀島(ひさかじま)見ゆ
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水仙と野菊が群れて魚神坂百舌もさえずる小春日和かな
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波洗ひ油の黒さなくなりて小学校前の海は澄みたり
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薄青の広がる空を吸う如く深緑なる海は静まる
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収穫の終わりし畑は黒々と又に備えて休みてありし
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カラス二羽人の通らぬ県道で我が物顔で遊びておりし
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桃色の椿はいつか萎れおり実結ぶを待つ仙人坂や
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すぐそこの杉の木立で大声で鳴きしカラスは飛び立ちもせず
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おやここで始めて見たる人影はオウナが二人談笑しおり
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戸岐湾の奥深くにも木霊するモーター音あれど姿は見えず
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切られたる竹が数本横たわり傍の若竹命に溢れ
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汗ばみし小春日和の故なりや知らず知らずに森をば歩む
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急峻な坂道でなく安らぎの森の間を今日は歩めり
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百足やら蚯蚓やらもが生終ゑし森はいつもと変わらぬ如し
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崖下に無惨に捨てし冷蔵庫錆びざるままに隠れてありし
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物思ひ耽りて歩み気がつけばいつしかコースも終わりに近く
12.7
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暖かき冬雨の中真紀丸はペンキを終えてドックに聳えし
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パトロールの警察車のすぐ後を制限速度越えて走れり
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玄関で出会ひし官は車庫までをヘルメットつけろと言ひしとぞ聞く
12.9
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単調な時の過ぎ行く日常にふと湧き出でしふつふつたる想ひ
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夢想にてあれもこれもと想ひ出づ淡々なりし時に倦みしか
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メルマガを発行して知る世の広さ反応来たり我が無知を知る
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妄想に手綱を締めよとふと思ふ我が構想の果てしなくあれば
12.10
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子鹿より育て上げたるいつとせの思いを浜に埋めしを聞けり
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高浜のトンネルの上暗闇に光るまなこは鹿の群れとぞ
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女との口づけなどの話しする友は忘れし年経ることを
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小額の振込みありし通帳をATMの前で確認したり
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歩きたき心を抑え篭りいて十二の文に時は過ぎけり
12.11
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増え続くファイルの中にひととせの我が想ひをばとどめてありし
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馴染みなき名前もやがてなれるらん校名新た海洋高校
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このところ毎夜聞こえる救急車今日も寝覚めて思ひを馳せる
12.12
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音もなく土に沁み込む冬雨に薄桃菊の色蘇り
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友の死に泣きて過ごせる日々なりと叔母は電話でかすかに笑ふ
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幻想の島の世界を作らんと新たなページを一気に作り
12.13
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戸岐向二人の客を降ろし終えバスは空にて大橋に向う
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からす二羽道の窪みにたまりたる水を飲みては鳴き声放つ
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ひときわに朱色を放つはぜの木が風にそよげる峠道かな
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枯れしシダその上にまた生えきては幾層なるや森をなしたり
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道草の幼き子らは我を見て慈恵院坂登りて行きし
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月曜日引き潮なりし昼下がり座る釣り人処々に見たり
12.15
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門松とイリュミネーションの夜の街忘年会を楽しむ人ら
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ポンカンの歳暮が届き食べてみる蜜柑と違う味わひなりし
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初めての試みなれば写真入りメルマガテスト繰り返しおり
12.16
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何度目のホームズなるや味わいて挿絵を見つつ楽しみており
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ゆとりある教育なりと自慢して学力低下うろたえており
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祖母が云う言葉分からぬ子らのため通訳しおる母がいるかな
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朝のとき読書しておる友の中カバーを隠して漫画の乙女
12.17
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早朝に目覚めて書ける文なりし日刊メルマガ予約なければ
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新刊の本は見もせで目的の二冊のみをば借り来たりたり
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来る年を見据えて誓ふ思ひあり継続するを忘るなかれと
12.18
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裏通りデイサービス車に清掃車通り抜けゑず車を退く
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川沿いに海を目指して飛ぶカモメ白き羽をば冬雨が濡つ
12.20
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我が歌を整理して知る歌詠みの短き時はひととせ余り
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詠ひしと思ひし景のあらずして写真を眺め心馳せたり
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荒波に惹かれる心文明と名づくるものを時に拒みて
12.21
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理髪店女主人はパソコンと過ごせし日々をようやく語り
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外海の波の荒きは色に出て深き翠は黒と紛らふ
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人気無き草原の中風音はかんころ棚を吹き抜けており
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嵯峨の島近くて遠き流人島荒波たちて逃げる能はず
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美しき名をば持ちたる島や瀬はいにしえ人の憧れなるや
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伝説の残りし浜を目指したる難民船も今は昔か
12.22
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パソコンが変われば表示も変わりたる奇妙さの謎未だに解けず
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真夜中に一気に仕上ぐエッセイを載せて出したる幻想なりし
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追われつつ騙し騙して至りしが疲れを与ゆ日刊メルマガ
12.24
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路地裏で堅くなりたる白猫の青き瞳は生きたる如し
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新生のホークス生まると報じたるニュース画面をサーフィンしおり
12.25
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年末に家の修理が加はりて正月はまだ先の如きや
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文を書き下に降りては書き継ぎて今年はかくて終わらんとせり
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天井の張り替え済まず別室で一夜を過ごす母のベッドかな
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妹は思ひがけざる金額を娘が送る文をば見せつ
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父親に初ボーナスにてパソコンを買ひ与ゆてふ青年のおり
12.26
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改修の工事のために忘れおり高校駅伝諫早高校
12.27
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我が心詠ひし年の投稿は最後を飾り年を持ち越す
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餅搗きにてんやわんやで過ごしたり今年もこれで止めんと思ふ
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古家の見違えるほど変わりけり数日の補修工事終わりて
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子供らと暫し遊びし感じする古典を読みて朗じておれば
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せわしさの続きておれば手をつけぬ年賀状は買ひ置きしまま
12.28
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話しつつメルマガ上げて間違ひて不注意なりし我を恨みぬ
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年賀状書かざる時のせわしさにゆくりと文を書く間も無かり
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災の年国の内外多難なり年の明くれば如何になるらん
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早朝に目覚めて文を書きおりて続きし日々の不思議でありし
12.29
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年賀状二日を残し書き終ゑぬ今年の暮れは余裕が出来し
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一年の投稿の跡振り返り新たなファイルパソコンに作る
12.31
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災ひの年の終わりに我が身には眼鏡と歯とが毀れ落ちたり
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大雪の大晦日とぞ報じられ島には降らず今年も暮れる
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様々の想ひを果たし過ぎて行く年でありせば満ちたりており
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歳末の予定は狂ひ無為なりきされど心は穏やかなりか
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永き時経たる如くに思へども今よふやくにひととせを終ゆ
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紅白も映画も見ずに浸りおる想ひの中で年を越しゆく
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何もせで想ひておれば風音のきしみてありて年は過ぎ行く
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蟷螂が肩に止まりて慌てしか車は壁で大破せしとか
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雨の朝島に着きたる太古丸若者を迎ゆ人はおらずて
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浜松で始めて迎ゆ正月に女は一人島を味わふ
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