機を織る
最終訂正日 2006年 2月2日
2006年1月
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三十年昔に戻り語りたき君と未来を初春の日に (よ)
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三十年経ても未来を夢みるは未熟者なる我が定めなりしか
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窓ガラス結露に夢と書いてみる雫となりて流れ消えゆく(よ)
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森の中歩き疲れて生き返る葉より滴る雫を飲めば
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日曜の朝はしんしん森となる凍てる空気にわが足音のみ (よ)
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苦しげな母の息遣い日曜の朝の救急車我が家で停まる
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雨に濡れ始発の駅に震えいる母が血を吐き倒れしと聞き (よ)
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年老いし母の見る世は我らとは違ひてあるらん見えざるもの見て
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【重要】の朱文字目をひくダイレクトメール封も切らずにシュレッダーにいく(よ)
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重要と思ひしことのいくつかを脱ぎ捨てたれば何が残らん
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しがらみという衣を脱げばタンポポの綿毛となりて遠く遠くへ(よ)
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しがらみを捨てんと思ひつ生きたれど生きる全てがしがらみなれば
2006年2月
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しがらみを棄てて私を生きなおすドラマの筋書き新たにして (よ)
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人生の定めが見えぬ筋書きを跡見て消せぬ時も間近か
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