US News July 7  BEST FIVE


みなさん、こんにちは。

US News July 7を少し読んでみました。今週号は充実しています。最新武器情 報と法律・裁判関係が読みたい記事の中に入っていて、読みかけたのですが、 基礎知識を確認しないと感想もなかなか書けませんので、さしあたりは一般的 な記事から書いておきます。

1. 人種融和策についての編集長の意見
2. 死海文書が教えるもの
3. 火星探査機7月4日、火星に着陸
4. 性犯罪者への再犯防止策
5. 議会に逆らう裁判所

5は法律・裁判関係の中では小さな記事なのですが、他の記事を読めないかも 分からないので一応あげておきます。

1. 人種融和策についての編集長の意見
BY MORTIMER B. ZUCKERMAN / EDITOR-IN-CHIEF
The route to racial healing
Better schools, not a system of preferences, will help everyone get ahead
クリントンが過去の奴隷たちに謝罪したのは、無意味だったとするUS News 編 集長Editor-in-Chiefの記事です。実際に巻末にあるのかどうかは分りません が、毎回執筆者は違っています。TIMEのESSAYのような感じです。

黒人たちは未だに差別を感じてはいるが、その実状はキング牧師の時代とは違 う。74%の黒人が生活内容に満足し、黒人の所得・平均寿命・高校卒業率は上 がり、犯罪・福祉依存率は低下し、結婚外出生も落ちついた。このときに当た って、クリントンの発言は寝た子を起こすようなものじゃないかと言いたいよ うです。黒人がチャンスをつかむ条件は整った。今はさらにいっそうの平等な 社会を実現するためには、教育を充実して、個人個人の努力が実を結ぶような 政策を打ち出せと言っています。Affirmative Actionは廃止せよと言うことの ようです。保守本流の意見でしょうが、確かに少数民族が、教育の機会均等を 奪われているとは、アジア系の実績を見る限りは言えない。少数民族(主に黒 人にたいしてでしょう)preferencesをとり続けることは、かえって逆効果だ。 現代はもはや奴隷制、Jim Crow, brutal discriminationの時代ではないのだ から、そうした政策をとり続けることはかえって黒人の自立心を奪うだけであ って、無益だと言うことです。一理あります。

そして6年以内に大学を卒業する割合が出ていますが、黒人の割合は30%から35 %,アジア系は3分の2とあります。だから白人による抑圧ではない。このへんを UPさせる、努力をしろということでしょう。affirmative actionの恩恵を被っ て大学に入ったものの、卒業する割合は低いということでしょう。このへんは 前に読んだ記事と、少し矛盾するところもありますが、確かに人種間の対話が 落ちついて出来る、ところまでは来ているようです。

2. 死海文書が教えるもの
The reason God tested Abraham
And other revelations from a half century of Dead Sea Scrolls scholarship

1947年に羊飼いの少年がたまたま紛れ込んだ洞窟で、死海文書を発見してから 50年。その解読作業の結果が、最近になってようやく発表されてきているよう です。多分これは完全な複写本も以前出たと思っていましたが。その断片内容 から分かってきたことのいくつかです。

*聖書はいくつかの版があった。ユダヤ教の教えも統一されていなかった。キ リスト教は考えられていた以上にユダヤ的であった。

*ヘブライ版の聖書は驚くほど、最初の状態を保存している。例えばイザヤ書 は、現代版とはわずか13の小さな違いがあるだけだ。(死海文書にイザヤ書の どれだけが含まれているのかは分かりませんが)

*当時聖書の決定版といえるものはなかった。新しい神学上の成果を取り入れ て、絶えず改訂されていた。

*死海文書の中で、聖書のテキスト(800のうち約127が聖書のテキスト関係)の 約半分は、現代版聖書にはないか、カットされたものだ。===>例えば詩編の9 つの詩。あるいはマタイによって、キリストの出現を予言していると言われた もののうち、今まで存在が確認されていなかったNazorean。

*有名なAbrahamがわが子Issacを生け贄に捧げる記述は、何故神がそう命じた のかが説明されていないが、死海文書によれば、Mastemathとかprince of malevolenceとか呼ばれる悪魔の存在があるようです。そうだとするとヨブ記 の主題にも通じる。

*誰が死海文書を残したのか。普通はエッセネ派と考えられていたようです が、もしかしたらローマ軍のエルサレム侵入に当たって、急遽洞窟に運ばれ隠 された可能性も出てきた。そうだとすると、これはユダヤ主流派の文書と言う ことになる。ユダヤ教は学者が考えていた以上にいろいろな考え方が共存して いた。

*「神の子」とか「最も高貴なるものの子」とかキリストの生誕をにおわせる 表現が見られるが、そして多分これが原始キリスト教と関係があるとも見られ ているようですが、こうした考え方はパレスチナの土壌の中で育ってきた。キ リスト教はユダヤ教とギリシアの中から、生まれたのではなく、アジアの中で 生まれたということです。これは当たり前とも思えるのですが、西洋がユダヤ 人に対して偏見を持ち続けたことがこうした考え方と関係があるのかもしれま せん。

3. 火星探査機7月4日、火星に着陸
A drive on the red planet
July 4 is D-Day for Mars Pathfinder, the first of a new breed of explorers

7月4日、アメリカ独立記念日の東部時間正午に、火星探査機が最初の惑星hard landingを試みるようです。クローン羊Dollyよりも、人類の未来にとっては 大きな事件かもしれないことが、あと数日で分かる。私はこんな話は全然聞い たこともなかった。アメリカがわざわざ7月4日を選んで打ち上げたこの探査機 はSojournerといわれるroverは、おもちゃみたいに小さなものですが、あちこ ち歩き回って、1週間くらいデータを送ってくる可能性がある。

76年の2つのバイキングはsoft landingと呼ばれる方法で、今回のは経費節約 のためか少し手荒な着陸方法のようですが、うまく行けば火星像の修正が必要 になりそうです。赤い空の火星ではなく、白い雲の浮かぶ青い空の火星のイメ ージかもしれません。打ち上げられたときは、気象観測などが主な目的だった ようですが、去年の生命体を含んだ火星からの石が新たな希望を持たせた。そ れに人間移住計画の可能性。うまく行けば2011年か2018年に人を火星に向け て、送り出すようですが。

なおもし成功したら、次々に送られてくるデータは次のホームページで見れる ようです。http://mpfwww.jpl.nasa.gov

日本時間では5日ですから、あと3日。成功して、Big Newsになればいいのです が。

4. 性犯罪者への再犯防止策
TIME WEB版でも読んだ常習的性犯罪者に対する最高裁判決の記事ですが、これ はもう少し内容的には大きかったようです。TIMEはカンザス州法の合憲を認め たことについて触れていましたが、そうとは限らず性犯罪者の処罰・待遇を各 州に任せるということのようです。こちらではアリゾナの例が詳しく書かれて いますが、かなり厳しい。こちらでは精神矯正施設には入れられないようです が、一生を保護観察・うそ発見器・plethysmographの検査で送らなければなら ないかもしれない。6カ月の刑期を終えて、6カ月のfurlough,そして一生の保 護観察という例もあります。18才になったばかりの青年が合意の上で13才の少 女と関係をもったとしても、この適用を受ける。かなり厳しい内容です。しか し刑務所に収容するとしたら、1人あたり$16,000かかるのが、$1400ですむと 言うことですから、こうした制度が各州に普及するかもしれません。

5. 議会に逆らう裁判所
THE LAW
Taking Congress down three pegs
最高裁がわずか1週間のうちに議会の3つの法案の無効を言い渡したようです。 the Religious Freedom Restoration Act,the Communications Decency Act, the Brady Act ruleの3つです。最近は増えているらしいですが過去の例に比 べても、少し異常です。Warren Burgerが最高裁判事だった17年間には32件と あります。 議会が人気取りだけの法案を作るのも問題でしょうが、日本とは 大分違います。日本は違憲判決は、あまり出ませんから。法令審査権の機能は 働いているのでしょうか。

残りの読みたい記事は、いずれも頭が痛くなりそうなのばかりですので、ど うなるか分かりません。

YUKI



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