教師解雇の昨今事情(7-20)


*Ever Try to Flunk a Bad Teacher?

教師としてふさわしくない人をやめさせるのには、手続きを簡略化すべきかと いう話題です。

Clementine Johnsonは6年前タイピングを教えていたようです。(学年不明) 生 徒たちが本を投げ、タイプライターを分解し始めたら、制止するどころか、自 分も楽しくその騒ぎに加わった。(^o^) tossed backとありますから、 typewriterの分解をしてその部品を投げたかどうかははっきりしませんが、多 分タイプ教本を投げ返したのでしょう。校長が、彼女の授業をunrulyと言った ときの、彼女の反応が面白い。自分の代々の骨の遺伝子の中にとりついている 霊魂 living flesh on my true hereditary genes bonesについて手紙に書い てよこした。そしてあげくは自分の姓をJohnsonからGodに変えてしまった。変 わった先生もいればいるものですが、アメリカではやはり簡単に名前を変える ことが出来るようですね。

Ms. Godを解雇することは簡単なことno brainerのように見えたが、そうでは なかった。その後1年間は、教職にとどまった。どうやら解雇手続きは、なか なかやっかいであるらしい。もちろんTIMEも書いているように安い給料で一生 懸命がんばっている先生がほとんどでしょうが、どう見てもおかしい教師を解 雇する手続きが、なかなか簡単にはいかないらしい。

フロリダの去年の教師解雇率は0.02%だそうです。別の数字としてイリノイ州 の10万人のtenuredの公立学校の教師のうち、1991年から1997年までに解雇に なったのはわずか44人。1年に6〜7人ということのようです。どうやらこの tenure身分保証のある教師は簡単には解雇できないようです。州によって違 いはあるものの、3年間の教師としての在職期間を有すれば、この資格を得る ことが出来る。

tenure身分保証を与えられた教師を解雇するには手続きが難しくなる。校長は いくつかのレポートを提出しなければいけないし、1年間の猶予期間が認めら れているし、さらに裁判などの手続きなどもある。だから、1人の教員を解雇 するためには、1年間の給料を払い続け、代用教員を雇ったり、弁護士費用な どいろいろ合計して137500ドルの費用がかかる。

もちろんこの身分保証制度は悪い面ばかりではない。裁判官や大学教授にも適 用されているし、特にアメリカの場合creationism創造説を教えない科学教師 たちを守る役目も果たしている。

しかし最近アメリカでもいろんな事件が起きているようで、解雇手続きを簡単 にしたり、場合によっては身分保証そのものを廃止する動きも出てきているら しい。それに解雇のための聴聞までの猶予日数は、フロリダでは90日にする予 定だし、ニューヨークはすでに60日以内と決めているようです。サウスダコタ は1995年に、身分保証の制度そのものを廃止してしまった。

どうも全体的に、教師が手厚く保護されていることへの不満は全国的に高まっ ているようです。しかしTIMEに書かれている不祥事の例は、Ms. Godともう1人 書かれているのですが、私にはそんなに全国的に話題になるようなこととも思 えないのですが、アメリカでは倫理規定が厳しいのでしょうか。それとも例え ば犯罪に関していたら、そもそも身分保証の制度は最初から適用されないのだ ろうか。なおもう1人の先生は、生徒のカンニングを助けた事例です。

日本でも、小学校でさえも、学級崩壊とやらが話題になるこの頃です。日本の 場合でも、競争原理は、確実に入ってくるでしょうね。今朝のニュースでも、 熱意のある先生と無い先生の給料やボーナスが全くいっしょというのはおかし い、とか言っていたような。



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