冷凍受精卵の行き先は?(4/6, Greeny)


みなさま、こんにちは。

TIME.US版(4/6)から、再び 冷凍受精卵についてのレポート。 アメリカからです。

Test-Tube Tug-Of-War 「冷凍受精卵は 行き先は?」
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When a couple splits, who gets the embryos? New York's highest court will have to decide.

夫婦が離婚した場合、冷凍受精卵に関して、どちらに決定権があるのか、今回 重要な決定がニューヨーク州最高裁(New York's highest court)で出されるそ うです。

問題のもと夫婦はAmityville,N.Y.の Steven(現在38才)とMaureen(40 才)。5年前に離婚。Maureenはこれが子どもを作れる最後のチャンスと、二 人の受精卵を使って再度 体外受精を希望しているのに対し、別れた夫の Stevenは 離婚した妻の子どもなんか絶対欲しくない、研究に寄付するべきと 主張。法廷でずっと争ってきたようです。

今回だされる裁判所の判決は 今後の同様の裁判の行方を左右しうる重要なも のとなるみたいです。

というのも、この問題に関しては 未だ 他の州でも きちんとした決定がほと んど されていないということです。 テクノロジー、科学の進歩はあまりに早く、法制度がそれに対応できないでい るみたいですね。特に artificial reproduction。。。(reproductionは妊娠、出 産に関する問題を言うようですから、いわゆる体外受精、人工授精のことなど 指しているのでしょう)。。。この分野での科学と法のギャップが一番 大きいと あります。砂一粒ぐらい小さな冷凍受精卵が 今 8万から10万あるという予 想され、そのうち、2千は 今回と同様 法の判断を待っている状態なのかな? legal limboとありますから。だが、現段階では、いまだきちんとした判例が ないし、統一シタ見解も出せないでいるみたいです。

だから、今回でも 裁判所は 受精卵を命がすでにあるとみなすか、単なる生命 のない財産とみなすかの判断に、過去2度の判決(多分 下級裁判所、高等裁判 所グライナカ)でも 揺れてた、つまり反対の決定が出たということが、次 書かれ てありました。

以下、二人の出会いから、裁判までの経過です。
ここら辺り読むと、そもそも この夫婦は愛情によって結ばれたのかな??と 思ってしまいますが。。。
記事によれば この二人の出会いは1986年、友達の婚約パーティー。デートを 重ねるうちに 子どもが欲しいということで意見の一致をみ(^^; 結婚したとい うことです。ところが、この二人 子どもが出来ず、5年間も $75,000(750万 円ぐらい?)費やして Maureenは Long Island fertility clinic(不妊治療専門 クリニックでよかったかな(^^;))で少なくとも 冷凍受精卵を9回は移植した らしい。だが、すべての努力は実を結ばず、結婚も破局の結末となった。

この750万もの大金を使ったということ、そして9回という数字には ちょっと 驚いてしまいました。体外受精はつらいものというのは聞いたことあります し、この女性 Maureenは よっぽど 子どもが欲しかったのでしょうね。 ですが、体外受精に5年間、そして多分 離婚してから5年間は この受精卵を 使う、使わないの法廷闘争で費やして、失ったお金と時間を思うと、他に選択 肢がなかったのかと、つい思ってしまいます。

記事に戻ります。(^^;
このMaureenとStevenは クリニックへの同意書には 使わなかった受精卵は研 究用に寄付すると サインしていたのですね。 ですが、Maureenが離婚の訴訟を起こす1ヶ月前、クリニックに受精卵は廃棄 しないで欲しいと頼んだということです。 彼女の弁護士によれば、受精卵を作り出すのに 夫は精子を提供しただけ。な のに彼女は外科手術をせねばならなかった。(針を指して卵子は採取するよう ですね。)卵子を取るのに 非常に肉体的にもつらい思いをしてきた。で、こ れが彼女が自分と血のつながったベビーが持てる最後のチャンスかもしれな い。

だが、これが Stevenにはどうしても認められないこと。 というのは、ニューヨーク州法によれば、ベビーができれば 彼も赤ん坊に対 し、経済的責任を負わなくちゃいけなくなるから。 加えて、彼は もう Maureenにこれッぽっちも愛情を感じていないのかな。 "I don't want my kids being brought up be her" "I don't want them to have her input"と言っています。(^^; せっかく離婚しても 受精卵がついてまわる。 いい加減、解放してくれや。。。 という感じでしょうか。

この争い、裁判所ははじめ Maureen側を支持する決定を下してます。 一旦、受精卵ができれば、その方法如何に関わらず、すでに人間の命ははじ まっており、その決定権は女性側にあるというもの。 が、次の裁判(intermediate appellate courtとあるから、日本で言う 高裁み たいなもの?)では、受精卵をヒトとは認めず、そして 二人がサインした 研究 用に寄付するとした同意書を重視して、判決をくつがえしています。

さて、最高裁は どちらに群は軍杯をあげるのか。 判断が迫られているということで。。。今の裁判官も大変ですね。 コンピューターの勉強から、医学の知識まで なくちゃいけない。(^o^;

ところで、最後のソロモン王のことに触れているところ、よく わかりませんで した。
Courts usually try to be Solomonic in their decisions, but in the Kasses' case that may not be enough. 確か、ソロモン王の判決は 鮮やかだったのでしたっけ? Solomon had to decide the fate of only one baby, and it was alive. とあるけど、これ 二人の母が赤ん坊を争った話のことだった??

この筆者、今回 最高裁の判決が そう鮮やかにいくとは 思ってないってこと なんでしょうね。

Greeny



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