モンタナの美しき恐るべき人造湖(3/30, Greeny)


みなさま、こんにちは。
TIME.US版(3月30日号)から取り上げたのは American Sceneの記事です。

The Giant Cup of Poison
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
Can an acid pit be mined for valuable metals before it rises too high ?

「モンタナの美しき恐るべき人造湖」

あまり、いい題ではないですねえ。少し、センセーショナルだったかし ら。。(^^; 人造湖と言っても、自然に水が溜まっていったのですが、あえてこの名前にし ました。変ですか? よいのを思い付かれた方、教えてください。

*********************************************************************

アメリカ、モンタナ州の Butte(ビュート)
辞書リーダースを引くと、
《Montana州南西部の都市、4万; 大鉱業中心地》とあります。 ここで、ずっと観光名所になっていたのが、the Berkeley Pitと呼ばれるとこ ろ。(pitは 穴という意味があります)。 そして、今 大問題になっている場所 です。

Butteは、80年前は鉱山の町をして全盛期にあったようです。世界でもっと も豊かな山として知られていたとありますから。何百万トンもの銅が採れたの ですね。その銅で電線が作られ、全米に電気、電話がつながるようになったとい うことです。しかし、それも16年前、巨大な銅の鉱石は採り尽くされ、鉱山は 閉鎖、水を抜くポンプも永遠に閉められた。そして、残ったのは、巨大な穴。 ポンプを閉めたあと、周り(床岩や迷路のようになった古い鉱山のトンネルや シャフト)から 少しずつ水が漏れ出し、この深い廃坑に溜まっていった。まる で、風呂に水を入れるように、水位はどんどん高くなっていった。 この人造湖が、the Berkeley Pitと呼ばれているところです。
あまり、想像したくはないのですが。。。(^^;
巨大な廃坑(80階の超高層ビルも飲み込むぐらいの深さとあります)に、酸性 の鉱物の残留物と水が合わさって、有害な、猛毒の スープが並々と注ぎ込まれ ているという感じですね。 ここから、タイトル The Giant Cup of Poisonが きてるわけです。

ところが、ところが。。。(^^;
ここが、観光名所になっていたというから、驚きです。 それとも、何でも 見世物にしてしまうのが、人間のたくましいところでしょう か?(^o^;
このacid lake、廃坑に溜まった酸性の水は なぜか緑色で、絵のように美し かったとあります。だから、絵葉書にも出てくるし、近くまでトロリー車が走 る、土産物屋まであると、地元も観光客の呼び入れにえらく熱心だったようで す。
だが、。。。みな、当然 これが猛毒の水であったことは 知っていたことなんで しょうね。観光客が来ていたころも、市当局は水鳥などをスピーカー、爆竹、 ボートなどで追い出してたとあります。が、3年前 等々これでは すまなく なった。 カナダからのgeese(ガン)の群れがやってきて、水を飲みに水辺に止 まった。その後 数日間で 当局が数えただけでも 342羽のガンが死んでいたそ うです。their insides scoured with burns and soresとあります。ただ、死 んでいただけでなく、焼け爛れていたということでしょうか? 相当の猛毒の水になっていたということなんでしょうね。

今、この増え続ける猛毒の水は,縁までほんの100mちょっとまで 水面が上昇し ており、町の中心まで ほんの数ブロックしか離れいない。いつの日か この水 がunderground aquifer(地下の帯水層:地下水を含む多孔質浸透性の地層)にし み出し、有毒物質が近隣地域だけでなく、この一帯の川などに入り込んだら、え らいことになる。 また、人造湖(←lakeと書いてるから) から発生する かすみ や霧が町の一部にもかかり、そういったものが何か悪い物を運んできやしない かとの不安も出てきたようです。

では、この人造湖が危険レベルに達する前に いかなる方法が取れるか?
● 昔のように、鉱物を掘り出す、つまり水から取り出すこと。多分 何億ドル もの価値のある鉱物、zinc(亜鉛)、copper(銅)、magnesium(マグネシウム)など が水に溶けてるのではないかということです。
● a standard lime(limeは 石灰のこと)を使って、水をきれいにする。
---------------------------------------------------------------------
precipitation technique(沈殿 テクニーク?)とありますから、石灰で有毒な ものが、沈殿するのでしょうか?(← ここ、わかりませんでした。(^^;) どな たか、ご存じでしたら、教えてください。)
---------------------------------------------------------------------
でも、この沈殿方式は問題があるようです。有毒なヘドロ(toxic sludge)が ずっと残ることになるから。

かと言って、悪臭放つ人工湖から鉱物を取り出す方法も、経済的にすぐ実現可能 というわけでもないようです。今、地元の企業が水質検査など 調査をしている 段階で、実施までは 数年かかるということ。が、これでは 遅すぎる。1マイ ル以内で地震が起こり、水が溢れ出せば、この谷全体が破壊されるとの不安も書 かれてあります。

そして、さらに 不安材料が出てきた。 人工湖の周りの42の検査用井戸水のひとつから、水の反対の漏水の疑いが出 てきた。 つまり、今までは こういった井戸から廃坑後に出来た人造湖に水が 染み出していったんですよね。それが、逆に、この有毒な水が周りに出て行っ た可能性が出てきた。 ということは、地下の帯水層も汚染され出してきている ということなんでしょうか。

これまでにも、町の下にある3500マイル(5、600m)にも及ぶ 迷路のようになっ ているトンネルやシャフトから 水が溢れ出したことは あったようです。 だから、地下で何が起こるかわからない、誰もどこに危険レベルがあるかわか らない。。。というのは、30年間 鉱山で働いてきた 64才の Frank Beavisさん の言葉です。

モンタナ州の環境局の人たちは これが危険レベルに達する前に 水位の上昇を 止めるべく、何らかの解決策を取るとは言っていますが。。。 ですが、どちらにしろ、このButteの運命は 議会次第ということみたいです ね。現在 a new Superfund lawというのは 討議されているのかな。 これで、モンタナの有毒なる人工湖のクリーンアップ作戦が早く進むか、ゆっ くりになるか 決められるということです。

Greeny



感想はこちらに・・・YHJ00031@niftyserve.or.jp
Internetの場合は・・・ohto@pluto.dti.ne.jp


ホームページに戻る 

TIMEのホームページに戻る