ニューオリンズの奇跡。(TIME,US)(3/9, Greeny)


みなさま、こんにちは。

TIME,US版(3月9日号)から。
アメリカの評判の悪い公営住宅をりっぱに再生させたのが、南部の伝統ある大 学であったという話。

Miracle In New Orleans
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What do a bunch of college professors know about fixing public-housing projects? A lot, it turns out.

アメリカのpublic housing project (公営住宅団地)は、不衛生(ネズミも多い と この記事では出てます)、また 犯罪も多く、政府、地域の人たちなどからも もはや見捨てられた状態にあるという記事は 以前にも 読んだことがありま す。確か、シカゴの話でした。そこの団地の住民の子どもらは ほとんどが片親 で先に何の希望も持てなかったのが、近くの消防署の気のいい野郎タチ(^^;)が 援助し、励ましてあげるようになって、子どもらが生まれ変わったように頑張 るようになったという 素敵な話でした。

今度は、場所は Deep South、ニューオリンズの公営住宅についてです。 政府の補助金をもらって成り立っている公営住宅団地の中でも、ニューオリン ズのは 特にひどいようです。中でも、1800戸ある大型団地 Desireは最悪だそ うです。ここで、興味覚えたのが、Desireという名前。 どうやら、アメリカの 公営住宅団地には それぞれ名前がつけられているんですね。ニューオリンズ と言えば、 テネシー・ウイリアムズの"A Streetcar Named Desire"の舞台にも なった場所のはずだから、この名前なのかしら。(^^;

こういった公営住宅を管理するのが、HANO(The Housing Autority of New Orleans)。いわゆる住宅公団みたいなところカナ。 ここの長年にわたる管理監督 のまずさ故、 住民たちは 補修すら 何年も待たねばならないような状態だった ようです。

で、事態は悪くなる一方。 HANOに任せたままでは まずいということで、 新たに管理を任されたのが、Tulane University. 学生は殆どが白人の伝統あ る南部の大学。選び抜かれた子弟の集まる大学のようです。 大学側が連邦政府のHUD(住宅、都市開発省)と取り交わした契約によれば、大学 側は財源を提供する代わりに、 10の住宅公団(市の10%に当たる55、000人 が住む)の管理運営を一切任されるというものです。だから、今はTulane大学 の Ran Masonという人物が 腐りきった組織になってしまっていた HANOの 実質上トップになってるということ。2年前の話です。

大学の人間に 何ができるか??
が、これが、奇跡を起こした。 住宅公団を再生させるという、画期的なことを 成し遂げたということです。

では、何をしたか? ごく基本的なことから始めたということです。
* 犯罪者、麻薬常習者を追い出す。
* 滞っていた仕事を減らし、配管工事の補修なども数ヶ月かかっていたのが、 数日、あるいは数時間で 取り掛かるようにした。
* 補修などに住民を雇い、これがまた 彼らの安定と就職斡旋に結びついてい く。
* ニューオリンズの最貧困地区(平均年間家計収入5、300ドル)への援助プロ ジェクトに多くの大学の学生、教授陣に参加してもらう。recruitとあるから、 もちろん有償ででしょうが、 C.J.Peetという1400戸の住宅団地には 今Tulane 大学とXavier大学から 150人の大学教授陣(←facultyとありますから、チト 不安ですが(^^;))と500人の学生たちが 定期的に参加しているということ です。家庭教師、公衆衛生、十代の妊娠、子育て、そして職業訓練、high school equivalencyに関する講習会や勉強会。

(疑問: high school equivalencyは以前にも 見た単語なのですが、辞書には 載ってませんでした。 いわゆる高校の単位を取れる認定試験制度みたいなもん でしょうか?)
また、就職斡旋の手助けをするだけにとどまらず、プロジェクトの基金から 住民へビジネスを始める資金を貸したり、そのノーハウを教えるということま で やったりしているようです。

ですから、このプロジェクトで、多くの住民は仕事を見つけることができ、若 者たちは スポーツプログラムに参加したりと、かつては みな 恐ろしくて立 ち寄れなかった地域も生まれ変わりつつあるようです。

そして、次の5年間で こういった公営住宅の半分が取り壊されることになる ようです。その代わりに考えられているのが、Tulane大学とHANOが計画、連邦 政府が資金をだすことになっている 新しい住宅団地。 7億5千万ドルかけるら しい。核家族用の住居や、コミュニティー・センターも考えられているようで す。

Tulane大学が参画してから、まだ2年ですが。。。今のところ、 What is going on in New Orleans is a local miracle.ということです。 でも、それには 今後もその資金が入ってこなきゃ、ダメよ!! が 最後の文で した。(^^;)

Greeny



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