北マリアナ連邦の移民政策 (US版2/2 Greeny)


TIME(2/2)US版 AMERICAN SCENE から。

Give Me Your Tired, Your Poor...
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And the Northern Marianas--a U.S. possession-- will put them to hard labor

タイトルは 何を指すのでしょうか。騙されて サイパンにやってくる移民たちの ことかな。

アメリカの自治領である 北マリアナ連邦。そこでの外国人労働者たちの置かれ てる劣悪な労働条件、そして その移民政策そのものも 問題になっているようで す。

北マリアナ連邦といっても、ここで出て来るのは、その最大の島、サイパン島。 場所は 太平洋、ミクロネシアで グアムの少し北。 地図で見たら、 フィリピンの ほんの少し先に位置するのですね。 ところが、ここは アメリカの自治領になっ ている。ここに American Dream を求めてやってきて、女工哀史まがいの労働を 強いられ、 今 その会社 SR(Saipan)Corp.,に訴訟をおこそうとしている女性 Li Li(26才)の話が まず載っています。

sweat shop(搾取工場、 低賃金、長時間労働)の話は よく 聞きますが、 LiLiさん の ケースでは 借金漬けにされて働かされてたということです。いわゆる年期奉 公に近いものですね。アメリカで働けるという甘い話は さぞかし魅力的なんで しょう、$2,800の "recruitment fee"を払い、 中国から やってきたというこ と。この前金の借りがあるため、帰るに帰れず、 18時間労働を強いられ、 夜 は ねずみ はびこる小屋に閉じ込められ、日曜日だけ 1時間までの外出が許され た、不平を言えば、ぶたれる。こんな労働条件と知っていたら、来なかったの に。。。と、Li Liさんは 答えています。

ただ、Li Liさんは 4万人近くいる移民契約労働者 の一人にしか すぎないとい うことです。こういった、移民は 主に中国、バングラディシュ、フィリピンから で、中国、韓国の繊維、衣料関係の工場に雇われるのです。そして、外国人労働 者には 最低賃金以下しか支払われないということが 許されてしまっているので す。さらに、ここは アメリカになるため、中国、韓国の人たちは 本来なら規制 を受けるべき、関税や割り当てなどないまま、MADE IN THE USAとして、 10億 ドル近くにもなる 衣料品を アメリカ本土に輸出できるということになる。

なぜ、こういった事態になるのか?
アメリカの管理下にあるとはいうものの、1975年に 北マリアナ連邦が自治領に 成る時にアメリカとの間の 取り決めがあるから。 その内容は、北マリアナで は アメリカ市民権は得ることができ、かつ労働と移民に関する管理監督の権限 は保持したままでよいというもののようです。だから、こんな ひどい労働条件 も許されるわけでしょうね。 ただ、これは そもそも サイパンなどの 経済を活 性化させ、競争相手となる移民労働者の流入を防ぐ目的だったようです。 だ が、結果は逆になった。外国人労働者 4万に対し、現地の人間は2万8千人。 民間部門での労働者の90%は 外国人。 現地の人の失業率は 14.2%に達してい るということ。そして、この時点で、中国がこれほど進出してくるとは 予想で きていなかった。

これが、アメリカ議会でも 問題になってきだした。( 。。。と言っても、アメリ カ 今 スキャンダル疑惑が 大問題になってきて、それどころじゃないかもしれ ないが。。。(^^;))
労働慣行の改善を求め、北マリアナに圧力をかけているようです。改善されなけ れば、これまで免除されていた労働、移民の管理監督は再び アメリカ連邦政府 のもとに戻されるかもしれない。 そこで、サイパン側は、そうなれば自由貿易 の精神を損なうものだと 共和党に向けて、盛んにロビー活動してるようです ね。ここでも、接待づくしカナ。(^^;
また、先週 就任したばかりの 新知事も 改善は言いながらも、問題の工場は閉 鎖できないでいる。1985年、中国、韓国企業は 来て以来、 サイパンの歳入は $ 224millionから、$2billion と急激に伸びた、これが理由ですね。

ですが、契約労働者に対するやり口には 目にあまるものがあり、広範に行われ ているということ。こんな話聞くと、サイパンへのツアー、観光気分で 行きた くは なくなります。

Greeny



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