Yellowstone の狼 (TIME.US 1/19, Greeny)


こんにちは。

TIME.US版(1/19) から、

The Big (Not So Bad) Wolves Of Yellowstone
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Back from near extinction, the gray wolf is threateded again-- this time by a federal court

数が激減している アメリカのgray wolf(シンリンオオカミ)についての記事。 アメリカで この gray wolf は 絶滅の危機に瀕する種の一つに リストアップされています。

それを救わんと、アメリカ野生動物保護団体、U.S.Fish and Wild life Service が 3年前1995年に Yellowstone国立公園と Idahoの荒野に カナダから 運 びこんだ オオカミ66匹。 それが、165匹(Yellowstoneに 90/ Idahoに75 匹)と増えた今、 その 輸入されてきた オオカミたちが 今度は 撃ち殺されることに なるかもしれないということです。理由は 先月 ある決定が 連邦裁判所より 出 されたから。

ホント、 この動物界で 一番勝手なのは 人間サマ と 考えさせられた記事でした。 このYellowstoneへの オオカミ を持ち込むプログラムは どうも 当初から牧場 主、生物学者らの反対もあり、論議を呼ぶ問題だったようでですが、はるばる カナダから 連れてこられた gray wolfには 関係ないことですね。

以下、 タイムの記事に書いてあったこと、簡単にまとめてみます。

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100年前には アメリカにも 10万匹以上いた オオカミも 人間、家畜など 襲うとい うことでハンターたちに追いつめられ、 20世紀半ばまでには、絶滅寸前になる まで、激減したということです。なんせ、このオオカミに 政府も賞金をかけ、 ハンターたちが 撃ち殺し、わなをかけ、生きたまま焼き殺すことも 奨励したと いうこと。

ですが、この オオカミは 生態系の中では、要を成す 重要な種である。 だから、オオカミの激減により 生物界のバランスも崩れてしまうわけです。 つまり、オオカミがいなくなると
● 2番手の コヨーテがトップの地位を獲得、その数が必要以上に増える。 →コヨーテと同様 rodents(げっし動物、 ネズミ・リスなど)を食べる foxes(キツネ)、 badgers(アメリカアナグマ)、martens(テン)の数は逆に減少。
● オオカミに襲われていた elk(ワピチ、シカ科の動物) が、オオカミが いなく なると 異常に増える。→ elk たちは 草木を食べるので、その数が激増した結 果、山地から 草木が消えていく。
● オオカミが殺した動物の残りの肉を食糧としていた 腐食動物 magpie(カササキ ゙)、 raven(ワタリガラス)、 grizzly bear(ハイイログマ) などが 蛋白質を求めて、他をあ さるようになる。

と、オオカミの数が減るだけで、小動物だけでなく、草木にまで 影響が 出て来 るということですね。

そこで、出てきた計画が 先に書いた カナダのgray wolfを連れて来るというもの。 31匹がYellowstoneに、35匹が Idahoに 持ち込まれたようです。 3年たった今、この計画は 自然界のバランス回復という面では 成功してるようです。 オオカミの数も増え、それと共にコヨーテ、elkの数は 本来あるべき数に減り、 Yellowstone公園には 草木も戻ってきた。キツネやアメリカアナグマたちに回される 肉も 残されるようになった。

ですが、このプログラムに 反対する側にとっては、大きな問題がある。つま り、何頭か 公園の外に出て行くオオカミたちが出て来るということです。農場 に入り込み、家畜を襲うのです。 1995年から この3年で 7頭の牛と 84 の羊が 殺されたらしい。問題は これによる 補償問題、お金のことだけでな く、まわりの 農場主たちが たえず 不安に晒されていることも 大きいようで す。

そこで、反対派による 抗議により、カナダ産 gray wolfを連れて来るプログラ ムを推進する 動物保護団体がのんだ妥協案が 次のようなもの。 《アメリカに於いて、gray wolf は 絶滅の危機に瀕する種 であるが、カナダよ り運ばれてきた wolfは "experimental" populationであるということ。》 ここに 大きな違いがあるのです。 つまり カナダから来たオオカミは(たとえ、 同じ gray wolfでも) 他の動物の脅威にならない限りにおいてのみ、保護される と言う事。永遠に保護観察下にあるのと同じ事。 だから Yellowstone公園の外 の牧場に入り込んで 家畜を襲えば、かつてのように 撃ち殺されても 構わない ということになるわけです。

そして この条項が このプログラムのアキレス腱となった。 反対派は すぐに これを盾に 1995年 訴訟を起した。 the wolf program is illegalであると。 アメリカにもともと居る gray wolfの数は まだまだ 少ない。家畜を襲う悪さを するオオカミが カナダからのか、元々居るオオカミか 区別するのは 不可能であ る。農場主は 間違って、indegenous wolvesを撃ち殺してしまうかもしれな い。 だが、それは Endangered Species Act(絶滅危機種(動物)保護法)が禁じて いることである。よって、このプログラムは違法なものである。 という論法。 (これ、狡猾なやり方なんでしょうね。。)

そして、先月、連邦裁判所は これを支持した。 カナダからの gray wolvesは 出て行くべきであると。

もちろん、これは 動物保護の観点から 大幅に逆行するものだと、猛反対 起こ り。。。いずれ控訴されることに なるのでしょうか。

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ことの経緯は大体 以上のようなものです。 この計画そのものの是非は 別にしても、今いる 165匹のオオカミたちの 運命を考え ると、かわいそうです。いまさら、カナダに送り返すことなど できない。すで に 別のオオカミたちが そこを縄張りとしているだろうから。動物園に引き取っ てもらうことも むずかしい。 。。。となると、残る選択肢は 殺すこと になる可 能性大 らしいのです。

動物の保護という名のもとに、まわりの人間の生活権を脅かすものであっては ならないし、 むずかしいもんですね。

Greeny



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