黒人とヒスパニックの対立(12/1)


* THE NEXT BIG DIVIDE? (p.38)
BLACKS AND HISPANICS SQUARE OFF OVER BILINGUAL
EDUCATION--AND FOR CONTROL OF PUBLIC SCHOOLS

アメリカでは、黒人とヒスパニックの対立がこのごろきしみ始めているよう です。 かつて人種対立の構図と云えば、白人と黒人がおきまりでしたが、ど うも最近は黒人とヒスパニックの対立が目立つらしい。

まず記事は、カリフォルニアの労働者の町、Fast Palo Altoのレポートから 始まっています。ここは10年前までは生徒数の85%を黒人が占めていたところ ですが、最近はヒスパニック系が70%だということです。だから黒人の割合 は、はっきりしないのですが多くても4分の1くらいでしょうか。ところが学校 の理事会などは、以前と同じように黒人が牛耳っているわけですね。だから、 ヒスパニックの両親達が、学校に押しかけて二カ国語教育をするように要求し て、両者がにらみ合い、警官隊導入の騒ぎになったようです。女性同士の喧嘩 を警察官が割って入ったのですが、「メキシコに帰れ」とか、激しいですね。  (^^;

 

確かに黒人女性のCharie Mae Knightが11年間教育長(superintendent)に居座 り、5人の理事のうち、1人しかヒスパニックがいないと云うことを考えると、 ヒスパニックの不満が強まるのも無理もないかもしれません。逆に黒人にとっ ては、ヒスパニックの増大は脅威に映るようです。

そしてFast Palo Altoは、決して例外的存在なのではない。ダラスでも、ワ シントンでも相手の役職者をやめさせたり、それへの反撃があったりして混乱 しているようです。去年12月のカリフォルニア州オークランドでのebonics論 争も、こうした対立を浮かび上がらせたようです。

スペイン語と多文化の重要性を教える教育を求めるヒスパニック系と、その 必要性を認めずもっと教育の質を高めることを願う黒人達の対立というわけで す。もちろん2カ国語教育だけが問題なのではなく、教育の質・非能率性・え こひいき・汚職などなどいろんなことが問われていますし、当然教育から他の 分野にまで意見の違いはでてくるでしょう。あるヒスパニックの言った言 葉。「白人が責任者であったときは、今ほど高圧的ではなかった。人は自分と より似ているものはあまり信用しないものらしい」 (^^;

こうした状況ではささいなことから誤解が生じる。ヒスパニックが地区にあ る小学校を労働運動家の故Cesar Chavesにちなんで改名しようとしたところ、 その式典当日に多くの黒人が反対のために、学校にやってきていた。黒人達 は、Cesar Chavesを、ボクサーのJulio Cesar Chavezと勘違いしていたようで す。結末は書かれていませんが、この場合は多分誤解は解けたのだと思います。

TIMEはこうした誤解は、お互いの理解を通して徐々に無くなっていくだろう と楽観的ですが、かえってこれから多くの摩擦が起きるような気がします。



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