Au pair裁判総括 その2(TIME)


子守事件をTIMEは、どのようなものと判断したのか。11月17日号でも死亡した Mattewの両親に比較的同情的だったTIMEですが、11月24日号は母親のDeborah Eappenとのインタビュー記事と、Daniel Kadilacの記事からなっています。ま ずは、Interview記事から。

*ONE MOTHER'S STORY  
"HOW DID LOUISE BECOME THE HERO AND I BECOME THE VILLAIN?"

Deborahの叫びは当然でしょう。何故Louiseが英雄になって、被害者が悪漢 になるのか。すくなくとも、これは逆ではないのか。まさかとは思いますが、 ここには人種の影はないですよね。どうも最近人種問題を扱った記事ばかり読 んでいるから、Mattewの両親が、父親がアフリカ系、母親が白人といういわば 異人種間のカップルだと云うことが少し気になりました。関連記事で、これに 触れていたものはありませんでしたから、思い過ごしかもしれませんが。

何故、人は善悪をつけたがるのか。ほとんどのものは、善悪のどちらでもない 中間的存在と思うけれど、人の心はすっきりしないと安心しないのでしょう か。Eappen夫妻は数週間のマスメディアの狂乱の中で、家にも帰れないらし い。(もちろん現在の時点でどうなっているかは不明です) 車で移動して暮ら していたらしい。LouiseはMattewを奪い、判事は正義を奪った。児童虐待が罰 せられないのなら、子供は消耗品とでも云うのか。

Deborahのいろいろな嘆き怒りはもっともです。しかしこれは省略。

ここで分かることだけを書いておきます。Mattewの腕は折れていたらしい。こ のようなことを引き起こす事故はなかった。ということは、ここも被告側は争 っていたということになりますか。最初はLouiseを信じようとしたらしいです が、どのようにしても彼女の責任でなければ説明がつかないということのよう ですね。彼女も医者ですから、そのへんは分かるのでしょうか。Louiseが嘘を つき、社会全体がその嘘を拠り所に自分を攻撃する。これは恐怖かもしれませ んね。

Louiseの人格がDeborahの怒りと不信をさらに大きくした。Louiseは、何故自 分の過失を認めなかったのか。「どうして私をこんな目にあわせるの。私はま だ19才よ」それに対してDeborahは、同じ言葉をLouiseにたたきつける。「何 故Mattewをあんな目にあわせたの。彼はたったの8カ月半だったのよ」 (^^;   さらに、彼女が豪華なホテルを提供されたことも気にくわない。Louiseに とって、今こそ人生最大の幸福の時だというわけです。「どうして凶悪犯にそ んなチャンスが与えられるの」

夫妻はかなりの手紙をもらったようですが、hate mailは1%位だったとか。と いうことは、少なくとも数百通単位のメールを受け取っていることになります し、そのほとんどは彼女たちに同情的だったようです。しかしマスメディアの 攻勢が、かなりこたえているらしい。

小児眼科医としてのfellowshipの地位を断ってまでも、一時子供の世話に専念 しようとしていた彼女。その彼女が資格がないau pairを雇ったことまでも、 批判されていたようです。悪と決めつければ、マスメディアも世間もその人に 関係のあることはどんなことでも悪になるらしい。 (^^;

彼女が唯一後悔していることは、Louiseを首にしなかったこと。子供は嫌いと いうことを直接、Louiseの口から聞いているのですから、少しは悩んだのでし ょうか。

まあ、当事者の一方の言い分を聞いていれば当然その人の云っていることが正 しく聞こえます。だからLouiseの弁明を聞けば、今度はLouiseの無実を信じる かもしれません。 (^^; しかし今の所は、Deborahの方が正しいと私も思い ます。 



感想はこちらに・・・YHJ00031@niftyserve.or.jp
Internetの場合は・・・ohto@pluto.dti.ne.jp


ホームページに戻る 

TIMEのホームページに戻る