*カジノの生き残り大作戦 (p.46-47)
HOW CASINOS HOOK YOU
THE GAMBLING INDUSTRY IS CREATING HIGH-TECH DATABASES TO REEL
INCOMPULSIVE PLAYERS

ギャンブル業界も、いまや成熟産業。競争は激しく、生き残りをかけてお客を 奪うべく、あのてこの手を駆使しています。

Sharon Willmanは、カジノの経営者にとっては上得意。足繁く通ってくるし、 1回に使う金額も大きい。今まで数千ドルも負けたことが何回もある。(^^;  だから、彼女が川に浮かぶカジノに足を運ばなくなったとき、カジノ店は当 然関心を持った。彼女に来てもらうために、様々な招待状を送ったようです。 big winnerになれば、TVのコマーシャルに出るかもしれないカクテルパーティ の招待状も送った。ここでriverboatというのが、カジノの代名詞みたいにな っています。大分前にも読んだことがありますが、こうしたところは多いんで すね。

しかし、Willmanは実は53才のcompulsive gamblerで、今までに大金を使い果 たしたらしい。compulsive gamblerというのは、常習的ギャンブラーではな く、ギャンブル中毒者くらいかもしれません。心理的に自分の意志でギャンブ ルを止められない人、こんな感じです。だから、自分で法的にカジノへの出入 りを禁じる措置と、ギャンブルの案内メールを送ってくれないように頼んだ。 この法的措置というのがよく分かりません。財政的に破産した人に、カジノへ の出入りを禁じるような法律があるのでしょうか。これを破ることは、 criminal actということですから、これは自分に課したというより、具体的な 措置ですよね。しかしカジノ会社は、メールを送り続けてきています。原因不 明の理由で、コンピュータのデータベースが削除を受け付けないのだそうで す。こんな上得意は、そんなにたくさんはいないということで、コンピュータ ーが正しい判断をしたのでしょうか。(^o^)

どうもギャンブル業界も今や成熟して、利益を拡大するためには厳しい生存競 争を勝ち抜かなければならないと言う事情があるようです。だからカジノの各 社は巨大なデータベースを作り上げ、その中から目星をつけた客にダイレクト メールを出したりするわけです。新しい客を開発する一方で、Williamのよう なギャンブル中毒者にもさかんにメールを出し続ける。こうした商慣習は、当 然問題も引き起こします。

カジノ業界の新しい商売形態をよく表しているのがテネシーのMemphisの Harrah' s Entertainment Inc.なようです。全国に16店のカジノを持っている ようですが、今までに発行したカードで1000万人以上の人が、databaseに登録 されているということです。重複もあるでしょうから、お互いをリンクした 600万枚のスロットカードをこの秋に発行したようです。The Total Gold Card と呼ばれるこのカードは、全国初のギャンブル界のブランドカード。さらに Harrah'sは、独自のVISAカードを発行し、これとリンクさせる。

VISAで買い物をすれば、Total Gold Cardのポイントが上がり、様々な特典を 受けられる。しかしもちろん、どうした商品を買ったかが筒抜けですから、さ らに巧みにカジノへの勧誘が行える。個人情報が、こうして徐々に私たちの知 らないうちに蓄えられていくくのですね。

ギャンブル業界は、今まで以上に、客の大多数をしめる普通の客、つまり1回 でそんなにお金を使わない客に目を向け始めている。データベースはそうした 変貌するカジノ業界の強力な武器なのでしょう。自分のところのばかりではな く、各種のリストを利用して、新規顧客の開拓に乗り出している。同じ業界で のパイの取り合いとなると、このへんをうまく利用するか否かが各社の生き残 りを分けるかもしれない。

こうした中で、problem gamblersの問題がおきてくる。これは社会的経済的に 破綻したか、それに近いgamblerのことだろうと思いますが、定義付けは casino批判者と業界では当然違ってくる。全人口の5〜6%という数字は、一致 しているようです。そしてこうした人々が業界全体の30%から40%のお金を使っ ているということのようです。また20%の客が、全売り上げの80%を占めるとい う資料もあるようですし、業界全体がいわばこうした少数の中毒的gamblerに 依存して、彼らの生活をだいなしにしていると批判者は言っている。業界は、 全人口の95%の人々に関してはcasinoはなんら問題を起こしていないと反論し ていますが、これははたして反論になっているのでしょうか。 (^^;

死んだ夫の名前を顧客リストから削除してくれるように要求したら、死亡証明 書を持って来るように言われたと女性もいます。死んでも、slot clubの会員 を止めることはなかなか難しいようです。Williamの要求が通らないはずで す。

最初にWEB版で読んだのですが、あとから届いたASIA版で見ると、日本のパチ ンコ屋の雰囲気ですね。娯楽産業は、さすがになかなか技術を先取りするのが 早いですね。



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