少年の日の王国(ESSAY, 10-13)


みなさん、こんにちは。

TIME 10/13から、読んでみました。USA版です。ASIA版では、まだ確認してい ません。載らないかな、という感じですが・・・

*  THE AGE OF ELEGANCE
AGNES AND GLADYS AND PINK DRAPES AND DEEP PURPLE

ESSAYです。固有名詞がいっぱい出てきて、詳しいイメージが分からないとこ ろもあるのですが、大体の意味はとれたと思っています。なつかしさと愛着を 持って書いたような文章でしょうか。

作者はミネソタ生まれの50代ですが、故郷ミネアポリスの自分にとって大切な 思い出のあるレストランのことを書いています。秋になり、何となくもの悲し いときには、人は昔を懐かしむものでしょうか。

Murray'sの店は、筆者が生まれる前からあった。当時は、Charlie'sとHarry's もあって、Big Threeと呼ばれていたが、それらはいつのまにか無くなってし まい、Murray'sの店だけになってしまった。そこは大都市にならどこにでもあ るような、時代がかった古いレストランだ。ピンクのカーテンが掛かってい て、70代の受け付けの女性がいて、Deep Purpleをひくピアニストとがいて、そ してAgnesとかGladysとか言う名のウェイトレスがいる。ここに出てくるもの が、副題の意味です。

ここは、50代の夫婦が昔ながらの料理を食べる場所。そう筆者にとっては思い 出のSILVER BUTTER KNIFE STEAKが、ここでは食べられる。筆者にとってこの 名前は、少年時代の夢と結びついている。決して味わうことの無かった、想像 のなかで経験したあこがれの大切なもの。筆者の家族は、浪費家でもなか ったし、夢想家でもなかったからレストランで食事をすると言うことはなかっ た。しかし毎週教会に父の車で行く途中、Murray'sの前を通った。そしてそこ には MURRAY'Sと SILVER BUTTER KNIFE STEAKの文字が。胸をとどろかせ、未 知の世界にあこがれたのでしょう。

その後いろいろあって、大人になってもそこには行けなかった。どうも若者特 有の気取りがここではじゃまをしたようです。しかしとにかく、大学院生活最 後の日に、筆者の敬愛する人物がそこに連れていってくれて、筆者はそこで楽 しい時を過ごした。それから、3年か4年に1度、そこに出かけているが、いつ までもMurray'sの店は筆者には魅力を持っているようです。

過去に夢中になったものが色あせていく年になっても、Murray'sの魅力は小さ くならない。それは少年時代、聖書の言葉を暗記しようと努力していたとき に、あの MURRAY'Sと SILVER BUTTER KNIFE STEAKの文字が与えた、魔力のせ いなのか。しかし筆者は、よそ者をここには連れていかない。一緒に行くの は、本当に親しい友達か身内のものだけ。昔からのミネソタの友達だけ。一緒 に育ち、あの当時の雰囲気を知っているものだけ。

昔の出来事が帰らぬ思い出となっていく中、Murray'sの思い出だけは今でも鮮 明だ。1952年のあの日、Lyndale Avenueの赤信号で父の車が止まる、窓の外に は、鮮やかな大きな看板があって彼の想像力をかき立てる。そして、彼の膝に は、聖書の「伝道の書」が開かれていた。

YUKI



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