TIME/US(9/29) アフリカでのエイズ研究(Greeny)


みなさま、こんにちは。

TIME.US版(9・29)から まず一番に取り上げたい記事は VIEWPOINT.

IT'S AIDS, NOT TUSKEGEE
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
INFLAMMATORY COMPARISONS WON'T SAVE LIVES IN AFRICA

書いている人は Dr. David Ho. TIME's 1996 Man of the Year. 確か、TIMEでも年末、年始合併号なんかで カバーになった方でしたっけ。 Aaron Diamond AIDS Research Center で エイズ研究をしてる第一人者カナ。

最近出た New England Journal of Medecine に載った アフリカで アメリカが 援助している AIDS-reseach projects のいくつかは 倫理上許されないものだと の批判、そして さらに雑誌編集長(editor?) Dr. Marcia Angellによる このア フリカでのエイズ研究は アメリカでの Tuskegee experimentに喩えられるよう なものだ。。。との非難に対し、 反論しているというところでしょうか。

タイトルにもなっている TUSKEGEE, つまり Tuskegee experiment とは?? (CNNで検索しました)
Tuskegee は 米国 Alabama州東部の都市。ここで、密かに1932〜1972 の間 連邦 政府により 600人以上のアフリカ系アメリカ人が 梅毒の人体実験のようなこと をされていたようです。つまり、1947年より ペニシリンという治療法がありな がら、患者たちには病名も知らされず、ペニシリンも投与されず、placebos(偽薬) だけ与えられていた。 そして 梅毒の進行状況が観察されたということです。今 生き残りの人たちも 一握りしかいないということですが。。。この5月頃 クリン トン大統領が正式に謝罪。 要するに、 過去 黒人にたいしての racism と neglect を代表するものとして 悪名高い 実験なのでしょうね。

記事の内容にもどりますが。。。この placebos(偽薬)を与えて、経過を観察すると いう点が まさに アフリカでのエイズ研究が非難されている点のようです。

では、アフリカで行われている研究は どういったものかというと。。 AZT... AZTにより エイズの母親から赤ん坊にエイズ ウイルスが感染する可 能性がぐっと低くなる らしい。ですが、妊婦にAZTを投与することは 複雑で 高くつくとあります。一人 $1、000 にもなるらしい。そして、アフリカでは 毎 日 1000人もの新生児がエイズに感染しているという現状があるのですね。

ですが、なんとか 自分たちで できる AZTregimen(投薬計画?)をと、 アフリ カの研究者たちが U.S health agencies の援助を受けて 始めた研究のようです。 対象は妊婦で AZTを短期治療するグループと、偽薬を与えるだけのグループで 比較研究しようというもの。 当然アメリカでは sugar pill をエイズ患者に与えるなんて 倫理上 許されない ことで、。。。Tuskegeeみたいだと非難した Dr. Marcia Angell は"callous disregard of (a patient's) welfare for the sake of research goals" と書 いています。

ただ、Dr. David Hoが言うには、 この研究は あくまでアフリカの研究者自身に よる求めで始まったもの。そもそも AZTなど高価で実現不可能という事実が ある中で、なんとか実現可能な そして 少しでも早く命を救う方法を見つけ出し たいということです。 とにかく、アフリカでは 何も与えることができないという重い事実が ある。だ から、倫理上認められるか否かの論議は 今の アフリカでは 意味がないと言っ てるのですね。Tuskegeeに喩えることも、西側の価値観を押し付けることも、そ して "ethical imperialism"も どれも助けとはならない。倫理的に正しくない と言って 実行できないと主張することは このエイズ撲滅への闘いにおいて、逆 効果としか ならないと結んでいます。

悲惨なアフリカの現状を考えさせられる記事でした。

Greeny



感想はこちらに・・・YHJ00031@niftyserve.or.jp
Internetの場合は・・・ohto@pluto.dti.ne.jp


ホームページに戻る 

TIMEのホームページに戻る