老人からお金をだまし取る方法(97-8-25)


みなさん、こんにちは。

TIME August 25の記事です。アメリカでも、老人専門に、詐欺商法がはやっ ているようです。

老人、特に夫に先立たれた女性に的を絞った詐欺商法が盛んなようです。FBI によれば、年間400億ドルと言うことですから、日本円にしたら5兆円。これは かなり大きな市場と言うことなのか、BUSINESSの記事になっています。

一般的な手口は、孤独で病気で悩んでいたり、話し相手を求めている老人に、 電話をかけることから始まります。親切な言葉で、幸運が舞い込んだ、何万ド ルかがあなたに当たった、しかしその権利を買うためには、まず低額の商品を 何か買わなければいけないというわけです。1度これにかかったら、この詐欺 商法の他の仲間から、場所を変え、品を変え次から次に電話がかかってくる。 気づいたときには、手遅れになっているが、それでも損を取り戻そうとしてさ らに深みに入り込んでしまう。con artistたちの間では、mooch list顧客リス トが出回っていて、まだだまされていない人は10ドル、だまされ続けている人 は、200ドルで売っているようですから、1度だまされた人は損害はますます大 きくなるようです。

本文にあげられているMary Ann Downsは夫は判事、子供に検察官もいるようで すから、人一倍金銭的・法律的知識は有ったはずなのにだまされた。次から次 へと役にたたないがらくたを買わされた。ちゃちな電話返答機、テニスブレス レット、紙幣のクリップ、ヘアースプレー、ネズミの皮から作っているとしか 思われない2着のミンクのコート。子供には知られたくない、子供からよく思 われたいという心理がさらに、損害を取り戻そうとして被害を大きくしている ようです。Downsさんの場合は、19人の子供や孫にそうして買った品物を箱詰 めにして送ったことから、分かったようです。

この人は、被害の経験を老人仲間に講演して回ることで、金銭的・情緒的にも 救われているようですが、もちろん大多数の老人はそうはいかない。老人は年 金とか・保険金などで、けっこうお金を持っているからねらわれやすいのです が、現在の老人の育ってきた環境も影響しているとか。彼女たちは今より優し い時代に育ったため、むげに電話を切ったり、詐欺師を玄関払いすることが出 来ない。身なりがきちんとしていて、話し方もきちんとしている、優しそうな 若者が詐欺師とは思わない。(^o^) このへんは日本人と変わらない。

興味深かったのは、存在もしない子供の施設のために36000ドルもだまし取ら れた女性の話を読んだとき。彼女は多くの年老いた女性たちと同様に、夫に all financial decisionsを任せていた。1988年に死んだ彼女の夫は弁護士だ ったが、いつも「誰かがお前のお金をねらっているよ」と、言っていたそうで す。よく聞く話ですが、アメリカ人は、このへんは日本人とは違います。しか し今でも、アメリカの奥さんは財布の紐を夫に握られているのだろうか。

詐欺師たちは、自分たちの州では商売をしないことが多い。理由は州法が違う ため、違った州、場合によってはカナダから電話する方が、有利だからのよう です。詐欺師たちも分業化が進んでいるようですし、かなり大がかりになって きている。 The Sun City phone book is a scam artist's bible because it lists hometowns andformer occupations of seniors.ここで述べられている Sun City phone bookは有名なんでしょうか。

こうした詐欺は電話を通してなされることが多く、詐欺師と被害者以外には証 人がいないから、犯罪の立証もなかなか難しい。かりに起訴し有罪に持ち込ん でも、判決は軽いようですから、要はだまされないこと。そのためにはすぐに 郵便でcertified check支払保証小切手を送るように要求する業者とは取引し ないこと。取引内容を文書化すること、それと疑わしい電話はすぐに切るこ と。電話を自分から切る勇気のない人への助言。玄関に誰かお客さんが来たよ うだからちょっと待ってと言って、当分電話をそのままにしておくこと。

(^o^)

こちらでも、似たような話はときどき来ます。催眠商法というのも、完全に targetは老人ですしね。はたからみていても、よくだまされるし、どうもだま されているとは気づいていない人もいるようです。民事不介入、とはいっても 少しは取り締まりの方法がありそうだと思うのですが。堂々と商売しています ね。しかし不謹慎な話ですが、人をだますことに彼らは生き甲斐を感じている のかもしれません。もちろんTIMEのレポートでは、詐欺師の横顔については殆 ど触れていません。

しかし詐欺師の天国も今だけかもしれません。現在の善良な年寄りの次には、 baby boomerの世代がやってくる。疑い深い彼らが、老人になる頃、そんなに 易々とだまされるとは限らない。ここでもよき時代が終わりつつある?

この記事、はたしてASIA版に載るでしょうか。

YUKI



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