子供労働者(TIME/ESSAY)


みなさん、こんにちは。

TIME DEC.23のESSAY、TOY STORY についてです。

作者BARBARA EHRENREICH は、DEC.2のESSAY(U.S.A版のみ)で、強烈な皮肉が私 の印象に残っているコラムニストです。調べてみたら、NOV.4のOh, Grow up!, Sep.2のJane Austen, Answer your Beeperなど定期的にessayを書いているみ たいです。強烈な個性の持ち主で、ここまで辛辣な批評をするのは日本人には いないかもしれません。思想的には別にして、私はJapan Timesが配信してい るMike Roykoのコラムを好きですが、辛辣さの点ではこの二人は甲乙つけがた いですね。

題は「おもちゃ産業の少年労働者」という意味でしょうか。副題は「映画の超 大作への絶好の主題:児童労働を提案する」として、形式の上ではディズニー への台本を提出するという形をとっています。ところでChild Laborは、どう 訳したらいいのでしょうか。児童労働、少年労働、子供の労働、年少者の労働 いずれもぴったりしません。児童労働としておきますが、私のイメージからは 小学生というか学童のイメージが強く、あまりピンときません。これはchild abuse, child prostitutuinなどでも同様です。BBCなどでは、毎日のようにふ れられているこれらのテーマはあまり、日本のニュースでは見聞きしません。

(1段落)
ディズニー台本係 御中毎日多くの映画案を受け取るでしょうが、私のは違い ます。Pocahontasや、The Hunchback of Notre Dameのように、偉大な社会の 矛盾を描く、超大作になりうる台本案です。テーマは児童労働ですが、これは クリスマスが来る毎に話題になるでしょう。クリスマスには、子供たちがMade in Inner-City Dakarのこうしたおもちゃの包みを楽しみに開くのですから。 以下がその台本です。

The Hunchback of Notre Dameは、聞いたことがありますが、Pocahontasは私 は聞いたことがありません。大量殺戮を描いたと思われるこの作品は見たこと ある人いますか。

(2段落)
シーン 1
第三世界のどこかにある、The Pure Joy Toy の工場。夜明け。子供たち、日 勤の仕事をしに歌いながら登場。「ハイホーハイホー/多国籍企業の仕事場へ 行こう/すばらしいおもちゃを作ることは楽しい、楽しい、本当に楽しい/幸福 な女の子のために、男の子のために/1日中遊んで遊んで遊んでいられる/幸福 な女の子のために、男の子のために

以下4つの歌が出てきますが、すべて替え歌のはずです。私は最初はこれはマ ザーグースかと思いましたが、違うと思います。

(3段落)
Pure Joy Toyの支店長Cruella登場。グレーのカシミヤのビジネススーツを着 て、手には品のいい乗馬鞭を持っている。今日も兎と子犬の煮物を食べてきた ことが分かるいつもの声で話す。「いい知らせよ。今年のクリスマスはお客さ んの評判がよいので、あなた達にはクリスマスイブの日まで無制限の強制残業 があげられます。そしてあなた達が、仕事のことだけ考えれるように、すべて の出口と休憩所はこの期間中閉鎖します。」Cruella退場。錠が不気味に閉ま る。

Cruellaとは、よくつけた名前です。筆者は過激な(?)フェミニストのはずです が、ここでは悪役として女性を登場させていますね。Pure Joy Toyも、実在の 会社をもじっているのではないかと思いますが、よくわかりません。

(4段落)
子供たちの中には既に気を失ったり弱っているものもいるが、これをきいて恐 怖であえぐ。しかし幼いマリアが飛び上がって叫ぶ。「いくらなんでも今度だ けはひどすぎるわ。何とかしなくちゃ!!」子供たち全員作業道具を捨て、興奮 して叫び始める。「人権監視委員会を呼べ」「ゴーストバスターズがいい ぞ!」「やつらに思い知らせなくちゃ」産業気腫にやられて痛みにせき込みな がら、幼いキムがどもりながら言う。「TOPに話を付けに行こう!サンタクロー スはこんなことを黙っちゃいないぞ!!}

激しい興奮の中、子供たちは超レーザーのPower Rangersを鍵のかかったドア に発射し、外に飛び出し歌いながら、Cruellaの事務所に向かって行進をはじ める。「立て!世界の捕らわれ人よ!/ceoを、すばらしいおもちゃのceoを見つ けに行こう/私たちも子供だということがわかるだろう/そうすればCruellaを 小さくして、私たちを解放してくれるだろう。」

これはインターナショナルか労働歌でしょう。

(6段落)
シーン2
Cruellaの事務所。壁にはCruellの功績を称える額。机の上には剥製にされた 幼児。彼女は数年前、Mattelの冷蔵庫のプラスチックの中身を食べようとし て、数年前に捕まえられたマリアの妹である。Cruellaが、騒ぎ立てるぼろを きた子供たちにがなりたてる。「愚か者達が。サンタはここにはいない。サン タはおまえ達がいることさえ知らない。それが下請制度の優れたところよ。」

(7段落)
シーン3〜シーン7子供たちサンタを求めて、都市から都市へ、下請け会社から 上の下請けへと旅を続ける。Cruellaは自己配下の殺人部隊を率いて彼らのあ とを追う。Jack Nicholsonが、Jokerの出で立ちでどこからともなく登場。彼 は香港のやり手貿易業者か何かである。(Hong Kong-based export-import whiz)  CruellaとJackのデュエット。「小さい子供にはわずかな給料/それ がこの世の流儀/彼らは働けるだけで幸せ/誰でも知っている/8才の子供にとっ ては/どっちにせよお金の使い道なんかないのだから」

Jack Nicholsonは何か意味がある? Jokerってトランプのかな? この歌は元 はなーに?

(8段落)
子供たちはティファナから台北の下請け業者達を経て、ついにマンハッタンに あるWe R Toys Inc.の本社にたどり着く。子供たちは階段を上って、ceoが在 社しているのを知る。おずおずと役員室のドアをたたく子供たち。しかしそこ には同じような顔・服装をした男達がテーブルを囲んで座っている。経営者の 一人が立ち上がってやさしく子供たちに微笑む。「PureJoyの人事騒動は聞い ております。良い知らせがあります。Cruellaは、Belizeにあるわが社の別荘 で一週間の経営者向け感性訓練を受けさせることになりました。」

We R Toys Inc.は有名なおもちゃ専門店のもじり?

(9段落)
狂ったように部屋を見回して、幼いキムがしゃがれ声で言う。「ちょっと待っ て。会社の最上層部にはサンタクロースはいないのですか。世界の幼い子供た ちのことを心から心配してくれる、サンタクロースはいないのですか。」

(9段落)
We R Toys executiveの経営者笑う。「物事はそんなに厳しいばかりではあり ませんよ。世界にはいつも幼い子供の労働者があふれているんだよ。だからみ んな一人一人のために、このサンタのスーツを作ってあげたのだよ。何のため にかわかるかい? これはね、工場の中で閉じこめられて労働しているとき、 火事が発生したら、炎が君たちの服につくのを遅らせてくれるんだよ。」

(10段落)
子供たち、熱心にサンタのスーツを着る。そして歌いながら、仕事に戻ってい く。「人形を喜びの微笑みで飾ろう/おもちゃのネジを巻こう/苦労して手に入 れたサンタの服を今こそ着るときだ/世界中の幼きサンタ達よ!!!」

(11段落)
どう思いますか。私はこの骨組みに中身を付けて、イースターまでには撮影に 入り、来年のクリスマスに間に合うように完成させたいのですが。もし、他の 人たちが子供たちの労働で財産をなしているのだったら、私のようなエッセイ ストも利用しない手はありませんからね。

こんなエッセイが日本の雑誌に載ったらどんな反応があるでしょうか。いかに もTIMEらしいというか、アメリカらしいと言うか、感心しております。

YUKI



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