ミスワールドコンテスト(TIME/ESSAY, Dec.9)


みなさん、こんにちは。

TIME Dec.9のESSAYです。TITLEはMiss World vs. the Real World 副題は「 国際化がこうした見せ物を開催することなら、インド人はそれを望まないかも しれない」。

U.S.A.版には載っていないようです。Asia版だけのESSAYというのもあるので すね。

(1段落)
さいわい先月Bangaloreで開かれた、ミスワールドコンテストでは、熱狂的反 対者達が脅していたような、焼身自殺は無かった。インド政府は暴徒の暴力に も宗派の脅迫にも屈せず、成功裏に大会を終わらせたのが印象的である。国際 的主流に加わろうとしているインドにとってこの断固たろ姿勢は好影響を与え るだろう。しかし厳重な警戒の下、ショーは続けられたが、この過程でインド 人が他のアジア人とは違って、新しいものに対して、特にそれが外国のもので 見せ物的なものに対しては、複雑な感情を持っていることが分かった。

(2段落)
19世紀の歴史家Macaulayは、英国人の定期的にみせる道徳への熱狂ほど、滑稽 な見せ物はないと言っている。これはインド人に引き継がれた。しかしインド 人の生活は少数の頑固な保守主義者達が今回の事件を煽りたてるまで、ガンジ スのように静かに流れていた。

Rare, however, is the public storm that does not boast some tiny grain of logic, though it is misleading to talk of the public in this context. の文が少しやっかいです。今回の事件と並んで、前に取り上げられ ていたイスラム教徒の画家Maqbool Fida Husainに対する襲撃のことも触れて います。

(3段落)
これらの活動家達(保守主主義者)は、自分たちがインドの心と精神の擁護者で あり、伝統文化を継承するものと主張している。彼らが代弁しているのは、ビ クトリア時代の(イギリスの)中産階級の道徳であり、カーマストらを生み、 Konarak や Khajurahoのエロチックな彫刻を生んだ土地(インド)のものではな い。私はOxfordで教育を受けたベンガル人の英語教授の話を聞いたことがあ る。彼はkissという単語を(恥ずかしくて)発音できなかったので、kissという 単語が出てくると、ハミングでごまかした。インドでは検閲によって数年前ま ではキスシーンは許可されていなかった。

(4段落)
衛星放送のおかげで、都市の金持ちの若者達はこうした堅苦しさは無くなって きている。Cosmpolitan誌インド版や、ニューデリーの新聞の日曜版はセック ス関連記事を載せている。だからといって政治的打算と結びついた恥ずかしさ を完全に追い払ったわけではない。Husainはイスラム教徒だったから、糾弾さ れたのであり、絵画が20年前のであろうと、ヒンズーの神々がほとんど裸体で あろうと、復古主義者達には関係のないことだったのだ。

(5段落)
ミスコンテスト関して言えば、選挙政策をさがしていたヒンズー国家主義者達 には西洋の退廃に怒りをぶっける絶好のチャンスだった。偏執的左翼は多国籍 企業の搾取を弾劾し、フェミニストは女性の品位を汚すと批判したのだ。他の 批評家はスポンサーだった化粧品会社を画一的理想の美人を押しつけるものと こき下ろした。 全国紙The Pioneerのコメントによれば、出身国が表示されて いなければ、バービー人形のパレードであり、みんな同じMantelの工場から出 荷されてきたように見えるということだ。

(6段落)
フェミニスト達はただ嫉妬しているだけだ、と笑っているインド人もいる。他 の人はわずか3週間前には当の超国家主義者達はcrotch-grabbingの MichaelJacksonを歓迎したじゃないかと指摘している。Michaelは売上の一部 を、前もってヒンズー教の慈善事業へ寄付すると約束していたのだ。そして多 くの人々がこうした反対者が何故怒りを児童売春とか花嫁の焼身自殺とかその 他の社会悪に向けないのかと問いかけた。

(7段落)
しかし、コンテストを実際に弁護する人はほとんどいない。これは貧困な社会 の中で華やかな美の祭典を催すことの道徳的審美的不調和を感じているからだ と思う。美女達と夕食を共にする切符の代金が、普通のインド人の年収330ド ル以上だと言うことは良心的とは言えない。抗議運動を快く思わなかった人々 でさえ、こうした華やかな祭典が国益にかなうかどうか不思議に思ったのは無 理もない。

(8段落)
たぶん主催者の映画界のアイドルAmitabh Backchatは、アトランタオリンピッ クに続いて国連の安保理の椅子を逃した不幸続きのインドのためを思ったのだ ろう。ともかくインドはミスワールドの栄冠を2度も獲得している唯一のアジ アの国なのだ。しかし疑い深いことで有名なインド人にとって、Backchatにそ れが何の意味があるのだと問いたかったのだ。さらに重要なことは彼らは国際 化というのが、ミスコンテストであれ外国の投資であれ、高価なパンや手ので ないサーカス以上のものをもたらしてくれるという再保証を望んでいるのだ。

YUKI



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