選民思想の克服を!!!(TIME/VIEWPOINT Nov.1


みなさん、こんにちは。

Greenyさんが、Best Fiveに選び、私もとてもよいと思うTIME NOV.11の VIEWPOINT(p.36)の記事です。

TITLEはFighting the "Psyche of a Superrace" です。優等民族の心と戦うこ と、という意味です。優等民族というとナチスとかニーチェを思い出します が、ここではユダヤ人が自分たちのことをそう思っているということです。 SUB TITLEは「パレスチナ人はイスラエルは自分たちを平等なものと考えなけ ればならないと主張している」です。

Netanyahu首相のリクードの考え方では、未来はない。無知(Blindness)は、常 にイスラエル・パレスチナの争いの大きな原因だったが、たいていはイスラエ ル人のパレスチナに住む非ユダヤ人への無知が原因だった。ユダヤ人にとっ て、歴史は、自分たちに関係のない非ユダヤ人の歴史は存在しないも同然であ り、あるいは二次的で取るに足らないものだった。

例えば、現在進められているエルサレムの3000年のお祝いだ。イスラエル人に とって、これはダビデ王に始まる歴史のことだ。そして他のすべての歴史は過 去も現在も未来も、ユダヤ人に関わりがなければ、忘れられてしまうものなの だ。あるいはHerodian Wallヘロデ王の壁は、Jewish Templeユダヤ寺院の西の 境界を示す唯一の遺跡と言われている。しかしこれはヘロデ王のヒッタイト族 への捧げもの、すなわち他の文明にとっても記念碑であるのだ。さらにユダヤ 人の先祖と言われるアブラハム自身のことを考えてみよう。この族長は息子イ サックの子孫達(ユダヤ人)によって、独占されている。しかしパレスチナ人が アブラハムの長男イシュマエルの子孫であるならば、彼らは本当に劣等民族な のだろうか。

もちろん歴史は、古代の兄弟間の競争について述べるだけなら、何ら害はな い。歴史家や考古学者や言語学者が専門文献の中で論争すればよい。不幸なこ とに、聖書の歴史は入植者、軍人、政治家の心に刻み込まれているし、普通の 人々も影響を受けている。イスラエル人が゛他者(the Other)を見る見方、あ るいは彼らとの平和についての考え方に影響を与えている。その結果領土返還 とかパレスチナ人に自由をあたえることは好意とみなし、パレスチナ人の反対 とか議論は、それがいかに道理にかなったものであっても、侮辱であり不快な ものと受け取るのだ。

無知のために他者を平等なものと考えることが出来ない。その結果パレスチナ の若者が通りかかれば、入植者から銃で撃たれるし、検問所ではパレスチナ人 はイスラエル兵の威圧的な態度に苦しむのだ。さらに彼らが持っている石と土 地は、トンネルを作ったりバイパスを作る口実になる。ここで示されているの は個々人の優等種族の心理だ。自分たちは優れており、神の計画の中では特別 な地位を占め、未来は自分たちのものになると考える考え方だ。平和というも のは、たとえそれが神の命ずるものだとしても、そうした条件の下では実現し ない。

平和を実現するためには、多国間の過去・未来の洞察力が必要とされる。それ には社会的多元主義、寛容、尊敬が必要だ。何よりも、他者もまた父であり母 であり息子であり娘である、すなわち正しく生きている生身の人間だと見る能 力が要求される。

現在のリクード主体の政府にはこういった視点が欠けている。今のままだと 争いになるだけだ。甘い言葉や、リップサービスに気をつけよう。交渉がはか どらなかったり、つらい結果をもたらしたり、部分的な成果であっても落胆し てはいけない。本当に問題なのは、現政府が見通しを持っているかということ なのだ。それとも彼らはYitzhak Rabinが自分の命を犠牲にしてまで支払っ た、その成果は単なる幻想だとでもいうのだろうか。

おそらく、すべての争いの下が以上述べた理由によると言っては、単純すぎ るし不公平だろう。確かにパレスチナ人やアラブ人のユダヤ人観にも偏見があ る。しかし他者の歴史やある土地への執着にも理解を示せば、和解は成立する だろう。土地を二国で平等に分け、エルサレムは分割せずに共に両者の聖地と しよう。あるいは全土を両国民の個々人で平等に共有しよう。2つの国であれ1 つの国であれ、未来を相互の尊敬と思いやりと理解の上に築こう。

正義は、おそらく神の命ずるところだろうが、このほかに考えられるだろう か。

筆者はエルサレムのAl-Qudsの学長。イスラエルの良心が、ひしひしと伝わっ てきます。

YUKI



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