悪の遺産


01509/01509 YHJ00031 YUKI 01509/01509 YHJ00031 YUKI 悪の遺産 ( 2) 96/11/04 09:36

Greenyさん、こんにちは。

NEWSWEEKでも取り扱っていたHolocaust犠牲者の財宝の行方のTIME版です。

第2次大戦前にスイスの銀行の秘密口座に預金をしていた多くのユダヤ人が収 容所を生き延びたとき、銀行側は彼ら及びその遺族に支払いを拒否した。書 類・記録の不備がその理由だが、多くの人は書類どころか戦禍によってすべて を失っていたのである。

50年後、国際的圧力によって当時の情勢がわかり始めている。ポーランド系ユ ダヤ人のHolocaust犠牲者の預金が、戦後東欧の共産党政府によって没収され たスイス国民の保証に当てられたという証言が出ている。またユダヤ人の団体 は戦前の預金者リストの一部を公表した。

ユダヤ人側はこれを決定的証拠だとしている。ユダヤ人側はスイス銀行はまだ 預金を保管しているはずだとし、その額は元利合計で30億$から70億$に達する としている。その他にもスイス国立銀行(?)はholocaust犠牲者の歯から取り出 された金塊を保管しているはずと主張している。

スイス銀行の一部から提出された記録がまもなく公表される。

アメリカ・スイスの調査委員会が休眠口座を調査中である。休眠口座は長い間 取引がなく、名義者と連絡がとれないもののことです。スイス銀行側の調査に よれば、その全額はわずか3200万$ということだが、委員会側はto turn over as many stones as we can so things can be put to bed.ことを願ってい る。

事態を困難にしているのは、当時のドイツ及びナチス支配下のユダヤ人達は、 スイス銀行に口座を開くに当たって生命を賭して違法にこれらの預金を行った ということがある。その際仲介人の手を通している場合も多いが、これらの仲 介人が勝手に預金をおろしていることもある。口座番号と並んで、仲介人の問 題があるわけだ。

アメリカ政府も完全な早急の事情調査を約束した。ユダヤ人たちは200億$の集 団訴訟を起こした。スイス政府によると,This publicity is really killing us. ということである。

事態の進展はスイスの歴史の暗部をも明らかにした。ナチが支配地域の銀行や 個人から略奪した膨大な金塊がスイスに渡り、その額は5億$にのぼるというこ とだ。1945年アメリカ軍はナチの多くの財宝が隠されているのを発見したが、 1946年に連合国側はスイスとの間ではわずか6000億$を略奪された諸国に返還 することで合意している。

スイスだけが過去の負の遺産を背負っているわけではない。フランスベルギ ー、オランダ、スウェーデン、ノルウェーもそうである。

スイス側も最大の努力をしているが、早期に全容解明は出来そうにない。1946 年のスイスとの協定で米英仏が受け取った5.5トンの金塊をどうするかについ ても意見が分かれている。

結果的に生存者にわたる金額は多くはないだろうが、This is not about money. This is about justice.生存者はようやく報われるときが来たが、 スイス側は正直という定評の綻びを繕わねばならない。

NEWSWEEKとどちらが気に入りましたか。

YUKI

01513/01513 BXK06702 Greeny RE:悪の遺産 ( 2) 96/11/04 20:37 01509へのコメント

YUKIさん またまた、こんにちは。(^^)

この連休を狙って、TIMEがこないとは!!! ぷりぷり。。。

Holocaust犠牲者の財宝の行方のTIME版サマリー、とても興味深く 読ませてもらいま した。ありがとうございました。

>>アメリカ政府も完全な早急の事情調査を約束した。ユダヤ人たちは200億$の集
>>団訴訟を起こした。スイス政府によると,This publicity is really killing
>>us. ということである。
集団訴訟うまくいくんでしょうか? よくは わからないんですが、財宝の返還運動. ..うまく運ばないこと多いんですよね。 しかし スイス政府を揺さぶるほどのものとは、考えてもみませんでした。

>>第2次大戦前にスイスの銀行の秘密口座に預金をしていた多くのユダヤ人が収
>>容所を生き延びたとき、銀行側は彼ら及びその遺族に支払いを拒否した。書
>>類・記録の不備がその理由だが、多くの人は書類どころか戦禍によってすべて
>>を失っていたのである。
つらい話しですが、... 日本でも似たような.. ユダヤ人の中でもほんとの実力者達 は...と いろいろ考えさせられました。 Holocaust描いた映画「ショア」でしたっけ、一度は見ておかなくてはと思うのです が。 でも これと アラブ人に対するイスラエルの対応が どうしても 結び付きません。

>>結果的に生存者にわたる金額は多くはないだろうが、This is not about
>>money. This is about justice.生存者はようやく報われるときが来たが、
>>スイス側は正直という定評の綻びを繕わねばならない。
そうあって欲しいものですが。今後の動き、ほんと気になります。 ちょっと不謹慎ですが、ミステリーやらスパイ小説より、おもしろいですね。 (私、ミーハーなので、スミマセン)

>>NEWSWEEKとどちらが気に入りましたか。 はい、こちらの方が。 TIMEの方が、わかりやすいんです。(背景知識なくても) それとも、今回はYUKIさんのまとめ方がお上手だったかもね。(^_^)

Greeny


Greenyさん、こんにちは。

まずは、訂正です。

>>事態の進展はスイスの歴史の暗部をも明らかにした。ナチが支配地域の銀行や
>>個人から略奪した膨大な金塊がスイスに渡り、その額は5億$にのぼるというこ
>>とだ。1945年アメリカ軍はナチの多くの財宝が隠されているのを発見したが、
>>1946年に連合国側はスイスとの間ではわずか6000億$を略奪された諸国に返還
>>することで合意している。

6000億$では、ありません。6000万$です。6000億$だと、記事の中で一番大き な数字になってしまいます。数字を書いているときは、特に気を付けていたつ もりなんですが、やはりミスってしまいます。

>>この連休を狙って、TIMEがこないとは!!! ぷりぷり。。。

私の所より、郵便が遅いところがあるとは、驚きました。(^^;)

>>Holocaust描いた映画「ショア」でしたっけ、一度は見ておかなくてはと思うのです >>が。
>>でも これと アラブ人に対するイスラエルの対応が どうしても 結び付きません。

私は、最近の映画のことはよく知りませんので。

しかし、ユダヤ人はあれほどの犠牲を出しながら、何故今度はパレスチナの人 々に対して、厳しい態度をとるのか。民族性は変わるということでしょうか。 第2次大戦前の軍国主義日本が平和主義になり、武器を持たなかったユダヤ人 が国家建設とともに最強の(まあ、いい加減な表現であることは許してくださ い)軍隊を作り上げた。歴史の皮肉というか、別に当事者にとってはあたりま えなことかもしれませんが、外から見たら奇異に映るかもしれませんね。

なお、ユダヤ人にはスファラディとアシュケナージの2つの流れがあります。 アシュケナージ系はヨーロッパ系で、スファラディ系は地中海南部及び中東に 住んでいた人々の子孫です。現在のイスラエル指導者のほとんどがアシュケナ ジー系です。ユダヤ人は、アラブ人などともにセム族(Semite)のはずですが、 これはスファラディ系にいえること。イスラエルのタブーともいわれるこうし た歴史的背景が絡んでいるのではないかと思いますが、どちらにしても共存の 道を探って行くほかないと思うのですが。

TIMEの記事の導入部を、かなりはしょっています。入れた方が読みやすかった とは思うんですが。TIMEが来て、読み終えたらまた感想をお聞かせください。

YUKI


YUKIさん こんにちは。

昨晩 この記事読みかけたんですが、なぜか、寝てしまいました。(^^;) つい この前までは 朝起きて頑張ったりしたんですが、...そう、4時すぎに目がさ めたこともありますが、今は元どおり。 寒くなってくると、よけい朝 起きづらくな ってきますね。

TIMEの記事、YUKIさんので大意わかっていたので、すっと読めたような気して、もう 一度NEWSWEEKみたのが いけなかった。混乱して... ニューズウィークはBIS中心、Nazi Goldの行方に焦点あてて話しすすめられてるんで すよね。でもSwiss National Bank も出てくるし。 TIMEは スイス銀行の対応、Holocaustを生き残ったユダヤ人たちが、自分たちの預金 すら回収出来なかったことから始まって、NaziのGold,財宝などの処理なども解説し てるのかな。数字も、スイスでの the residual goldのことも、書き方 微妙に違っ てるみたいだし。 う〜ん....なんか、わからなくなってきてしまいました。

ということで、まともな感想なんて言えないんですけど。(^^;) 心に残ったのが、p.44中段 "It's funny. He was able to protect his money from the Nazis, but not from the Swiss." そして最後にBritish Foreign Office spokesmanが goldを生き残った犠牲者たちに 返還することが、"highly unlikely" と言っていた...です。

それにしましても、やはり なぜ50年たった今、急に(経緯しらないから、そう見え る) このことがクローズアップされてきたか、よくわかりません。 アメリカがいつも見え隠れしてるみたいで、under immense international pressure って、やはり アメリカの意志が大きく働いてるのかな??って気がしました。

>>なお、ユダヤ人にはスファラディとアシュケナージの2つの流れがあります。
>>アシュケナージ系はヨーロッパ系で、スファラディ系は地中海南部及び中東に
>>住んでいた人々の子孫です。現在のイスラエル指導者のほとんどがアシュケナ
>>ジー系です。ユダヤ人は、アラブ人などともにセム族(Semite)のはずですが、
>>これはスファラディ系にいえること。イスラエルのタブーともいわれるこうし
>>た歴史的背景が絡んでいるのではないかと思いますが、どちらにしても共存の
>>道を探って行くほかないと思うのですが。

イスラエル建国の前は、かの地で共存していたのは、指導層ではないのですか。 ふ〜ん...むずかしいんですね〜。

Greeny


GREENYさん、こんにちは。

>>心に残ったのが、p.44中段
>>"It's funny. He was able to protect his money from the Nazis, but not from
>>the Swiss."

個人のエピソードを具体的に書いて、記事を読みやすくしたほうがその記事の 信頼性も増すんでしょう。ESTELLE SAPIRの話は、何千人というユダヤ人の経 験の象徴ですからね。

>>それにしましても、やはり なぜ50年たった今、急に(経緯しらないから、そう見え
>>る) このことがクローズアップされてきたか、よくわかりません。
>>アメリカがいつも見え隠れしてるみたいで、under immense international pressure
>>って、やはり アメリカの意志が大きく働いてるのかな??って気がしました。

天の下では、何事にも定まった時期があり、すべての営みには時がある(伝道 者の書)からでしょうか。それとも天網恢々粗にしてもらさず、なのでしょう か。いずれにしても長い間苦しみ続け、そのことのために一生を捧げてきたよ うな人がいたことだけは確かです。この事件がどういった展開になるか、私も 興味がありますのでわかったら書きます。GREENYさんも、何か気づいたらお知 らせください。

>>イスラエル建国の前は、かの地で共存していたのは、指導層ではないのですか。 >>ふ〜ん...むずかしいんですね〜。

ユダヤ人といっても、2000年も経てば変化していくのが当たり前でしょう。人 口比率はどうなっているのかは知りませんが、ユダヤ人の子孫がずっとパレス チナに住んでいたのは事実です。その人々が現在のイスラエルを指導していな いのも確かなようです。聖書があってユダヤ人がいる、と考えることが少し無 理なのじゃないかという気もするんですが。

YUKI



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