イスラムはどこにいく


Greenyさん、改めてこんにちは。よろしくお願いします。

今週のTIMEのカバーストりーは東南アジアのイスラム教徒ですが、私の知識は限られて います。記事で述べられている内容はほとんど知りませんでした。 出てくる人名・地名はほとんど未知のもの。したがって以下は、TIMEの記事の要約では ありません。TIMEの記事を読んで感じたことを書いてみます。

1960年代、世界でSTUDENT POWERの嵐が吹き荒れたとき、東南アジアも例外ではなかっ た。南シナ海を隔てた2人のイスラム学生が、社会変革を夢見て友情を育てた。 それから30年、2人の道は大きく隔たった。ANWAR IBRAHIMはマレーシアの副首相に、 NUR MISUARIはモロ民族解放戦線を率い、フィリッピン国内にいられなくなり、20年以上 の亡命生活を余儀なくされる。 ところが運命は今年再び2人を結びつける。ANWARとマハティール・マレーシア首相の助 言でモロ族と フィリッピン政府は歴史的和解を成し遂げ、9月2日に平和協定を結んだ。

TIMEの記事はこの2人を縦軸に、横軸に知られざる東南アジアの識者のコメント、事件を 織りまぜて私が知らなかったことをいろいろ教えてくれました。

まず東南アジアでは、ISLAMは他宗教にたいして寛容であるということ。「イスラムは微 笑みながら解放勢力としてやってきた。ヨーロッパ人は貿易を独占し、キリスト教と共 に暴力をもたらした。」 これは貿易商人がISLAMをもたらしたこと、都市の住民、支配者階級からひろまったこ と、東南アジアの人々の気質に関係があるのでしょう。

たしかボスニアヘルツェゴビナでも、イスラム教徒は都市住民・知識人が多かったと思 います。しかし同じ人種が違う宗教を信じたために起きたボスニアの悲劇は、少なくと も東南アジアではそんなに酷くなかったということでしょう。

今、中東中心と考えられたイスラムの世界に、東南アジアのイスラム教徒が自信を持っ て、その存在を主張し始めたようです。東南アジアの知識人たちの語るイスラムの実像 は、ヨーロッパの偏見を通してイスラム観を構成しがちな私たちのイメージを修正して くれます。

15,6世紀まで世界の文明の中心地を誇り、その後野蛮なヨーロッパに蹂躙されたアラビ ア・ペルシア地域。彼らが数百年たっても抱くその怨念の深さ、歴史観の違いは私には よく理解できません。時間の観念が私たちと違いすぎます。一言ではいえないにして も、その結果として原理主義者たちが活動する余地が生まれたのならISLAMの栄光はます ます遠ざかるでしょう。

しかし、東南アジアのISLAM教徒たちにはそんな動きは無関係です。ANWAR IBRAHIM自身 が語るように、「アラブ人、トルコ人、ペルシア人の過去の栄光を引きずっていないだ けに、より現実を見つめることが出来る」のです。この地域がMELTING POTにはなり得な いこと、各自が自分のIDENTITYを確立して、お互いを尊重しあうという現実感覚を持っ ているようです。 「多様性の中の統合」という壮大な実験を今しているのです。いくらかの不安を残しな がらも、フィリッピンの歴史的和解に象徴されるような、宗教が社会的・経済的進歩の 妨げにならないような、そんな社会を目指し始めたようです。

「メッカは永遠に聖なる都市であることに変わりはないが、文明の中心は変わる」The Kolan says the people who lead the world can change, that everyone has his own time. The time of the Middle East to lead the Muslim world may be over.と彼ら の一人が言っていますが、私も同感です。

東南アジアが近い将来の世界で果たすであろう息吹が感じられます。日本も、この若さ を失ってはいけないと思うのですが。

たしかにかつてのイスラムの世界は、華やかでした。彼らなくしては、ギリシア文明の 遺産も伝わらず、ルネッサンスも花開かなかったはずなのです。ユダヤ人たちもイスラ ムの世界では、自由を満喫し、キリスト教徒たちに迫害されたのは歴史的事実。今、ユ ダヤとアラブが対立しているのを見るにつけ、歴史の皮肉を感じます。「アラビアンナ イト」と「ルバイヤート」の愛読者として、平和なISLAMが実現するといいですね。

TIMEの記事を正確に読み終えた自信はありません。分からない単語だらけですが、ほと んど確認しておりません。誰か、コメントをお願いします。

このFORUMに入ったおかげで、久しぶりにTIMEを熟読したYUKIでした。



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