恐竜は鳥になった(6/14)


The Sunday Times 6/14の記事からです。恐竜は滅びたのではなく、実は鳥と なって今も生き残ったのだ、という話しのようです。本当でしょうか。

*Missing link shows dinosaurs 'escaped'
by Erling Hoh Sihetun, China

今まで知られていなかった 1億2000万年前の生き物の化石が中国東北部で見 つかったようです。そして古生物学者はこれを恐竜が鳥に進化したことを証明 するmissing linkだと歓迎しているようです。

この生き物の化石はLiaoningの農夫によって発見されたのですが、 Caudipteryxと名付けられた。その化石を研究した科学者によれば、恐竜は絶 滅したのではなく、鳥になったということのようです。もちろんこの Caudipteryxは全長3フィートの羽の生えた生き物のようですから、正確には恐 竜の中で鳥になったものがいる、ということなのでしょう。

6月23日にNational GeographicとNatureが共同で記者会見をして詳細を発表 するらしい。そのとき6つの化石の板が公開されるようですが、それが恐竜か ら鳥へ進化するfour distinct stepsを示しているというわけです。これは4段 階ということではなく、進化を示す4つの特徴点があるということだろうと思 います。

どうもSinosauropteryxから、ProtarchaeopteryxとConfuciusornisの間に今 回見つかったCaudipteryxは位置するらしい。少し解りにくいので整理してみ ると、

1. Sinosauropteryx ・・・恐竜。背中に荒毛のような繊維を持つ
2. Caudipteryx・・・ほっそりした羽を持つ
3. Protarchaeopteryx・・・大きな羽を持つ肉食性の鳥
4. Confuciusornis・・・くちばしのある鳥


1のSinosauropteryxが3や4のProtarchaeopteryxとConfuciusornisに進化した と考えていた古生物学者は今までも結構いたようですね。今回Caudipteryxが 見つかったSihetunは寒村で、現在は白亜紀のポンペイと呼ばれているとか。 その乾燥した天候のおかげで、ここからは先史時代の植物・昆虫・魚・両生 類・ほ乳類・鳥・恐竜の化石が見つかっている。保存状態も良うなようで、 Sihetun siteは今世紀で最も重要なすばらしい化石発見地だという専門家もい ます。

4のConfuciusornisは始祖鳥Archaeopteryxに次いで古い鳥のようですが、やは りSihetunで1994年に見つかっている。この鳥はどうも1と同じような荒毛 bristleを持っているようですが、その写真が1996年に発表されてからも、鳥 類学者はそれを未発達の羽としてきたようで、恐竜が鳥に進化したという説に は懐疑的であった。古生物学者は、はっきりとは書いていませんがどうやら進 化支持者が多かったのかなという感じです。だから両者の間で激しい議論が闘 わされたこの問題に、今度の発表は大きな意義を持つわけですね。

進化論とは別に新たな問題も出てきた。羽は何のために進化したのか、という 問題です。 あまりにも簡単な問いかけのようですが、そうではない。 insulationのため?decorationのため? flightのため?身を守るためか、装飾の ためか、それとも飛ぶためか。というのは3と4のProtarchaeopteryxと Confuciusornisの羽は左右対称symmetricalで飛ぶことは出来ないそうです。 これは私には何故か良く解りませんが。鳥で飛ぶことが出来た最初のものは、 やはり化石がSihetunで見つかっているLiaoningornisだそうです。始祖鳥も飛 ぶことは出来なかったということになります。

化石といえば、中学3年生の時、友達が化石が出るところを知っているという ので2・3回行ったことがあります。確かに木の葉や貝の化石が次から次に出て きました。私は大分採集して家に持ち帰りました。普通見られるように岩では なく、砂岩のようなものでした。周りの中学生や大人は誰も関心を持っていま せんでした。しかし高校になったときには、その場所は道路拡張のために無惨 にも崩されていました。一種のあきらめと悲しさを感じましたが、そのうちに 私が持っていた化石もぼろぼろになってしまった。

あれはどういうことだったのか。多分新しく道路を作る場所に化石が出てき た。そしてそれを聞きつけた友達と私が2人あるいは3人で出かけた。しかしそ こは保存されることなく、そのまま切り崩された。当時から私の地元でも、 漣(さざなみ)の化石ということで、かつて海であった土地が今は陸地にある ところを大事にしているところがありました。そして今なら、各種の保存運動 も盛んですから、大々的な運動が起きるかもしれない。しかし私は当時あまり その地のことは知らなかったし、やがて故郷を離れた。後で故郷に帰って、化 石があったことを話しても、誰もあまり関心がないか、信じませんでした。当 時の日本は、高度経済成長のまっただ中。

私は恐竜の名前はマイケル・クライトンの小説を読んだときには、大分知って いた筈なのに、今ではさっぱり覚えていません。



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