よみがえるヒッチコック(6/7)


*Horror over Hitchcock remakes by Christopher Goodwin, Los Angeles

いまやハリウッドでもっともひっぱりだこの監督はSteven Spielbergでも James Cameron でもQuentin Tarantinoでもない。今は亡きヒッチコックだそ うです。少なくとも、彼の6作品が、再映画化の計画があるようです。1年くら い前に、TIMEのESSAYで彼の「めまい」のリメーク版が上映されているという 話しを読んだことがあります。あれは、白黒作品を現代風にカラー仕立てにす るという内容でした。今回のはそれと違って、ヒッチコックの作品の原作を別 の監督が映画化するということのようです。その6作品は「ダイヤルMをまわ せ」(新作品名はA Perfect Murder)「サイコ」「白い恐怖」「裏窓」「39 夜」「泥棒成金」です。

当然賛否両論があるようです。1959年に「北北西に進路をとれ」に出演した Martin Landauは反対。「ヒッチコック以上に彼の映画をうまくとれる監督は いない。」

この議論は非常に微妙な問題を含んでいるから、「ダイヤルMを廻せ」で妻を 夫の役割を演じたMichael Douglasは、A Perfect Murderがヒッチコックのリ メーク版ということを否定している人もいる。原作のFrederick Knottの劇を 基にした作品だからというわけです。Michael Douglasは今度もまたまた主役 のようです。Dial M for Murderは1954年の作品ですが、A Perfect Murderは 今週アメリカでは封切られるようです。しかしいずれも大分前の作品なのに、 出演者がよく生きていたな、という感じですが、40数年くらい前に20代で主役を 演じたとしたら、まだ70歳前後ですから、当たり前ですね。ヒッチコックが死 んでしまって、バーグマンやらグレース・ケリー、ジェームズ・スチュアート といった出演者の中にも亡くなった人が目立つから、ヒッチコックの作品に出 演した人はみんな死んでしまったのかと一瞬錯覚したようです。 (^^;

ダイヤルMには批評家の反応は厳しいようです。オリジナリティはほとんどな い、とか。しかしBergmanとGregory Peckが演じた「白い恐怖」Spellboundの 場合、女性精神科医、記憶喪失の男性患者、それだけがヒッチコックの作品と 共通で、他はかなり違うものになるらしい。まったく別の作品になるかもしれ ない。これに対して「サイコ」は、カラー作品ということを除けばヒッチコッ クの作品とほとんど同じ内容のようです。「裏窓」では、Supermanを演じた Christopher Reeveを主役を演じるようです。病室の中から対岸の建物の殺人 事件を目撃する映画だから、半身不随の彼にはぴったしかもしれません。

ヒッチコック自身はリメーク版には必ずしも否定的ではなかったらしい。彼自 身1934年の「知りすぎていた男」を1956年に改めて制作しているから。しかし 去年「めまい」のカラー化の仕事を監督したJames Katzによれば、「ヒッチコ ックは今でも通用するから、彼等はヒッチコックのリメーク版を作るのだ。しか しもし今でも通用するのなら、何故ことさらリメーク版などを作る必要がある のだ」これは私も納得します。私ももう1度見るとしても、ヒッチコックが監 督した作品で見てみたい。

私はここにあげられた作品は大体見ている。「泥棒成金」がはっきりしないの ですが、もしかしたら見ているかもしれない。彼の作品は、昔衛星放送で放映 されたものを録画していて大体主要作品は持っています。もしかしたらまだ見 ていなかったものがその中にあるかもしれない。



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