糖尿病はウィルスによって起こる(5/30)


*Diabetes in children may be spread by school virus

糖尿病は、ウィルスによって起こる、というタイトルを見たときには信じられ なかった記事です。もっともここでの糖尿病は主として学童schoolchildren のことのようです。成人についてはあまり書いていないようですが、もしも大 人にも当てはまるということがいえたら、これは大発見ですが・・・

イギリスでも子供たちの間に糖尿病が広がっている。今までの常識としては食 事poor dietが、主な原因だということで一致するのではないかと思います。 ところがグラスゴーにある地域ウィルス研究所のDr Geoffrey Clementsによれ ば、子供たちの間ではウイルスによる相互感染(cross-infection, 辞書では交 差感染となっていますが、ちょっと違うような気がします)が主な原因である 可能性が高い。そしてそうしたウィルスに感染しやすい遺伝子があるのかもし れない。

だから,はしかや、おたふくかぜ、風疹などを治すワクチンと同様に、糖尿病を 治せるワクチンが出来れば、糖尿病は少なくなるのかもしれない。

どうも長い間謎だったのは、子供たちの糖尿病が新学年直後、冬、春に発生が 多いということだったらしい。このことがもしかしたらウィルスによって糖尿 病が発生するのではないか、そのヒントになったわけです。糖尿病にも季節性 があるというのは、私は初めて知りました。

一番犯人として疑われているのは、Coxsachie B4と呼ばれている腸内ウイルス で、どうもこれはいくつかのガンを始め、かなり広い病気の原因であると考え られているらしい。

糖尿病は血糖値を規制するホルモンインシュリンの不足によって起こる。症状 としてはひどい渇きがあり、時として昏睡や死を引き起こす。初期の段階で は、糖分の摂取を控えることで治るが、ひどくなればインシュリン注射が必要 だし、しばしば視力に影響がある。死ぬ場合もある。この辺の知識は私も漠然 とながら知っています。

インシュリンは膵臓内のLangerhansと呼ばれる組織から分泌されるようです。 そして糖尿病の最悪の症状、Type 1として知られているものでは、免疫システ ムがこの組織を攻撃破壊し、インシュリンの生産が出来なくなる。だからたと え初期の症状であっても、その治療にはインシュリン注射が必要になる。この Type 1が子供たちの間に急速に広がっているようですから、事態は深刻です ね。

最近までこうした免疫システムのLangerhansへの攻撃破壊はDNAがひき起こす ものと考えられていた。しかしどうやらこれがウィルスによって生じるというこ とらしい。だとすると、これは成人の糖尿病患者にも当てはまることかもしれ ませんね。

さらにこのType 1の場合、Langerhansへの攻撃破壊は糖尿病だと分かる前に完 成していることが多いらしい。だから対策のとりようがないのでしょう。それ を防ぐために特に子供たちにはワクチンによる予防が重要な意味を持ってくる ようです。

Coxsachie B4の中には11の蛋白質が見つかっているようで、そのうちのどれが 膵臓への攻撃を免疫システムに命じるのかの研究を今しているようです。

糖尿病はイギリスでは死因の4番目、成人失明の原因としては1番目のようで す。日本でも事情はあまり変わらないかもしれません。しかしこの記事には最 初から驚かされました。あまり医学的知識のない私ですが、それでも読み終わ った後でもなかなか信じられない。まあ真面目な記事だとは思いますが、 Sunday Timesでは今でも信じられないような記事を大分読んできました。 これが本当なのかどうかは、私にはさっぱり分かりません。(^^;



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