復活するモルモンの一夫多妻制(98/1/11)


* Mormons find new passion for polygamy
Church still frowns on multiple marriages but society is showing more tolerance

モルモン教の一部で、一夫多妻が復活してきた。主流ではないが、教祖の教え に返れということで、これはモルモン教原理主義とでも言えるのでしょうか。 彼らは教会主流派の反発もなんのその、自分たちの教会を設立しているよう で、社会全般の動きと相まって、極めて快適に過ごしているようです。 (^^;

例えば、Bart Malstromは、38才になる薬草の製造業者ですが、4人の妻と12人 の子供たちとモルモンの州ユタで一緒に生活している。妻の年齢は37才、33 才、27才そして22才です。27才と22才の女性は実の姉妹です。他人の結婚生活 の4倍を享受できるというわけで、Malstromはもちろんなんら良心の痛みは感 じていません。

こうした一夫多妻が、ユタ州では増えてきているようです。アメリカの道徳の 衰退を嘆く宗教的原理主義者が元気を取り戻す中で、こうした動きはあまり気 づかれずにいる。

Malstromの経験によれば、2人の妻しかいないときは、お互いの妻が嫉妬して 地獄だった。しかし多々益々弁ずというわけでしょうか、妻の数が増えれば増 えるほど均衡がとれてきた。But the more you add, the more it is balanced out. これには妻達も同意しているようです。

もともとが一夫多妻を認めていたモルモン教は、1890年に連邦政府から、自分 たちの州としてユタ州を認められたときに、一夫多妻制度を廃止した。だから 公式のモルモン教の教会ではそれ以来一夫多妻制度をwhoredom、つまり売春あ るいは偶像崇拝として排斥してきたのですね。ただ完全に無くなってしまった のかどうかは分からない。本文にもforced undergroundとありますから、地下 に潜ったということは、一部は細々とであれ、行われていた。まあこれは実質 他の社会でも認められていることかもしれませんが、問題はイスラム等にも見 られるように、各配偶者の権利が絡んでくるでしょう。さらに宗教的裏付けが あるとすると、日本などの現代風にいえば妻と愛人の関係とはやはり全く同じ というわけには行かないと思います。

現代の推定では、一夫多妻制度を実践している人々は、家族も含めて35000 人。これは19世紀のモルモンの指導者ブリガム・ヤングの時代より多い。ヤン グは16人の妻と56人の子供たちがいたということです。

宗教的迫害はもはや彼ら一夫多妻主義者には関係ないらしい。自分たちの教会 を持っているから、教会から排斥・破門される心配もない。だからその活動が 根付き始めた。

8人の妻と9人の子供がいる建築業者のRocky Bakerによれば、「私たちの親た ちは苦労した。今では他人の個人生活には立ち入らないから、楽だ。私たちは 初めて社会から認められたと感じている」ということです。

彼らの解放性は、建築にも見られるようです。家族が多いから、かつての教会 を数十の部屋に改造している人も何人かいるようです。その他にも例えばある 金融業者は飛行機のプロペラの形をしたマンションを建てた。10人の妻と28人 の子供のために、37の浴室と31の寝室があるそうです。また3人の妻がいる別 の男は、1軒の家を3つのフラットに分けそれぞれの妻を住まわせている。入り 口も別です。心配りとして、どの寝室も(壁を隔てて)隣り合わないようにして いる。

一番最初のMalstromの例では、中央に最初の妻が住む家があり、その回りをリ ング上に他の3人の妻と子供たちの家が囲んでいる。彼は2晩交代で各妻の家を 回り、第5日目は一人で過ごすようです。ということは彼の生活は10日で1サイ クルを終えるわけです。

もちろんフェミニスト達が主張す る性的奴隷として男に従属しているという 批判を、一夫多妻を実践している妻達は正しくないと考えています。仕事を持 っていて忙しいときには、Babysitterを雇う必要もなくuハの母親が面倒見て くれますから。 (^^;その他に大家族ですから、いろんな催し物をして賑や かなのでしょう。

記事には直接書いてありませんが、当然こうした家族で育った女性も、また同 じ道を選択することが多いようですね。職業的にも:教師などについている人 もいるようですし、多分ほとんどの女性が経済的には自立に近いのかもしれま せん。このへんも教育との関連は少ないようです。ユタ州は教育水準はどうだ ったかな? 必ずしも低いとはいえないと思うのですが・・・

ただもちろん彼らをとりまく環境が少しは穏やかになったとはいえ、周囲から 浴びる視線は、やはりきついでしょうね。両親や親戚との確執もある。これは 同じモルモン教徒であっても、埋まらない溝でしょう。地域社会との関係も必 ずしもうまく行くとは限らない。さらに2番目の若い妻に多くの愛情を注いだ ために、最初の妻が他の男性と逃げてしまった例もある。

しかしそれにも負けずさらにたくさんの妻を持とうと努力している人も多いよ うです。 (^^;うらやましいような、信じられないような感覚です。

アメリカの社会風俗を読んでいると、とうてい理解できないことが結構ありま す。このpoligamyの復活も、彼らは宗教的信念の持ち主なのでしょうから法律 的・社会的慣習を無視するこ多にはあまりこだわらないのでしょうが、やはり 驚かされる。ここまで堂々と実践されると、私の理解を超える。あとNudistの 活動も理解を超える。同性愛者の結婚ならば、理解の点ではついていけるが、 感覚の点ではついていけないところも少しある。アメリカはPromise Keeperた ちが活躍していると思ったら、今度はbuルモン原理主義者達。もしかしたらま たHeaven's Gateのような宗教が今年あたり何かで話題になるかもしれない。 あまりにも自由で開放的なアメリカの社会。束縛多き社会の住人としては、た だただ唖然とするばかりです。まあしかし面白い記事でした。 (^o^)



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