Sunday Times 98-1-11


ここ2週間ばかり、全体の記事の簡単な内容を書くことを止めていました。あとから、詳しく書こうと思ってついそのままになってしまいました。今週の記事も、昨日中には、全部読んでいたのですが、なかなか時間がとれない。結構面白い記事もあるので、詳しく書きたいのもあるのですが、はたしていくつ書けるのやら。

1. Khmer clue to lost Briton
The Sunday Times obtains first eyewitness account of captivity of Christopher Howes

イギリスの地雷専門家がクメール・ルージェに誘拐されてから2年。真偽は分からないが、元ポル・ポト兵士達から、その消息が漏れてきた。それによるとカンボジア人の通訳は殺されたが、イギリス人は比較的丁寧に取り扱われていたとか。しかしイギリスの情報部が、カンボジアで調査した限りは、以前として消息不明のようだから、はっきりしたことは分からない。

2. Jakarta panic rises after hint Suharto will quit
Fresh wave of buying swept markets and shops yesterday

インドネシアでは相変わらずの経済不安で、もしかしたらかなりの困難が生じるかもしれない。人種間の紛争が起きなければいいが、もしその危険があるとすれば、またもや華僑がターゲットになるらしい。ラマ団の磁気化、中国人が祝う旧暦の正月の時が危ないとか。既に小規模な人種暴動は起きているようだ。スハルトは3月に第7期目に入るようだが、はたしてその間持つのか。彼が引退するという噂が出ると、ルピアは暴落するし、本音は辞めたいみたいだがやめれないようだ。後継者を作ってこなかったり、一族で特権を享受してきたつけが一度に出てきた。

3. Touchy-feelies take grip on Blair summit
Meeting risks being sidetracked by agenda of Clinton's liberal friends

ブレアは忙しいですね。現在日本に来ていて、来月は訪米するらしい。しかし日本には喜んで着いてきた経済界の大物も、あまりアメリカには興味を示さないらしい。お互いに投資先としては一番目だし、歴史的なつながりも深いから、あまり新しい意欲が出ないのだろうか。

4. Chirac calls crisis talks over riots
Civic leaders to consider ways of countering wave of suburban violence

フランスが大変なことになっている。数週間前には、一部のものが暴動を起こしているのかと思ったら、ここに来て失業者達が全国的に自分たちの要求を出してきた。そうした社会不安に乗じて、極右の国民戦線が勢力拡大の兆しを見せている。連立を組んでいる共産党と緑の党も、失業問題では社会党に同調しそうにはない。国民戦線も、現在の混乱を絶好の好機ととらえているようだ。25歳以下の若者の失業率は、25%にも達するようだ。長期失業者の失業手当の要求も月150ポンドの増額と300ポンドのボーナスを求めている。失業手当は、日本と違って、給付期間の制限はないようだから、これは大変な負担になりそうだ。しかし労働時間を短縮するという政策は効き目がなかったのだろうか。

5. Algeria in grip of murder frenzy
Icy silence hangs over Kherarba - in course of one night, the little mountain village had been wiped out

アルジェリアの残虐な殺戮は収まらない。6年で、約65000人。ここ2週間で約1000人。今日の新聞にも映画館での殺戮が報じられていた。以前と違って、STの記事はこの残虐さはイスラム組織の起こしたものとする論調になっている。ようやくEUが調査団を派遣することを決めた。国連も派遣するらしい。しかし人々ははおびえていて、真相が分かるかどうかはむずかしい。

6. Europeans must act now to break the cycle of death and despair
Many believe Europe can help, writes Omas Belhouchet, editor in chief of Algeria's leading independent paper

アルジェリア情勢を、独立系の代表的な新聞の編集長が論じています。ヨーロッパの介入に、期待しているようです。しかしその反面こうしたテロを実行している集団はヨーロッパに根拠地をおき、そこで資金・武器等も集めている。こうした面からは、ヨーロッパにも責任があるというわけです。さらには国内の政治が、地域主義や縁故関係で実施され、汚職も広く行われている現状では、若者が過激派に向かうのも無理はないところもあるようです。ただ殺し方が残忍すぎる。

7. Mormons find new passion for polygamy
Church still frowns on multiple marriages but society is showing more tolerance

モルモン教の一部で一夫多妻が復活しているようです。その例を詳細に紹介しています。彼らは、いわばモルモン原理主義者なのでしょうが、まあ他の人には暴力はふるわないからましか。しかしアメリカは宗教は、本当にいろいろありますね。

8. Russian secret police accused of persecuting poet
Alina Vitukhnovskaya to be confined to psychiatric hospital this week

24才の女性詩人が、麻薬を密売したかどで収容されている。彼女は、それをぬれぎぬだと主張しているようで、彼女の支持者によれば、彼女がモスクワの有力者の子弟についての麻薬情報を提供しないから、逮捕されたと主張している。彼女は3年前に逮捕され、1年間収容されたあと釈放されたが、去年10月に同じ嫌疑でまた逮捕された。どうも今度はSerbsky Institutionに送られるようですが、ここは共産党政権時代に、反体制派が虚偽の精神病診断を理由に送られた悪名高いところで、彼女も死亡する危険があるとか。それを阻止しようとして、英語新聞The Exileの編集者でアメリカ生まれのMark Amesが、彼女に会ったことがないにも関わらず、結婚を申し出ているらしい。彼女にアメリカの市民権を取らせ、その圧力で釈放させるねらいのようです。

9. Boers plan blockades to stop jailing of Botha
Former president charged with contempt after failing to appear before Truth and Reconciliation Commission

かつての南アの支配者、P.W. Bothaが、真実和解委員会の要求を無視して、聴聞会に出席をせず、そのために最高2年の刑に処されるかもしれない。これを阻止すべく彼の支持者のアフリカーナたちが、抗議の行動を展開中。Botha自身も戦う姿勢を崩しておらず、一部の白人保守派は彼が有罪とされることを望んでいるらしい。そうすれば彼を指導者として、来年の選挙を戦うつもりらしい。

10. Murders blight Cape Town's tourism boom
Government action urged to reduce killings from current rate of 63 a day

南アを愛した28才の女性が呼び起こしている波紋。彼女はAmerican Expressの旅行部門で、観光ガイドを編集して、南アの魅力を世界に宣伝していた。その彼女が恋人と殺されたわけです。

11. US in secret Iran talks bid
Letter conveyed to mullahs in Tehran through Swiss intermediaries

アフリカがスイスを通じて、密かにイラン政府に秘密会談を呼びかけていた。カタミ政権に対しては、和解の脈ありと判断しているようです。

12. Inside Washington - Mathew Campbell
'Bullet' wound fuels talk of White House murder; Now it's Bill 'n' Buddy; Mini-skirt diplomacy; For rent: one embassy

ワシントン情報。去年飛行機事故で死亡した商務長官Ronald Brownは、殺されたのかもしれない。そうした噂が、一部の黒人の間に広まっているらしい。何か事件が起こると、必ず謀略説がおきます。

クリントンの愛犬the Buddyと、First CatのSocksの仲ははたしてどうなるのか。



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