Sunday Times 12/21 その2


The Sunday Times Worldの記事の感想を続けます。

4. South African farmers hit by murder wave 
19 farmers have been murdered in the past month

あまり楽しい話題ではないのですが、南アで農民達が殺されているという話で す。どうやら黒人過激派が、いっこうに黒人の経済状態が向上していないのに 業を煮やして、白人の農民達を襲撃しているようです。

数百万の人々がマンデラがANCの議長職を退くのをテレビで見ていたとき、 JasperとJohnの兄弟は両親を殺害されるのを目撃したあと、両親の死体の側 で、2日間も過ごしていた。2人はunder sedationだったとあります。落ちつい ていた、と言うことでしょうか。実はこの20才と24才の兄弟は知的障害があっ て、武装グループが両親を殺害したあとも、状況を理解しておらず、助けを求 めることも不可能だったようです。兄弟は車椅子を使っているようですから、 事件前から足も不自由だったのだろうと思います。事件の様子も話すことは出 来ない。

しかし推測によれば襲撃者は3人。両親は夕食の準備をしているときに襲わ れ、縛られ、拷問され、助けを求めたが、殺された。50ポンドも奪われた。近 所の友人が、訪ねてきて事件が分かるのですが、兄弟は2日間何も食べていな かったらしい。兄弟が何故殺されなかったのかは不明。しかし黒人の中には知 能が遅れた人を殺すと、その魂が乗り移って自分たちも同じような障害にな る、と信じているものがいるようです。

過去1カ月、白人農民19人が南アで殺されている。どうも白人農民をその土地 から追い出すために、過激派が暴力を使っていると信じられているらしい。こ の虐殺に対して、白人農民はマンデラも攻撃しているようです。マンデラは、 虐殺を批判しているものの、白人の特権をも批判している。このコメントが白 人への攻撃材料になるかもしれないと、ある新聞は警告しています。ただ次の 大統領になるムベキが、新たな黒人革命を予定していることは、大体間違いな いようですから、ちょっと危ないですね。

かつての黒人指導者のスローガン、「1人の白人入植者に、1発の銃弾を」が、 力を持つかもしれない。さらに政府の無策に危機を募らせた白人達も、自分た ちで黒人容疑者狩りに乗り出している。実際、今月はじめには別の事件の容疑 者として、白人グループが、1人の黒人を跪かせ、尋問し射殺している。既に 何百人もの白人農夫が土地を売って、自分たちの土地を離れた。

JasperとJohnの兄弟は、おそらくこれからの生涯を、国の施設で過ごすことに なる。南アの追い求めた壮大な理想はいつまで持つのだろうか。

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5. Deep South makes a meal of its coypus
Lousiani to encourage consumption of beaver-like rodents in bid to protect fragile wetlands

アメリカ南部の州ルイジアナで、coypuという動物の繁殖に対抗して、彼らを 食べるようにと人々に勧める計画が実行されるようです。記事にもあります が、決して冗談ではないらしい。 (^^;

coypuは、リーダーズによると、「南米原産、「沼のビーバー」といわれ毛皮 が尊重される」とあります。そして地元の人が(nutria)と呼んでいることは記 事でも紹介されています。記事によりますと、この動物食欲が旺盛で繁殖力も 強いようです。兎よりも強いとあります。さらにこの動物には鰐の他にほとん ど天敵がいないらしい。体重は14ポンドにもなるようですから、6kg以上にな りますか。これが植物の根を食い尽くして、湿地を破壊しているわけですね。

だから地元紙が主張するように、「ヌートリアがルイジアナを食べ尽くしてし まわないうちに、ルイジアナがヌートリアを食べ尽くさなければならない」と いうキャンペーンになったようなのです。しかしこの動物、辞書にもあります ように、もともと毛皮が尊重されていたようなのですが、動物保護論者の圧力 で毛皮としての市場がダメになったようですね。他にも歯をswamp ivoryとし て、利用しようとしたらしいのですが、これも失敗。

だからただ殺せと言うわけにもいかないので、食べ物として利用しようと言う キャンペーンになったのでしょう。 (^^; しかしはたしてうまく行くの か。人は食べ物に関しては案外保守的ですから、前途多難でしょう。nutriaと 言う代わりに料理的魅力を訴えるためにフランス語のragodinと言う言葉を使 っているようです。それに料理コンテストも開いている。

しかしりすの脳をおいしいと感じるアメリカ人でもnutriaを食べる勇気はない らしい。イメージが悪すぎる。ルイジアナの人は道路でひかれてぺちゃんこに なった姿を見ているし、さらに湿地に住むほかにnutriaは、都市の下水道にも 住んでいるから、あまり食欲がわかないのも無理はないと思います。

しかし勇気ある人がいるもので、一部のCajunの中には、ミートボールにして 楽しんでいる人もいるようです。彼らに言わせれば、名前が悪いからbayou rabbitとでもかえれば、人々も食べるようになるだろうと言うことです。たし かにいい考えかもしれない。(^o^)

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6. East Germany's doped sports stars in court revenge
Triple Olympic gold medal-winner dosed with anabolic steroids she thought were vitamins

かつての東ドイツのスポーツ選手が、オリンピックで華々しい活躍をしたのは 記憶に新しいところです。モントリオール大会では、女子水泳の13種目のう ち、11種目で東ドイツが優勝した。しかしベルリンの壁崩壊後、そうした華や かさの裏にあったドーピングの事実が、明らかになりつつある。そして今選手 達に事実を知らさないまま、ドーピングを実施してきたコーチ達が裁判で裁か れようとしている。

1980年モスクワオリンピックを控えて14才のRica Reinsichは毎朝青い錠剤を 飲んでいた。彼女はそれをビタミン剤と思っていた。彼女はオリンピックで金 メダル3個を獲得するようですが、オリンピック後初めて自分が同化作用のス テロイドを服用していたことを知る。そのときには既に卵巣が慢性炎症にかか っていたようです。それから33才になる現在までずっと病気で苦しめられてい る。an enlarged muscle in her heartは何と訳すのでしょうか。心臓の筋力 が肥大化しているようです。

今Reinischを初め、かつての東ドイツの選手達が、4人のコーチを訴える準備 を進めているようです。いたずらに運動能力を高める薬を与えたことで、選手 達に肉体的危害を与えたからというわけです。これは民事だろうと思います が、前コーチ達は有罪と認められると最高3年の刑を受けるかもしれないとあ りますから、並行して刑事裁判が進められるのかもしれません。

現在は女性水泳選手が中心に調査は進んでいるようです。これは彼女たちが薬 を与えられたときに、年少者だったために法律的に自分で同意できる年齢にな いからですね。まず立証が簡単なケースからということのようです。さらに50 件の裁判が起こされる予定です。

東ドイツでステロイドやアンフェタミンが使われていることは、ほとんど関係 者で疑う人はいなかった。彼女たちの体格を見れば分かったから。しかし証拠 は1989年の壁崩壊後またもや東ドイツの秘密警察Stasiの中から見つかった。それ によって東ドイツではドーピングが組織的に行われていたこと、しかも国家犯 罪の様相が濃いことが明らかになった。

西側と違って、東ドイツの10代の選手にはほとんど自分たちが何を飲んでいる のかの意識がなかった。国家のトップが、東ドイツの栄光のために、政治的に 利用していたということも分かってきた。それを医学的な効率さが支え、実行 し記録に残していた。コーチと医者は協力して、副作用も含め選手達に与える 影響をいわば学問的に実験していた。しかもドーピングテストを逃れるため に、競技会前とその期間中は中止していた。狡賢いというか、専門知識がフル に利用されていたことになります。

多くの女性選手が現在疾患に悩んでいるようです。Reinishのように心臓疾患 を始めとして、不妊、肝臓・腎臓疾患、さらには肺疾患でも悩んでいるようで す。女性選手の場合、男性らしさは、筋肉ばかりでなく、deeper voiceと体毛 に影響を与えている。男性選手は胸を切除しなければいけなくなっているもの もいる。

オリンピックで勝つためならば、ドーピングもかまわないという選手の発言も 読んだ記憶がありますが、個人レベルではなく、国家が管理してくるとなると これはどうしようもない。



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