Winnie裁判(ST, TIME)


今日のBBCによれば、Winnie Madikizwla-Mandelaが自分の裁判の証言に立った ようです。もっともこれは裁判というよりも、真実和解委員会の聴聞ですか ら、正式の裁判ではないのですが、そこで彼女は自分のbodyguardに殺された 犠牲者を気の毒には思うが、自分には責任はないと突っぱねたようです。

これに先立って、私はSunday Timesの2つの記事とTIMEの記事を読んでみまし た。Sunday Timesの方がWinnieの殺人関与を示唆しているのに対して、TIMEは そこまでは断定していないようです。一応、Sunday Timeの記事を中心に感想 を書いてみます。

1. Brazen Winnie starts bid for presidency
2. Fear and courage of the witness who went back

Winnieは、内外の非難にも負けずますます意気軒昂のようです。STの書き方 は、brazen( 厚かましい)であったり、HER bravado was almost asastonishing as her conceit(彼女の大胆さは、うぬぼれと同じくらい大し たものだ、とか言外に彼女の犯罪関与を認めている感じです。先週はSowetoの 元自宅を「ウィニーマンデラ家族博物館」にする、華やかな開館式を行ったよ うです。外見から見る限り、他の証人が自分を殺人に関与したと証言している ことなど、気にもとめていないらしい。

彼女に対する黒人の貧困層の支持は相変わらず根強い。アパルトヘイトで痛め つけられた彼らにとって、ウィニーは指導者というよりも、自分たちと困難を 共にした同志なのでしょう。彼女が自分たちの象徴かもしれない。そうした草 の根を支持にANC女性連盟の議長として彼女は、今月ANC副議長の座を狙う。

ANCの指導部の彼女に対する評価はよくて大衆煽動者rabble-rouser、悪ければ 殺人者のようですから、ギャップは大きい。この2つの記事を読む限りは、彼 女を支持する声はあまりないのですが、おそらく彼女の支持者が黒人の指導層 とははっきり違うのだろうと思います。彼女を追いつめることも、どうもでき にくいような感じを受けます。

はたして14才の若き活動家、Stompieを殺害したのは彼女のとりまき、Mandela United Football Clubの独断だったのか。当然Winnieは、そう主張している わけですし、自分を殺人者だとする証言を噂であり、伝聞であり、そしてアパ ルトヘイトを作ったものたちの陰謀だと言っているわけです。

2番目の記事は、ウィニーが自らStompieらを殺したのを見たと証言するKatiza Cebekhuluを匿っているEmma Nicholsonの書いたものです。彼女は前自由民主 党の国会議員で女男爵。Cebekhuluは、その証言を恐れるものの手によって国 外に連れ出され、ザンビアの刑務所で衰弱していたのを発見され、現在は Nicholsonによって保護されている。命を恐れながら、真実和解委員会で証言 するために、わざわざイギリスから一時的に帰国したときのレポート。これを 見ると、彼の命を狙うものが南アでは今でもいるらしい。

3.  "MUGGER OF THE NATION"?
WINNIE MANDELA, ONCE SEEN AS MOTHER OF SOUTH AFRICA,
FACES ALLEGATIONS OF VIOLENCE AND KILLING

TIMEの記事は、事実だけを報道しています。タイトルは、Winnieのかつての 愛称Mother of the Nationに引っかけて、国を強奪したものMUGGER OF THE NATIONとは少しどぎつい感じですが、彼女が殺人に関係したとは匂わせていま せん。

この記事で興味を持ったところは、Winnieが一度だけ冷静さを失ったところ でした。そして真実和解委員会はおそらく結論は出せないだろうというところ も印象に残りました。そして国民の関心はウィニーが、今月ANCの副議長にな るかどうかということのようです。そして仮になれなくても、1999年にWinnie が大統領か副大統領になる道が閉ざされたわけでもない。



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