黒人市長、KKKの巣窟を征服(11/23)


Sunday Timesは、WORLDの記事12個は一応全部読んだのですが、2番目に感想を 書くのは1番目に選んだのは、一見反対の内容に見える記事です。

*Black mayor triumphs in lair of the Ku Klux Klan dragon

かつてKu Klux Klanの本拠地だった場所で町長になった黒人ビジネスマンの話です。

ジョージア州、Stone MountainはKKKの寺院として知られているようです。ア トランタの東15マイルの地にあるこの岩山は、花崗岩に馬に乗った南軍の英雄 達のレリーフが描かれているとか。そしてこの地で過去60年間、KKKのメンバ ー達は自分たちの秘密儀式を執り行っていたようです。

そしてこの山がある町も同じStone Mountainの名前で呼ばれているのですが、 ここは全国的に悪名高いKKKのリーダーが3年間市長を務めた町でもあるようで す。James VenableはKKKのNational Knightsの前imperial grand dragon 。定 訳はよく分からないのでそのままにしておきます。とにかくKKKの最高指導者 の1人であったことは確かなようです。彼は4年前に、91才でなくなるのです が、彼は自分の軍隊klan armyを持っていたようですし、niggersとかiberal pinko communist typesを怒鳴り散らすのが常だったようです。

しかし白人至上主義の象徴ともいうべき彼の家が、新しく町長になった黒人ビ ジネスマンChuck Burrisによって買い取られた。彼が町長に選ばれたというこ とは、強力な黒人勢力を誇る南部でも画期的なようです。Stone Mountainの歴 史においては市長はおろか、今まで唯一の黒人政治家だということです。それ ほどこのJames Venableは有名だったし、その影響力もStone Mountainsの町に 深く根をおろしていた。

町の人口は6500人、白人と黒人が半々ということのようです。この勢力図から 見ると、黒人も議員は今まで出していても当然だと思うのですが、どうなので しょうか。とにかくBurrisは、黒人ばかりではなく白人からも一部支持を得 て、今月はじめの町長選に勝った。人種ではなく、仕事が出来るかどうかが選 挙民の選択の基準になってきたようです。しかし町長色の給料は、月300ドル のようです。しかも町長の仕事はパートタイムで、本業のコンピューターソフ トウェアのビジネスの方は今まで続けるらしい。こんなことがアメリカでは許 されるのでしょうか。

毎年開かれていたKKKの年次総会はどうやら1991年に禁止されたようです。し かし今でもジョージア州でもっとも、人種問題が複雑な地であることには変わ りはないらしい。南軍の熱狂的なフアンはやはり何千人も集まってくる。これ は直接KKKと関係があるのかどうかは分かりません。

Burrisにいわせれば、伝えられるほど人種対立は激しくなかったということで す。彼はニューオリオンズで生まれ、ルイジアナで育ち、10年前にStone Mountainsに移ってきた。1991年彼が議員に立候補したときには、Venableはま だ生きていた。そのころはVenableは病気がちだったようで、人種差別の元気 もなくなっていたようです。Burrisによれば、VenableはBurrisに投票してく れると云ったそうです。(^o^) 昔Goldwaterとかいう極右の知事がいたけれど も、彼も年老いてからは穏やかになった。どうも政治家は、本当に人種主義者 なのかどうか分からないところもある。建て前として、人種主義を使っている のかもしれないし、あるいは年を経ると共に考えが変わるのか、この辺もよく 分かりません。

とにかくVenableの住んでいた家は、彼の死後売りに出された。そしていろい ろありますが、結局Burrisがその家を購入した。だから彼が現在住んでいる家 の隣にはVenableの姉が住んでいるし、通りを隔てたところにはその姪が住ん でいる。新しい家に移ったからと云って、別に無人種差別的なことを受けたこ とはなく、大いに気に入っているようです。

もちろんBurrisも自分が選挙で勝ったからといって、南部の人種差別が無くな ったとは思っていないようです。しかし新しい時代が始まっていることについ ては自信がある。いつの日か3代目か4代目の黒人町長が選ばれ、またヒスパニ ックやアジア系の町長が誕生したときこそ、本当の変化がおきた時だと云う思 いのようです。あんがいそうした時代は早いのかもしれません。



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